【地球のしくみ】2.プレート境界は薄くて硬い→だから、力が集まりやすく、割れやすい。
みなさん、こんにちは。
前回の記事では、以下の3つの仮説を立てました。
仮説①
プレートのラインは、地盤の割れ目。
マグマ化説によると、一度割れた地盤は再溶接されているので、より強度が高く頑丈。
よって、火山噴火は起こりにくい。
仮説②
頑丈なプレートの脇の比較的の柔らかい地質の地域では、熱によって火山の噴火が発生する。これが、火山ライン。
仮説③
九州を除く西日本で火山が少ない理由は、地質の違い(地盤の硬さの違い)。
柔らかいと火山となり、硬いと割れやすく活断層だらけになる。
今回は、これらの仮説の検証を行います。
応援よろしくお願いします
◆ プレート境界上では、火山噴火は起こりにくい?!
以下の図を見ても明らかなように、実際にプレート境界上に火山ラインが重なっていません。
では、プレート境界上では、何が起きているのでしょうか?
(引用:リンク)
上記の図の上はプレートのライン、下は地震の震源地を赤い点で表しています。
こうしてみると明らかなように、プレートのラインに沿って、その周辺部で地震が起きていることがわかります。
日本でも、このような感じです。
(引用:リンク)
震源の深さによって、深い方(80~150km)が黄色~浅い方(30~80km)がオレンジに色分けされています。
断面を見るとプレート境界から大陸側に向かって、震源が深くなっています。
(引用:リンク)
これは、プレートの境界に向けて、地盤が薄くなっているためだと考えられます。
◆ 火山ラインは、地質が柔らかいって、ホント!?
地下には、様々な岩石があります。そして、それぞれの岩石に硬度があります。
火山ラインの下には、どのような岩石が多いのでしょうか?
(引用:リンク)
上記の地図の緑のラインは、火山ラインと大きく重なっています。
このグリーンタフとは、一体何なのでしょうか?
☆グリーンタフとは?
緑色を帯びる凝灰岩をグリーンタフ(緑色凝灰岩)と呼びます。
グリーンタフは、特に日本海形成期(新第三紀中新世)の大規模な海底火山活動に由来すると考えられており、日本列島の根幹をなす岩石のひとつです。
☆凝灰岩の硬度はどの程度なのでしょうか?
(引用:リンク)
凝灰岩は、火山の地層にある安山岩と比べても、圧縮強度・曲げ強度が弱く、吸水率が高く柔らかい岩だということがわかります。
◆ 火山ラインと活断層エリアの地質の違い
日本の地質図を探してみると、東日本と西日本では、はっきりとした違いがありました。
上の図から、以下のことがわかります。
・東日本の火山ラインの辺りは、新第三系=6500万年前の地質
・火山のない西日本は、中・古生代=1億4000万年以上前の古い地質
・特に活断層の密集している関西の中部エリアには、花崗岩が多い
前項の表では、花崗岩は圧縮強度・曲げ強度が、火山地帯の安山岩や凝灰岩よりも高く、
逆にせん断強度は安山岩よりも低いことから、圧力や曲げには強いが、割れやすい岩であることがわかります。
これから考えても、火山ラインは噴火を繰り返している柔らかく新しい地質で、
活断層エリアはもろい花崗岩が割れを繰り返していることが推測できます。
◆ まとめ
・プレートの境界の周辺では、大きな地震が多発している。
・プレート海溝周辺は、地盤が薄い。
・プレート海溝の大陸側は火山が多い地帯。
・日本では、地質の違いによって柔らかいところが火山、硬いところが活断層になっている。
このことから、プレートの境界の周辺部は「硬い」+「薄い」ことがわかります。
プレート周辺の地盤は、大陸内部よりも薄いため、下からの圧力で曲げ圧力を受けやすく、
また、プレート境界は再溶接され、周辺よりも硬くなっているため、力が集まりやすいのです。
そうして、どんどんと力が集まっていくと、
そのプレート境界の近接した部分が曲げ圧力に耐え切れなくなり、割れが生じ、地震となるのです。
(こうして考えてみると、プレートテクトニクスではプレート同士がぶつかっているといわれていますが、
プレートとは前回割れた部分のことで再溶接されていて、本当はプレート同士はくっついているのでは?とも思えてきます。。。)
続いては、火山の爆発について追求していきます。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2012/03/1060.html/trackback