動植物100万種が絶滅危機!?
20億年前、地球上の生命の最大99%が絶滅していたことが判明。それは恐竜が絶滅した時よりもはるかに壊滅的な大絶滅だった
国際的な科学者チームは、このたび、すでに知られている大量絶滅事象の他に、20億年前の地球で、地球上の生物のおよそ 99.5%が死滅した大絶滅があったことを突き止めた。
以下、BBC NEWS Japanより引用します。
国連環境計画(UNEP)主催の政府間会合は6日、人類が陸海空で自然環境と生物多様性に壊滅的な打撃を与えていると警告した。
世界132カ国の政府が参加する「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)は、人類の活動によって約100万種の動植物が絶滅危機にさらされていると警告する、報告書を発表した。
自然環境は地球上のあらゆる場所でかつてない速度で衰退しており、その最大の原因は人類の食糧とエネルギー需要が拡大し続けているからだという。
IPBESは、この衰退の動きは食い止めることができるものの、それには人類の自然の関わり方が全面的かつ「抜本的に変化」する必要があると結論している。
1800ページに及ぶIPBES報告書は、1万5000点の資料を3年間にわたり研究調査したものの集大成。私たちの農作物を受粉するハチ、土壌に水を蓄え洪水を防ぐ森林など、人間の活動が自分たちの社会を支える自然環境そのものを破壊している様子を、報告書は明らかにしている。
「政策決定者のため」として、パリ会合で発表された40ページの要約は、この地球しか住む場所のない人類がいかに地球を荒廃させてきたか、かつてないほど強力に糾弾している。
確かに歴史上、人類は常に地球環境に影響を与えてきたものの、かつてはかすり傷に過ぎなかったものが、過去50年の人間活動によって地球環境が負った傷は極めて重傷で深刻だと要約は指摘している。
1970年以来、世界人口は倍増し、世界経済の規模は4倍に成長し、国際貿易の量は10倍に増えた。この膨れ上がる人類に十分な食料と衣類とエネルギーを与えるため、各地で森林が驚くほどのペースで切り倒されてきた。特に熱帯地域の森林が、とてつもないペースで減少している。
1980年から2000年の間に失われた熱帯林の面積は、1億ヘクタールに及ぶ。南米での牧畜と東南アジアのパーム油生産が、その主な原因だ。
森林よりさらに破壊の度合いがひどいのが湿地帯で、1700年にあった湿地帯のうち2000年にも残っていたのは13%に過ぎない。
各国で都市部は急速に拡大し、都市地域の面積は1992年から倍増した。
人類のこうした活動によって、かつてないほど大量の生物種が死滅している。
報告書によると、動植物の25%の種が絶滅の危機にさらされている。
昆虫への地球規模の影響は分かっていないが、地域によって昆虫が急速に激減している様子は詳しく記録されている。
様々な現象を総合して、IPBESは約100万種の動植物が数十年のうちに絶滅すると警告。この絶滅のペースは過去1000万年の平均より10倍から100倍速いという。
報告書の統括執筆責任者の1人、米ミネソタ大学のケイト・ブラウマン博士は、「生物多様性と自然が本当にかつてないほど衰退している様子を記録した。衰退のペースや脅威の規模という意味で、人類史上このような現象はまったく前例がない」と指摘する。
「すべてを並べてみたとき、生物種の衰退があまりにひどくて、自然環境が人間に与える恩恵がどれほど失われるかを見て、衝撃を受けた」と博士は言う。
報告によると、地球上の土壌もかつてないほど劣化しているため、地表の生産性は23%も後退しているという。
人類の飽食によって巨大なゴミの山が積みあがっている。プラスチック公害は1980年から10倍に増え、私たちは毎年、3億~4億トンのもの重金属や溶剤、有毒ヘドロなどの廃棄物を地球の海や河川に投棄している。
この危機の背景は
報告書によると、これほど多くの生物を絶滅の危機にさらしている要因は複数あるが、土地利用の変化が主要因だという。
要するに、草原を集約農業の耕作地に切り替えたり、原生林を農園に変更したり、耕作のために森林を伐採したりする活動を意味する。こうした土地利用の変化は世界各地で、特に熱帯地域でさかんに行われている。
1980年以来、農業生産拡大の半分以上は原生林の破壊によって実現した。
<関連記事>
海でも同じような事態が進んでいる。
2014年の時点で人類の影響を受けていないと言える海は3%しかなかった。
魚はかつてないほど乱獲され、2015年には水産資源の33%が持続不可能なまでに捕獲されていた。
サンゴ礁では、生きたサンゴが岩を覆う割合(サンゴ被度)は過去150年間でほぼ半減している。
こうした変化の背景には、増え続ける人類の人口と、増え続ける食糧需要、とりわけ肉食や魚食への重要拡大がある。
「生物多様性が破綻する最大の要因は土地利用だと、今では見られている。農作地の7割が食肉生産に関連しているなどが、その主な理由だ」 と、フランス持続可能開発・国際関係研究所(IDDRI)のヤン・ローランス氏は言う。
「私たちの食生活に占める、肉や乳製品の割合を検討し直すべきだ」
土地利用のほか、狩猟や直接的な動物搾取(さくしゅ)、気候変動、公害、侵入種などが脅威となり、複合的に事態を悪化させているという。
報告書発表に出席した統括執筆責任者の1人、ブリティッシュ・コロンビア大学のカイ・チャン教授は、「自然保護、水質保全、食糧維持、エネルギー供給、気候変動抑制を同時に実現する必要性を、「これほどの規模で検討した研究は今までなかった」と述べ、「これほど徹底的にこの課題に取り組んだ報告書は初めてだ」と強調した。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2019/09/4294.html/trackback