2011-12-09

ギターピックアップで見る磁界

 電気があるところだけに電磁波が発生しているのではなく、太陽から届く光(可視光線)も電磁波であることがわかりました 🙂 さらに、紫外線や赤外線のように目に見えない電磁波も至る所に存在します
世の中には電磁波が溢れており、生活するところには必ず電磁波があると言って良いということがわかってきました
そして、電磁波とは電界と磁界との変化が波動になって空間を進むということもわかりました
このブログの記事では、磁界を利用することによってコンセントを使わずに電気 を生み出すエレキギターのピックアップの特性を説明し、電磁波がどのように影響してくるのかを調べます

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1-1:ピックアップ
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 エレキギターを弾く人なら誰もが目にするピックアップ ピックアップによってギターの音がかなり変わるので、拘る人は100万円ぐらいお金を使う人もいる魅惑のアイテムです
ギタリストなら
「俺はこのピックアップが一番良い!」
「いやいや、俺はこっちの方が…」
なんていう会話がよくされますが、、、実際にピックアップがどうやって弦の音を拾っているかご存知ですか
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ピックアップの仕組みは以下のようになっています。
弦の振動を電気信号に変換するいわばマイク
仕組みとしては磁石にコイルを巻きつけているだけの単純な作り。
黒いボビンに磁石の棒を6本挿し、周りに導線などを巻きつけたもの
(磁石を6本使うのは、6本ある弦の音を拾いやすいようにするためです)
種類は様々なものがありますが、大きく分けて2種類です シングルコイルピックアップとハムバッキングピックアップです
 この二つの音の違いを説明しだすと止まらなくなるのでここでは「ピックアップがどうやって音を電気信号にしているのか」を説明していきます
1-2:磁石が持つ磁界                             
 なぜピックアップは磁石にコイルが巻いてあるのかという構造を述べていきます。コイルとは導線をグルグルと巻いたものです
 まず初めに磁界について説明をします
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 磁石にはS極とN極があります。ご存知の通り、S極とN極は引き合いますし、同じ極同士は反発しあいます。その力が働く場所(範囲)を磁界と言います。磁界の力を表現するために磁力線という概念を使います。この磁力線はN極から出てS極に向かいます。
 
 方位磁石を置くとNの針は磁力線が進む方向を向きます。地球からも磁力が出ており地磁気と呼ばれています。地磁気も同じようにN極から出てS極に向かいます
NはNorthで北、SはSouthで南ですが、Nから出てSに向かうということは南にN極があるということです 😀
1-3:電磁誘導                                 
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右に導線をグルグルに巻いたコイルを電球に繋ぎ、その横で磁石を動かすような図があります。
導線は巻かずとも磁石が近くにあれば磁力を得て磁界を出しますが、グルグルとコイル状にした方がより強い磁界を持つことが出来るので巻いてあります。
図にある磁石を上下に動かすと磁界に変化が生じ、磁界が「変化(変形)」するとコイルに電気が流れます。
もちろん、コイルも磁石も動かさなければ電流は流れません。コイルに影響する磁界が変化するときだけ電流が流れ、この現象を電磁誘導といい、生じた電圧を誘導起電力、流れた電流を誘導電流といいます
1-4:ピックアップの原理                            
コイルと磁石の力を利用すれば、電源無しでも弦の振動を電気に変えることが出来ることがわかりました (電磁誘導:1-3)
仕組みとしては、磁石とコイルの上で磁性体(磁気を帯びたもの)が動くと、コイルに電流が流れるという現象を応用したもの。エレキギターでいえば磁性体は鉄弦で、弦の振動の回数だけ電流に変化が起こります。弦の周波数の波と電流の波が連動する性質を利用して、音を電気信号に変換しているのがピックアップなのです
1-5:ピックアップの構造と働き                         
導線をグルグルと巻いたコイルに磁界を持つ磁石を動かすとコイルに電磁誘導が起こり誘導電流が起こる
ピックアップは磁石に導線を巻いたものであり、磁石は磁界を持ち、磁力線が出ている。この時点では何も動かないので電流は流れない
そのピックアップの上に鉄弦を張ると磁石に近い鉄弦はもちろん磁力を帯びる
ピックアップの磁石が持つ磁界の中で磁力を帯びた鉄弦が動くと、磁石に巻かれたコイルに電気が発生して流れる(ピックアップは電源無しでも電気が作られて電流を起こすことが出来る)※ここ重要(*´ω`*)
電流は鉄弦の振動にリンクしているため、振動が大きいと大きな電流が流れ、小さいと小さな電流が流れる(それでも電力は微弱)
以上がピックアップの構造と仕事です(*´∀`)
2-1:シールドケーブル
                             
