2011-10-15

【自然災害の予知シリーズ】-3-先人の知恵に学ぶ(動物編その2)~地震の前、動物が感知するのは電流と熱!

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「大好きなひとたちが無事だったらいいにゃぁ」
こんにちは。自然災害の予知シリーズ、前回の記事では、地震前の動物の異常行動を取り上げ、地中や水中に生息している動物ほど予知が早いことを示しました。
今回は、その中で特に地震を敏感に予知する動物が、地震前に「どのような認識機能で、何を感知しているのか?」を明らかにしていきたいと思います。
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ありがとうございます!
◆◆◆ 地震を予知できる動物の、外部環境の認識機能
地震を早くに予知する地中or水中動物のうち、特徴的な認識機能を持っている、ナマズ、ミミズ、ヘビを取り上げます。
参考:『感覚器の進化』(講談社、岩堀修明)

◆ ナマズの特徴:側線⇒電気受容器の発達

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一般に、魚類は側線という器官を持っています。側線とは、水圧・水流・振動のほかに、温度刺激や化学的刺激、イオン環境などを感じとる感覚器官のことです。参考
そして、進化するにつれて、側線から分化した「電気受容器」を有する魚が現れました。これにより、水の動きだけでなく、電場の動きも感知して、敵や餌の存在を知れるようになりました。
電気受容器を持っているのは、サメ類やエイ類などの軟骨魚類と、ナマズなどの硬骨魚類が主ですが、2つのタイプに分かれます。
サメやエイなどは、自分で電場を発生させ、その乱れによって周囲に何があるかを感知するタイプで、「結節型電気受容器」とよばれます。
一方、ナマズは周囲の電場変化によって状況を感知するタイプで、「アンプ型受容器」とよばれます。こちらのタイプの方が、周囲の電場変化に敏感であり、わずかな電場変化も感知できます。

したがって、ナマズの認識機能の特徴は、わずかな電場変化も感知する電気受容器、といえそうです。
◆ ミミズ:電気走性がある
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ミミズは、進化史上でもかなり原初的な環形動物に属し、単細胞生物時代からの認識機能の分化があまり進んでいません(注:進化するほどに分化が進む)。
例えば、ミミズの視覚は表皮に散在しており、光の有無のみを感知できる、視覚の最も原初的な形態だといわれています。光を当てると、収縮したり土に潜るそうです。
また、電気も敏感に感知でき、電気走性があります。電気走性とは、周囲の電場を感知し、電極のプラス側に移動する性質です。

移動するというところから、電気走性が地震予知に関係する、ミミズの認識機能の特徴ではないかと思います。
◆ ヘビ:孔器(赤外線受容器)をもっている
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一部のヘビ類は、赤外線を熱線として感知できる孔器(赤外線受容器)をもっています。
約1億3000万年前、恐竜の天下であった白亜紀に、生き残りを懸けて地中での生活を始めたのが、ヘビ類です。地中生活で視覚や聴覚が退化した代わりに発達したのが、孔器だと考えられています。

ヘビの孔器が、動物の温度を感知する温度受容器であることが明らかになった実験があります。
ガラガラヘビから、視覚と嗅覚と味覚を奪っても、ネズミを捕らえることができました。しかし、孔器をふさぐと、ネズミを全く捕らえられなかったそうです。

この孔器によって、ヘビは微小な温度変化を感知し、さらには(敵などの)熱源までの距離や位置をも知ることができます。その感度は、約30cm先に吊るした60Wの電球を感知できるくらい鋭敏です。

したがって、ヘビの認識機能の特徴は、わずかな温度変化を感知する、孔器(赤外線受容器)であるといえそうです。
◆◆◆ 地震の前に動物が感知している予兆は、電流と熱!

以上のことから、動物の地震予知には、2パターンあることが分かりました。

◆ 電場の変化(←おそらくは電流の発生)を感知するタイプ

ナマズやミミズに代表される、電場変化を感知する認識機能が発達した動物は、地震の前、電場の変化を鋭敏にキャッチし、異常行動を起こすのだと考えられます。
だとすると、地震の予兆として、電流が発生し、水中や地中の電場に乱れが生じるのでしょう。この現象は、地電流の観測によって実証されつつあり、信憑性が高そうです。
◆ 熱を感知するタイプ

ヘビの認識機能の特徴から、ヘビが鋭敏に感知している地震の予兆は、温度変化(熱)だと考えられます。
だとすると、地震の2ヶ月ほど前には、マグマの活性化による地中の温度上昇があるのでしょう。

その微小な変化をキャッチでき、かつその熱源が巨大で得体の知れないものであるため、ヘビはパニックを起こして(冬眠中にもかかわらず)地上に出てきたのではないでしょうか。
地震前の地表温度の上昇も観測されているようなので、信憑性は高そうです。ただしそれは、地震発生の数日前くらいのオーダーでの地表温度の変化です。
つまり、ヘビは人間が観測できるよりももっと前に、地震を予知しているのですね!今後のヘビの動きに注目です。
◆◆◆ まとめ

地震の予兆としては、少なくとも①電場の変化②温度変化の2つがあり、動物はこれを感知して地震を予知しています。

いずれも観測事実として認められることから、動物の地震予知の信憑性が裏づけられます。あるいは逆に、電流や温度といった予兆の詳細な観測が地震予知につながることを、動物たちが証明している、とも言えます。

現在のところ、どちらが正確かは定かではないので、今後はナマズなどの動物の観察と、電場や温度変化の観測の両にらみによって、地震を予知していく試みが期待されると思います。
人類にできることは、徹頭徹尾、動物などの自然の摂理に学び続けることですね。
また、こうしてまとめてみると、赤外線(熱)は電磁波の一種だし、電流も電磁波を発生させるので、「電磁波」という共通点が見えてきます。
つまり、紹介した動物は、地震時に発生する固有の周波数の電磁波をキャッチしている、とも言えるかもしれません。

さて、今回、地震の前に電場の変化が生じる、という仮説が登場しましたが、そもそも電場・電流・あるいは電圧って何?ということが分かっていないと、地震の予兆現象も理解できなくなります。
したがって次回は、「電流って何?」をお送りします!お楽しみに!

List    投稿者 kayama | 2011-10-15 | Posted in D05.自然災害の予知No Comments » 

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