2009-09-19

日本人の身体技法 part4 ~丹田とは何か?~

日本の身体技法を調べてゆくと、必ず「丹田」というものが出てきます。
が、はっきりとそれが何なのか解明しているのはあまりありません。
位置も、臍下1寸から3寸まで色々言われている。その位置に何か機関があるわけではない。解剖学的には何もない、腸が収まっている空間です。
img_tanden.gif
写真は「気功体操」さんからお借りしました。
写真の上・中・下の丹田は漢方の考え方です。
この中の下丹田が日本で言われる丹田です。何故、日本人はこの丹田だけを重視したのでしょう?
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るいネット 「丹田とは何か?」 より

剣道用語辞典 から
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丹田(たんでん)
丹田の丹は赤であり、物の精粋である。
中国では昔不老不死の薬を丹といい、日本でも森下の仁丹、越中富山の反魂丹(はんごんたん)などがある。田は物を生ずる所であり、結局丹田とは精気精粋の生ずるところという意味である。貝原益軒はその養生訓に「臍下三寸を丹田といい、これは身命の命根のある所なり」と説いている。座禅をし静座するのも皆丹田の力を養うためである。
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丹田の言葉は中国由来ですが、中国では上丹田(眉間)、中丹田(胸部)、下丹田(腹部)とあり、臍下のみを丹田とするのは日本だけです。
何か、日本の身体技法には臍下腹部に中心を感ずる何かがあるのです。
Interdisciplinary さん 「丹田とはシステムである」
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伊藤 正中線は、陸上競技でも肉体と直接的対応を考える段階では軸として理解することができますが、武術でしきりにいわれ、高岡先生も重要視されている「ハラ」とは、一体どういうものなのですか。
高岡 「ハラ」、「下丹田」と古来から言われてきたものは人体下腹部の中心にあるとされている点ないしは球状の部分です。しかし、その部分は、解剖学的には腸があるばかりで他には何も見いだせません。ところが、その丹田があるとされる周りには、大腰筋、腸骨筋、上下双子筋、方形筋、横隔膜などの深層筋群と腹筋、腰背筋などの浅層筋群が丹田を中心に長球状の構造を形成しているのです。
 つまり、「丹田ができる」とは、こうした「長球状筋構造体」が至適のバランスを持った統一体として筋収縮活動を行うことを指すのです。
伊藤 武道家の人達のハラに対する説明には、極めて観念的な印象を持っていたのですが、先生の説明は極めて明快ですね。
高岡 ただ、深層筋や深層小筋群は、意識化することが極めて難しいのです。そこで意識と動作の関係がまた出てきます。丹田自体は、それらの筋肉群を統一的に動員するための「意識装置」であるわけです。
伊藤 なぜ、ハラが利くと動きがよくなるのでしょう。単に意識化できない筋肉というのは、その丹田周辺の筋肉群以外にも体全体に沢山あると思いますが。
高岡 それは、四肢の運動や体幹・呼吸運動の本質的な因子を根底から支えているのが、この長球状筋肉群だからです。それが本質的な因子を担っているということは、脊椎や骨盤とのつながりを考えれば容易に推察できると思います。
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何だか難しいのですが、運動する上での重要な筋肉群の中心であり、そこを意識することがこれらをバランス良く発達させる上で有効という意味でしょうか。
「常足」の著者によれば、丹田はナンバ歩行、古い身体動作である2軸運動の中心でだろうということになります。
あるいは、丹田呼吸法と呼ばれるものがあります。おそらく、「密息」と同じで横隔膜を上下させることによって呼吸するもので、この場合も丹田あたりを意識することになります。
どうやら丹田とは、古来からの日本の身体技法上の中心点であり、そこを意識することによって、色々な機能が高度になる点ということでしょうか。

やはり、丹田は「何かがある」のではなく、「そこを意識すると上手くいく」もののようです。何か、あるいは色んなものの動作中心のようですね。
日本人は重心が低かったんだと思います。
言葉は中国由来ですが、丹田を意識する身体技法は日本独自のもののようです。

List    投稿者 hihi | 2009-09-19 | Posted in M01.身体の自然環境4 Comments » 

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コメント4件

 ヘンプヒルズ | 2010.03.31 15:08

確かに!
日本は、淡水ではなく海水性の藻類が適し可能性が高い。
実用化に向けて期待が膨らみます。
そのためには、
>海洋バイオマスのプロジェクトに、DICが参画することが期待されます。>
がとても重要に感じます。
これは政治課題かな。
どのように政治が動けばいいか(必要か)?
ところで、
>さらに、植物の「純一次生産量(陸上植物や植物性プランクトンの生産量)」なら、海洋は陸地の15倍の基礎的な生産力を持っています。>
この根拠がどのような意味か教えてください。

 どんきち | 2010.03.31 17:19

海藻、藻を燃料にするというと、海苔とか、わかめとか、もずくとかを燃やすイメージなのかな~?
食用海苔、わかめ、もずく、昆布の生産プラントで食用、商品として使えない分を燃料にするとか。
海藻食品屋さんの共同プラントとか。。。。
まったく別の話なのかな。。。。。

 leonrosa | 2010.04.03 18:17

ヘンプヒルズさん、コメントありがとう!
海洋の基礎生産力が陸上の15倍という数字は、武田邦彦先生の説明からとりました。
武田先生がいっている根拠は、海洋では栄養分が自由に拡散するのに対して、陸上では土中の栄養分の拡散に制限があるので、海洋の方が植物生育に優れているというものです。
また、「藻類30億年の自然史」の著者である筑波大学の井上勲教授も、海洋の方が基礎生産力は大きいと指摘しています。
ポイントは、以下です。
陸上植物では、根・茎(幹・枝)・葉という形態をとり、そのうち光合成に係るのは葉だけである。
それに対して、海洋の藻類は細胞自身が光合成を行う葉である。
微細藻類では、全てが葉っぱであり、大型藻類でも茎の比率は少なく、大半が葉っぱである。
だから、生物総量に対する、光合成の能力は海洋植物(藻類)が格段に優れている。
15倍という数字は、引き続き調べて行きます。
質問ありがとうございます。

 leonrosa | 2010.04.03 18:25

どんきちさん、コメントありがとう。少しコメント返しが遅れました。
>海藻食品屋さんの共同プラントとか。。。。
紹介した開発フレームは、藻類に油脂成分を生成してもらい、まずは、燃料活用をしようというものです。しかし、油脂成分は50%~70%ですから、残りの50%~30%は、他の用途に活用できるはずです。
それを拡張すると、海藻食品屋さんと藻類油脂屋さんが一緒に取組む方が、自然な流れになりそうですね。 
その辺りは、今後のシリーズで扱っていくと思います。

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