2007-09-02

地球のメカニズムに迫る(2)地球の大気ってどうやってできたの?①

地球のように太陽の近くを回っていて、主に固体でできている惑星を地球型惑星といいますよね。太陽系にも地球型惑星は他にもあります(火星とか金星など)。その中でも地球は①太陽の大きさ②太陽からの距離③惑星の大きさ という3つの好条件が重なり、地表に水が液体で存在できる稀有な惑星として存在している事が前回分かりました。
bluemarble_apollo17.jpg
さて、今回は地球環境の一つである地球の大気についてです 😀
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地球型惑星の火星・金星にも大気はあります。しかし、その大気は主成分が二酸化炭素、次に多いのが窒素です。地球はと言うと皆さんもご存知のとおり窒素、そして酸素が大気の主成分ですね。一体、この地球の大気の特異性はどのようにして出来たのでしょうか?気になりますよね 。その辺りを、今回は地球誕生の頃まで遡って調べてみました 😛
そもそも大気って何?
物質には相変化というものがあります。これは物質が温度や圧力の変化に伴って、いわゆる固体・液体・気体という相(状態)に変化することを指します。つまり、大気とは、単純化していえば惑星を構成する揮発しやすい物質が蒸発して、気体(ガス状)になって地表を覆っている状態なんですね。
地球型惑星の大気ってどうやってできるの?
地球型惑星の大気形成に関して、物理的に重要なのは揮発性物質と難揮発性物質の分離と言われています。揮発性物質というのは炭素とか窒素、水素などの元素から出来ている蒸発しやすい物質。難揮発性物質というのは元素でいうと珪素とかマグネシュウム・鉄などの岩石を構成する(蒸発しにくい)物質です。温度・圧力が変化すれば、それぞれの物質の相変化が起きて揮発性物質が蒸発し、揮発性物質と難揮発性物質が分離します。
つまり、惑星規模での温度・圧力の変化が、揮発性物質と難揮発性物質を分離させ、分離された揮発成分が蒸発・ガス化し引力に引きとめられ、地球型惑星の大気を作り出すというわけです。現在、その地球型惑星規模で温度・圧力を変化させ、分離を引き起こす原因には、二つあると考えられています。一つは天体衝突、もう一つは火成活動です。
原始地球の大気ってどんなん?
地球の原始大気は、地球形成の初期に一気に形成されたと考えられています。地球の形成時には微惑星の激しい衝突が相次ぎ(天体衝突)、その秒速20キロ~50キロともいわれる超衝突の超高圧・超高温による脱ガスによる水蒸気で原始の大気が形成されました。海がまだ存在しないこの段階の原始大気の成分は、水蒸気が最も多く、ついで、窒素、二酸化炭素。気圧も100気圧はあったそうです
さらに、なんと!この頃の原始地球は、今よりずっと小さくて、現在の2割程度の大きさだったようです。 この後もどんどん微惑星が衝突して、地球は大きく成長していくのです。
原始の海はいつ出来たの?
その後も微惑星の衝突が相次ぎ、現在の地球の5割ぐらいの大きさになると、衝突の最に開放されたエネルギーで地表は溶け、原始水蒸気大気の温室効果と相まって地表はマグマの海(マグマオーシャン)に覆われます。やがて地表が冷えていくにつれ原始地殻が生まれ、原始水蒸気大気が凝縮して、雨が降り、ついに海が誕生するのです。これが、今から45億年~40億年も前の出来事。そして、その海と原始地殻が反応し、地球上に大陸地殻が誕生します(地殻の分化)
(地表がマグマ・オーシャンで覆われている間も、大気の上層300kmくらいのところでは水蒸気が凝結し、雲ができ、ちゃんと雨は降っていたようです。しかし、その雨は高温のため蒸発してしまい、地表まで届くことはなかったのでした)

ちなみに、地球誕生から6億年は、100キロメートル級の微惑星の衝突が続くので(隕石重爆撃期)、その度に原始の海は蒸発し、マグマオーシャン(マグマの海)に覆われ、また再び冷えて海が形成されるというイベントを、幾度となく繰り返します。ようやく隕石落下がなくなり、海が安定して存在するようになるのが、最古の生命誕生時期であるとも言われる40億年前頃だと推定されています。
海が生まれた頃の大気って?
この海が誕生した頃の地球の環境はというと、コアの原型ができ、マントルが存在し、地表付近は海洋地殻に似た原始地殻で覆われており、大気は二酸化炭素と一酸化炭素の混在したもので、気圧は地表気圧で10気圧程度、その内、窒素が1気圧程度であったと考えられています。
でも、現在の地球の大気成分になるのにはまだまだ時間がかかります。40億年前の安定した海の誕生、そして地殻の分化が、大気を含めた地球規模の循環構造を引き起こし、やがて現在の大気へと進化していく事になるのです。その辺りを次回は踏み込んで行きたいと思います(つづく)

最後まで読んでいただきありがとうございます。pikapika

<参考図書>松井教授の東大駒場講義録~地球、生命、文明の普遍性を宇宙に探る~
松井孝典著 集英社新書

List    投稿者 kasahara | 2007-09-02 | Posted in D01.地球史2 Comments » 

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コメント2件

 健康面白雑学!★apple | 2007.11.26 23:18

そうですね。酵素は大切です。
煮た物や焼いた物ばかり食べていると
体内酵素の消費が増えますよね。
また。添加物を食べても酵素の消費が増えるようです。(^_^;)

 基礎代謝 | 2008.04.09 0:15

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