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ギターとアンプを繋いでいる線のことをシールドやケーブルと呼ぶのですが正式名称はシールドケーブルです
(写真はモンスターケーブル社の物)
 CDコンポ等やMP3プレイヤーを繋いでいるケーブルとギター等を繋いでいるシールドケーブルはちょっと構造が違います。では、どう違うのでしょうか?
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普通の音楽プレイヤー用のケーブルは電気を流す導体が中心にあって、その廻りに絶縁体が巻かれた2層構造です。しかし、ピックアップ等から出た電気信号を流すシールドケーブルには、中心に導体があり、その廻りに絶縁体が巻かれ、さらにその外側に導体が巻かれ、その外側にまた絶縁体が巻かれている4層構造になっています。
 なんでそんなにグルグルと巻きつけるのかを説明します
2-2:電磁波・ノイズとインピーダンス・出力の関係                 
 ピックアップで出てきた電流は磁石が持つ磁界の変化で作ったもので、電圧はわずかで電流もとても弱いのです。シールドケーブルにその電流を乗せてギターとアンプを繋ぐのですが、その繋がれたシールドケーブルを伝ってアンプにたどり着くまでにたくさんの邪魔者が存在します
室内にある蛍光灯から出る電磁波
コンセントから出る電磁波
携帯から出る電磁波
テレビから出る電磁波
エアコンから出る電磁波
電磁波という名の邪魔者がそこら中に存在し、飛び交っているため、それがシールドケーブルに入り込んでノイズになってしまいます
 Youtubeなどでギターを弾いているギターキッズの動画があるのですが、機械類が周りにたくさんあるため「ジーーーー」というノイズが入ってしまっているものがたくさんあります
それが電磁波がシールドケーブルなどに入り込んで、ピックアップからの電流に相乗りしてしまうのです。(もちろんピックアップにも電磁波は入り込みます)
 そのためにギター用のシールドケーブルは特殊な構造になっているのです。その構造の中身と効果を一言で説明しましょう
構造:電磁波をわざと乗せてしまう
…なんとも根も葉も無い説明になってしまいましたので補足します。
 先ほどのギターケーブルの構造では導線が2つありました。中心部の導線にピックアップからの電流を乗せ、外側の導線に飛び込んでくる電磁波を乗せます。そして、アンプに伝える電流は中心の導線に流れる電流、外側の導線に入ってきた電磁波は他の部分に逃がしてしまうのです。こうやって電磁波によるノイズはアンプに入らず地面などに逃がしてしまうのです。
 では、音楽プレイヤーにはそんなシールドケーブルを使わなくても良い理由が必要になってきますので合わせて述べていきます
 ピックアップから出る電流はわずかで小さいもので、これをインピーダンスが高いと言います。しかし、音楽プレイヤーは最初から電池やコンセントに繋がっているので電流量はとても大きく、インピーダンスが小さいと言います。
 最初から電力が大きいと出力も大きいのでノイズという邪魔者は気にならなくなります。気にならないだけで実際にはノイズが乗っています。(無音状態でボリュームをMAXにすると「サーーーー」という音がするそれです)
 インピーダンスが高く、出力が低いピックアップから出た電気信号は弱いので、電磁波が同じく微弱な電気となって入ってくると目立ちやすくなってしまうのです だからこそギターには普通のケーブルではなく、シールドケーブルを使う必要があります
まとめ                                       
電磁波は電界と磁界が波になって空間を飛ぶ現象です。今回は磁界の変化を利用しているギターピックアップが音を出す原理を解説しました 8)
磁界の変化によって発生する誘導電流を利用し、音を電気信号に変えていました
ほとんどの家電製品はこの原理、もしくはその逆で成立しています。逆の場合であると電気を利用して磁界の変化をさせているのです。そういう場合は必ず電磁波が発生します。
シールドの例でも取り上げましたが、日常生活は電磁波で溢れています
そこら中に存在する電磁波が人体にどのような影響を与えるのかをこれからも追求していく必要がありますね

List    投稿者 sima-t | 2011-12-09 | Posted in D05.自然災害の予知No Comments » 

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