2008-04-04

海水が飲めないのはなんで?

ミネラルウォーター、イオン水、海洋深層水、浄水器など水市場はどんどん活性化しているようです。

そもそも皆がここまでこだわるって、一体どうして大切なのでしょうか?

よく言われるのは、「人の身体の約60%が水で出来ているから。」

60%を占める水が安全できれいなものであるため、ということなんですが、ではなぜ人の身体の60%が水でできているのでしょうか?なんでそれだけ必要なのでしょうか?
ex192-2.jpg
答えは、生物としての生命維持の為です。

人に限らず、生物は常に生命体を維持する為に化学反応を起こしています。

その材料(栄養分)を運ぶのが、他ならぬ水なのです。

そして不要になった老廃物を排出するのもまた水なのです。

そしていかに水が媒質として優れているのか?→これらの答えはるいネットやブログを参照してください。リンクリンク

地球そのもののも、水の循環(雨が降り川が流れ、海にそそぎ、そこで蒸発してまた雨が降る)が大きく関わっています。

海から生命が誕生しましたが、海から這い出た今も生命を維持するために、水が重要な役割を持っているのです。

さて地球上の海水の量は約14億 km3で、地球上の水分の97%を占めています。
水問題が取り沙汰されていることを踏まえれば、これを飲用水に使えないのでしょうか?
つまり、人は海水を飲めないのでしょうか?

誰でも一度は考えるこの疑問を調べてみました。
塩辛いから? 味覚の問題ではありません。

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ぽちっ、と有難うございました
さてまず人の体の中の水はどこにあるのでしょうか?

人の体にある水の約2/3は、細胞の内に存在する細胞内液として、約1/3は血液と細胞間の体液である細胞外液として保有されています。
細胞内液は主にカリウムイオンを含み、細胞外液はナトリウムイオンと塩素イオンが主体です。

水分は半透膜である細胞膜を通って内外に行き来できますが、普段はその両液の浸透圧を同じにする調節機能によって水の行き来はありません。
     ┌───――――――――─―――――───――┐
     |┌─細胞内液─――┐細┐    細胞外液     |
     || カリウムイオン  ¦胞¦  ナトリウムイオン   |
     ||            ¦膜¦   塩素イオン      |
     |└────────┘―┘               |
     └──────────────────―───┘
 例えば、細胞外液のナトリウムが減ると、濃度が低くなるわけだから、調節機能が働いて腎臓から水分が排泄され(つまり小便が多くなって)細胞外液の濃度(浸透圧)を保つ
ということは細胞外液の水量が減ります。

 反対に、細胞外液のナトリウムが多くなると、つまり塩を取りすぎると小便が少なくなり、細胞外液の水量を増やすことによって濃度、つまり浸透圧を一定に保って安定させようとします。

この機能でも間に合わないくらいに細胞外液の濃度が高くなると、細胞内にある水が細胞の外へ出ていくのです。

逆に細胞外液の濃度が低くなると、内外の濃度を一定にしようとして、外から細胞の中へと水が移動するのです。

07.jpg
ここまで書けば凡そお分かりでしょう。

海水は塩の濃度は約3%で、生体の塩分濃度が約1%です。

のどの渇きに耐えかねて、もし海水を飲んだとするとどうなるでしょうか?

のどが渇くというのは細胞外液の浸透圧が高くなって脳の口渇中枢を刺激していること。

ところが、ここに海水中のナトリウムが加われば益々細胞外液の浸透圧が高まり、細胞内液が外へ出て、口渇中枢の刺激を増し、さらに水を飲みたくなるだけ。

加えて海水中の硫酸イオンやマグネシウムイオンは下剤としての作用を持っているから、下痢を起こして水分不足を促進することになるのです。だから、例えばボートで漂流中に海水を飲むことは、死を早める以外の何の役にも立たないのです。
まああまり活用されない知識かもしれませんが・・・・

