2014-02-26

ガンの真因と栄養学の嘘 2~「ザ・チャイナ・スタディ」が衝撃的であった背景~

 これから、数回に分けて、チャイナ・スタディの内容を見ていきます。
1.中国の事情
「1970年代初め、中国の首相がガンで死にかけていた」とは周恩来首相のこと。
(ある一定の年齢以上の方は覚えているだろう。中国最高の政治家、知性・徳の体現者。毛沢東の時代、文革の嵐の中でも失脚することなく、1949年から死去する1976年まで首相で有り続けた。日本に留学し、京都嵐山にはそのときに読んだ詩「雨中嵐山」が記念碑になっている。田中角栄とともに日中共同声明に調印した。戦後日本軍の裁判では寛大な判決を行い、文革では、近衛兵の暴走をできるだけ内部で制御した。中国、日本ともにファンが多く、死去したとき、文革により苦しんでいた民衆が、敬愛する周恩来のために追悼行動を起こしたが、これを当局は鎮圧、第一次天安門事件と言われている。)
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チャイナ・スタディでは、「首相はこの病気の情報を収集するため、中国全土に及ぶ調査を開始した。」となっている。本当に、首相自ら命じたのかどうかは分からないが、当時の中国が周恩来を失うことは、国内統合の上で決定的に危険なことだったのだろう。実際、死後、4人組が暴れることになる。
 この中国の危機感が、作業員65万人、調査対象8億8000万人という未曾有の大調査となった。この調査が決定的なのは、対象が漢民族のみであること。アメリカのように多人種の地域での調査では無い、つまり遺伝的特徴は同一であり、ガン発生率の差があれば、それは生活習慣に起因すると見なせることになる。
2.アメリカの特殊性
 アメリカの研究者が、この調査に注目したのは、ある意味必然だった。
アメリカ国内の調査では、民族、つまり遺伝的特徴が多種多様になる。そして、ガン罹患率の差はせいぜい2~3倍である。それが中国では、同一民族なのに100倍の差があった。
アメリカはガン大国である。 
アメリカ人は昔から多くがガンに怯え、国も研究機関もガンの犯人探しに躍起だった。多くの研究費を使い、発ガン物質や、誘導遺伝子を探していた。そこに、全く違う視点の調査結果が現れたのだ。
 アメリカ人にとって衝撃的なのは、加えて肉への信仰がある。
チャイナ・スタディでは繰り返し「信じられないだろうが動物性蛋白が悪者である」と述べられている。「衝撃的な事実だが~」と書かれている。現代日本人からしてみたら、それほど衝撃的でも無い。「野菜をたくさん食べましょう。」というのは当たり前のことでしかない。日本人の「献立」の概念には、栄養バランスというものが含まれている。
 ところが、アメリカでは肉、動物性蛋白こそ栄養源である。そう、信じられ続けていた。アメリカ人にとって、食事は「肉」である。必要摂取カロリーの多くを動物性蛋白からとる。
 アメリカ人の肥満率は30%を軽く超えるが、それでも肉を食べ続けている。栄養学上も「動物性タンパクは最も良質なタンパク質である」と考えられてきた。
(この栄養学が、戦後日本に輸入されてきた。バランスはとるが、肉は必要な栄養素、乳製品は非常に有用な栄養食品となっている。)
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 そのため、ベジタリアンであっても乳製品を多く取る人が多い。実は、動物性蛋白の摂取量は、ベジタリアンと他でさほど大きな差が無いのだ。アメリカの調査で、ガンの主要因として、食事が浮かび上がらないのもこのような事情がある。
3.その調査方法~チャイナ・プロジェクト~
 70年代の中国調査を経て、アメリカと中国で合同の調査チームが発足した。このチームは中国農村部の食生活を徹底的に調査した。これがチャイナ・プロジェクトである。
 調査対象は、中国全土の内、24省65郡。各郡100人ずつ、35~64歳の男女半分づつが選ばれ、3日間の食事内容ヒアリング、採血、採尿が行われた。加えて、その30%の人数の家庭に行き食習慣調査、市場での食料消費量が調査された。
 その結果、ガン死亡率には最大400倍の地域差があり、コレステロール値では2倍、血中脂肪では3倍、脂肪摂取量では6倍、食物繊維摂取量では5倍の差があることがわかった。
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 チャイナプロジェクトがそれまでの研究と比べて特徴的なのは、アメリカの調査は「動物性食品が多い食習慣」と「動物性食品が非常に多い食習慣」の比較でしかなかったが、中国では「植物性食品が多い食習慣」と「植物性食品が非常に多い食習慣」を比較することができたということ。
その食習慣の差は下図のように大きな差となっている。
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 また、中国~アメリカの比較だけでなく、世界各国の栄養摂取とガン死亡率をみると、非常にわかり易い結果になっている。
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乳がんの事例で、食事の脂肪が影響しているのが明白ですが、植物性脂肪だとその傾向が見られない。しかし、動物性脂肪だと顕著な影響が現れている。
 いかがでしょうか?
これだけ明確に出てくると、明日から肉は食べたくなくなりませんか?
次回は、さらに食事がガンへ影響する具体的事例を挙げていきます。
そして、なぜ、動物性食品は悪影響が大きいのか?なぜ、植物性食品が良いのか?
太古から人類は肉類も食べてきたのではないのか?日本人として、魚も同様なのか?
今後、追求していきたいと思います。

List    投稿者 hihi | 2014-02-26 | Posted in N.健康・医療・食品No Comments » 

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