2019-11-06

性別が720種類で、脳がなくても学習!? 謎の生物「ブロブ」

我々が知り得る生物の世界は極々一部で、その僅かな知識によって生物全体、摂理を知ったように思い込んでいるのです。

WIREDより引用します。

性別が720種類もあり、脳がなくても学習し、半分に切断されても2分で自己治癒する──。そんな奇妙な生物が、パリの動物園で展示されて話題になっている。この「ブロブ」と呼ばれる生物は単細胞の粘菌の一種であるモジホコリ。

The "blob",

パリの動物園で公開されたブロブ。単細胞の粘菌の一種であるモジホコリの黄色い塊だ。BENOIT TESSIER/REUTERS/AFLO

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もしわたしたちが、この惑星を徐々に破壊することに没頭していなかったとしても、ネット上では互いに徹底的にののしり合うことに時間を費やしている。しかし、人類のロールモデルがますますいなくなっていく世界にも、思いがけないヒントの源がある。

そこで登場するのが、「ブロブ(The Blob)」と呼ばれる“生物”である。単細胞の粘菌の一種であるモジホコリの黄色い塊で、パリ動物園で10月16日に披露された。720種類もの性別をもち、半分に切断されても2分で自己治癒できるブロブは、この手の単純な生物としては驚くほど完成されている。

口や目、脳がないにもかかわらず、モジホコリは物事を記憶し、簡単な問題を解くことができる。こうしたことをほとんど学ばないまま政界入りする人間がいることを考えれば、素晴らしいことだ。

パリのモジホコリは、すでに世界中の人々の心を捉えている。読者の皆さんが彼らに敬意を払うべき理由を以下に説明しよう。

1)いったい何なのか?

これは難しい質問だ。長い間、科学者はモジホコリをキノコの一種とみなしていた。というのも、キノコ類と同じような生涯を過ごし、同じように暗くて湿った環境での生活を気に入っているように思えたからだ。

科学界では現在、モジホコリはアメーバに近い存在だと考えられている。アメーバと同じく粘菌は単細胞で構成され、「仮足」と呼ばれる小さくて不気味な腕のような四肢を伸ばして移動する傾向がある。

ブロブ、あるいは正式に呼ぶなら「フィサルム・ポリセファルム」は、「変形菌」として知られる粘菌の下位区分に属する。数千の核を含んだ巨大な単細胞で構成され、多数の個別細胞が一体となった際に形成される。これらの変形菌は、モジホコリの仕組みの理解に役立つという点で特に有用だ。非常に大型のため、科学的な観察や実験をやりやすいのである。

2)どんな特徴がある?

ブロブには720種類近くの性別があるため、大きな注目を集めている。フィサルムにおいて、性は複数の変種体に表れる一連の遺伝子によって決定される。モジホコリは胞子を放出することで繁殖するが、その胞子が生殖細胞となる。生殖が成功するには、これらの生殖遺伝子の変異体を内包するふたつの生殖細胞が出会えばいい。

モジホコリはまた、ふたつに切断されても自分で治癒できる。森で倒木を探索している最中に、いたずら好きなキツネに踏まれたようなときには便利だ。これらのスーパーヒーローのような性質にもかかわらず、通常は一貫して目立たない存在であり、腐敗した植物で見つかる細菌や酵母菌、キノコ類などを食べることを好む。

 3)ブロブを恐れる必要はない?

モジホコリと戦えば勝てるかもしれないが、その思考能力は人間を凌駕する可能性がある。神経細胞も脳もないが記憶をもつと思われ、新しいことも学習できるのだ。

フランス国立科学研究センターの研究者は、毒物があってモジホコリが通常なら避けるような場所に入る方法を教え込んだ。その行動様式は1年後も維持され、知識は異なる細胞でも伝達されていた。

奇妙なのは、記憶の形成に通常なら欠かせない生物学的な要素をもたないにもかかわらず、モジホコリが記憶を獲得しているように思えることだ。進化の過程での学習能力の発展に関する疑問や、「認識」の定義を拡大して人類以外も含めるべきなのかという疑問がもち上がる。

4)何か人類の役に立つ?

数学ができる。モジホコリは、アルゴリズムのテストにしばしば利用されるような複雑な問題を解くために使われてきた。そのタスクは「巡回セールスマン問題」と呼ばれる。都市のリストを見て、各都市を一度だけ訪問するような最短経路を見つけることをコンピューターに求める、古典的な経路最適化の問題だ。

慶應義塾大学の研究チームがモジホコリにその問題を出したところ、都市の数を4から8に増やしても、モジホコリが問題を解く時間は予想よりかなり短かった。新たな解法を試し、視覚的なフィードバックに非常に素早く反応するモジホコリの能力が、さらに高速のコンピューターを開発する助けになると科学界では考えられている。

5)ペットとして飼おう。どこで手に入るの?

朽ちかけた木の株を愛するような人は運がいい。モジホコリはあらゆる場所で見つかる可能性があるが、特に土中や芝、落葉樹の倒木の残骸にいる傾向が高いからだ。いちばんわかりやすいモジホコリは「カワホコリカビ」(別名:犬の吐瀉物の粘菌)である。明らかに食欲をそぐような胆汁のような見た目から名付けられた。

しかしながら、生きたまま飼うのは大変かもしれない。光に敏感で湿度にうるさく、カフェインを嫌うからだ。最終的にどんな容器に入れたとしても、ゆっくりと這い出てくるという悪しき性質もある。目が離せないだろう。

 

 

List    投稿者 asaoka-g | 2019-11-06 | Posted in D01.地球史, O.進化史No Comments » 

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