原油高が問題視されていますが、例えば原油1バレル(=約159L)=105ドルの段階で、1ドル=100円とすると、原油1.5L=約100円(=105ドル×100円/ドル÷159L)となり、スーパーで買うミネラルウォーター水の方が高いのです。しかし生命維持という観点でいけば圧倒的に水のほうが大切なのです。
水の確保は生命維持に不可欠なことであり、日本で言えば上下水道整備は公共事業として、統合者の役割となっています。しかし今や水は市場の商品の一つとなっており、我々の生命維持が市場に委ねられていると言っても過言ではありません。資源といえば化石エネルギーに目が行きがちですが、水の取り巻く現状を整理していきたいと思います。

byコバヤシ

List    投稿者 goqu | 2008-04-04 | Posted in M01.身体の自然環境11 Comments » 

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コメント11件

 スパイラルドラゴン | 2008.08.08 8:59

CO2や水蒸気等の温室効果ガスが地表放射赤外線を吸収した後に、再放射するということは、大気中に漂っている温室効果ガス自体が一切加熱されないことになりますので、上昇気流や雲が発生しないことになります。
なのに、地球大気の約半分は、常に雲に覆われています。
この1点の矛盾が解消されない限り、温室効果ガスの濃度が上昇しようが低下しようが、温室効果ガス地球温暖化理論は、デタラメに過ぎないので、全ての温暖化対策は茶番だということになります。

 tutinori | 2008.08.08 14:25

スパイラルドラゴンさん
コメントいつもありがとうございます。貴殿のHPはいつも参考にさせていただいてます。
>温室効果ガス地球温暖化理論は、デタラメに過ぎないので、全ての温暖化対策は茶番だということになります。
私もそう思っている一人ですが、貴殿のおっしゃられていることは、「吸収されたエネルギーが再放射される前に、大気中のその他の物質(水蒸気やら酸素やら窒素やら)との分子間での衝突によって、運動エネルギーや熱エネルギーに使われてしまう」ということですよね。
あと、熱力学第2法則上、熱の移動が下方に向かうことが無い。ということもそうだと思うのですが、
ただ一つ疑問なのが、それだと熱収支の説明はどうなるのでしょうか?
なので、「再放射自体はあるが、限界はありすでに大気中では飽和状態に近い状態なのでこれ以上、温室効果ガスによるいわゆる温暖化は無い」というのが今のところの稚拙な自論なのですが、その辺はどうでしょうか?

 スパイラルドラゴン | 2008.08.08 17:36

>「吸収されたエネルギーが再放射される前に、大気中のその他の物質(水蒸気やら酸素やら窒素やら)との分子間での衝突によって、運動エネルギーや熱エネルギーに使われてしまう」ということですよね。
「再放射」が優勢となるのは、気圧が低い対流圏上部に限った現象で、それ以下の高度の大気圧下での気体分子の挙動は、断熱膨張と断熱圧縮のメカニズムに支配されているからこそ、地球の約半分は常に、水分子が主成分の雲に覆われているのです。
また、気体分子の運動エネルギー=熱エネルギーですし、分子の運動エネルギーが高まる=分子の衝突速度が早くなるということです。(分子の運動速度が早くなった状態を保持する性質が高いのが、温室効果ガスの特徴です。)
また、肯定派が主張する「再放射」とは、光学的反応(ミリ秒単位の反応)ですので、本来ならば温室効果肯定派からは、再放射プロセスでの「時間」についての説明があるべきなのに、肯定派からは、この「時間」に関する説明は一切ありません。
よって、肯定派が主張する温室効果ガスが吸収した熱エネルギーを再放射するということは、温室効果ガスが全く加熱されないと理解しても差し支えないと思います。
つまり、温室効果肯定派による温室効果理論とは、温室効果ガスの種類にかかわらず、赤外線活性分子が吸収した赤外線を「再放射」するので、温室効果ガスが「熱エネルギーを吸収しない」という論理に帰結します。
よって、上昇気流も雲も発生しない理論だということになるのです。

