2019-07-22

脳回路を解く(9)~・生命の始源:中心体の仕組み・~

前回の『脳回路を解く(8)~・生命の始源:中心体の仕組み・~』では、脳容量の拡張にはDNA変異を待っていれば数万年もかかり、それでは外敵に襲われ絶滅する可能性が示唆されています。

そこで、本能は最適手法たる照準化→類型化に収束し、DNAに頼らない進化を獲得するのです。その役割を担っていたのが『中心体』という事になります。

では、その中心体とはどのようなものでしょうか?

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本稿は竹内美継の「中心小体論」を基に諸説を組み入れた仮説である。

1.ソマチッド(珪酸塩SiO4)と有機物と結合した蛋白粒が、螺旋状に伸びて微小管を形成する。この微小管が電磁波を受・発信するアンテナとなっている。

1’.細胞は、一次繊毛という数μmの小さな突起を持つが、この突起は微小管を繊毛膜で囲んだもの。この繊毛膜には、物理的・化学的信号を受信する受容体やイオンチャンネルが高密度に局在している。つまり、一次繊毛は、細胞が外部情報を感知するアンテナとして、細胞の維持や増殖などの第一義的な役割を担っている。

・微小管は弱伝導性で、電磁波を受信するシステムそのもの。八木アンテナは、伝導性の管がその長さに応じて特定の電波を受信するが、それとよく似た仕組みで、各波長の電磁波を受信している。この情報は、中心小体に集約していると思われる。(因みに、神経細胞の構造は、この一次繊毛の構造に類似している)

2.微小管はαチューブリンとβチューブリンが重合した二重螺旋の管構造。GTPやGDP等のヌクレオチドが糊のように働いて重合を可能にしている。(つまり、微小管にはRNA蛋白重合体が含まれている。)

3.中心小体は、微小管が集合して形成された。

・微小管が集合して全体として一つの方向性を形成(中心体の祖先)

4.中心体は中心小体が2つ連なって構成されている。

・L字型に直行する中心小体とそれを囲む顆粒状or繊維状の外周物質からなる。中心小体は直径200ミリミクロン、長さ700ミリミクロンの円筒。その構造は3連微小管が9本円筒状に並んだもので、その中心は一対の微小管。断面は、中心から伸びたタイヤのホイールの様な形状。

5.そのホイールを形成しているのは、SAS・6という蛋白質で、2つの球状の頭部と繊維状の尾部からなる二量体を形成している。この二量体どうしが頭部で結合することにより、9放射相称形という独特の形に会合する。

6.中心体が複製を作る機能を持ち、中心小体類と呼ばれる細菌(モネラ)が誕生。

・中心体は複製機能を持ち、始原生命体に最も近い生命体である。

・有糸分裂の際に紡錘体を形成し、細胞分裂の全体を統合している。 (中心小体が原核細胞と真核細胞を作った。DNAは中心小体の付帯装置に過ぎない。)

7.中心体周辺物質(γチューブリン)から中心体に向かって微小管が伸びているが、その微小管は、中心小体とは繋がっていない。

9-1中心体

9-2SAS

9-3中心小体

List    投稿者 asaoka-g | 2019-07-22 | Posted in O.進化史, O01.脳回路No Comments » 

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