 期待人 | 2008.08.19 17:26

コメントを入力してください
>CO2の放射率が小さいのではないかと、PERRY のHANDBOOKの図に
いきつき、どうしてかなと考えていたので放射吸収率の飽和は大変参考になりありがとうございました。
>再放射について
大気(低温側)からの再放射で地表面(高温側)を加熱しているように、
考えられておられるようですが、
高温側からも低温側からもどちら側からもいつも赤外放射は相手側に届きますが、その場合高温側のほうがエネルギーは大きいわけですから、さしひきした熱が地表面(高温側)から大気(低温側)に流れます。すなわち、地表面の放射放熱です。(教科書の記述による)
高度の高い(低温側)大気からの放射はつねにありますが、差し引き高度の
高い(低温側)大気は、高度のより低い大気(高温側)から差し引き熱をもらっているのです。(どの大気もその温度に応じた赤外放射を常に行っている。)
CO2濃度増加による大気温度増加の計算も、太陽からの入射エネルギー
が277しかないのに、吸収率が上がれば、計算式ではエネルギーが増えることになり、CO2の場合とは違いますが、放射吸収率が100%ではエネルギーが倍のときの大気温度上昇になってしまいます。
エネルギーは太陽の入射しかありません。
CO2の増加は、とりこぼしていた赤外放射エネルギーを捕獲するだけだと思います。
地表面からの伝熱のうち、放射伝熱は40%くらいでしょうから、CO2の活躍の場も全伝熱の4割と考えるのが妥当ではないでしょうか?

 ブログニュース | 2008.08.24 9:18

CO2「地中」貯留の影響、環境省が鹿児島湾で調査へ

 火力発電所などから排出される二酸化炭素(CO2)を地中に閉じ込める「CCS(炭素回収・貯留)」の安全管理技術を開発するため、環境省は10月から鹿児島湾で…

 期待人 | 2008.10.12 18:32

http://homepage1.nifty.com/gfk/kyusyuritsu-keisan.htm
>温室効果ガスの吸収率の推定
II = (1-a/2)・IE  ・・・ (4)
は成り立たないと考えられるのですが。
どうなんでしょうか?
すなわち a/2・IE が地表に返還されたままになっており
宇宙空間に放出されていないのです。地球に蓄積がつづくことになります。
従って4式は地表への入射エネルギー=宇宙空間に放出されるエネルギーになっていないのです。
 II > (1-a/2)・IE ということだと思います。 

 匿名 | 2009.09.24 7:55

二酸化炭素の増加とともに水蒸気の濃度上昇が起こります。
http://www.data.kishou.go.jp/climate/cpdinfo/ipcc/ar4/ipcc_ar4_wg1_es_faq_chap1.pdf
↑8p目

 ゴッドフット企画 神足史人 | 2009.10.11 7:38

「Excelを用いた地球温暖化計算」のリンクありがとうございます。
温暖化の計算内容を議論検討もせず、温暖化対策だけが先行する世の中が変と感じています。ここでの議論は有意義だと思います。
 書籍を出版しました。
「Excelで操る!ここまでできる科学技術計算」
丸善 出版事業部
地球温暖化計算も掲載しています。こちらもよろしく。

 期待人 | 2009.10.13 9:42

>二酸化炭素の増加とともに水蒸気の濃度上昇が起こります。
確かに理論的にはそうでしょう。
問題は二酸化炭素濃度の増加によって、地表面にどの位の熱がこもり、その熱によって水蒸気がどの位新たに生成するのかですね。
二酸化炭素が数100ppmと少ないですから、吸収・放射する熱は大きくなく、新たに生成する水蒸気も潜熱が必要ですから数10ppm?と少なく、影響を及ぼすほどはないのでは?(もともと水蒸気は大気に存在し、そこに新たに加わる)
http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-88.html

 kubtak | 2010.07.03 19:22

あ~。数式が理解できない。
確認できたのは、
・数式がすべてを表しておらず、必ずしも完璧でない事。
・「圧倒的に」「ほとんど」など、数量と効果の関係が分かっていない点がある事。
・いろいろなところに「おそらく」や?(疑問型)が残っている事。
温暖化のCO2主因説が、嘘っぱちかどうかは分からない。
付随する問題が優先するので、
主題からは外して良いということに同意。

 kubtak | 2010.07.03 19:25

あ~。数式が理解できない。
確認できたのは、
・数式がすべてを表しておらず、必ずしも完璧でない事。
・「圧倒的に」「ほとんど」など、数量と効果の関係が分かっていない点がある事。
・いろいろなところに「おそらく」や?(疑問型)が残っている事。
温暖化のCO2主因説が、嘘っぱちかどうかは分からない。
付随する問題が優先するので、
主題からは外して良いということに同意。

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