プレートテクトニクス・大陸が移動する(その1)
地球の億年単位のメカニズムとして、大陸が移動するという学説は、20世紀になって登場し、20世紀後半に確立した。
大陸が動いた結果、盛り上がった部分が、巨大な山脈になり、地殻の歪みとその解消が、地震となる。
大陸移動という仮説によって、造山運動や地震メカニズムが論理的に解明された。
まずは、世界の地震分布図(第1図)
図の引用先:THE地震展
リンク
世界の地震分布を見ると、次のような特徴がある。日本列島、千島列島、北アメリカ大陸の西海岸、南アメリカ大陸の同じく西海岸と太平洋をぐるりと巡っている。次いで、スマトラ・マレー半島沖から、ヒマラヤ山脈を通り、イラン・トルコを抜け、ギリシャにつながる地震地帯がある。
世界の地震帯の線は、地球のプレート(巨大な岩盤)の境界線を示している。(参考第2図)
日本の地震関係でお馴染みの太平洋プレート、ユーラシアプレートなど確認できます。
図の引用先:地震情報サイト
リンク
地球が、巨大なプレートで構成され、そのプレートが移動する。プレートの上にのっている大陸も同時に移動するという発見は、20世紀の地球科学における最大の発見である。
まずは、「大陸移動説」の登場。
続きに進む前にクリックを!
ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーが、1915年に著した「大陸と海洋の起源」で、約2億年前には、パンゲアという巨大な大陸があり、その大陸が分裂移動して、現在の南アメリカ、アフリカ、インド半島、オーストラリアが離れていき、大西洋、インド洋が形成されたという学説を提出した。
ウェゲナーが、大陸移動を考えた根拠は、以下の点である。
南アメリカ大陸(東側)とアフリカ大陸(西側)の形状が、合わせると一致する形をしている。
スカンジナビア半島のカレド二ア山脈、イギリス、北アメリカのアパラチア山脈は、大陸を移動させると一つの山脈として連続する。
また、離れた大陸から共通の化石が発掘されるが、その生物が生息していた時代にはつながっていたと考えられる。(当時は、大陸をつなぐ陸橋が想定されていた。)
第3図 ウェゲナーの大陸移動
超大陸パンゲアが、2億年以上前から分裂を始め、まず北のローラシア大陸と南のゴンドワナ大陸がわかれ、その間にチチス海ができる。さらに大陸は分裂移動して、現在の姿になる。
第4図 離れた大陸の共通化石、元の大陸とすると連続する
第5図 インド半島が、ユーラシア大陸に近づいていく様子
大陸移動説には、大陸移動の原動力に難点があり、ウェゲナー説は、正統派学説とならなった。
しかし、1960年代になると、地球内部の構造が明らかになり、マントル対流が発見された。このマントル対流により地殻が盛り上がる場所(海嶺)で、プレート(巨大な岩盤)が形成され、プレートがマントルの上を浮遊、移動するという説が登場する。ウェゲナーの「大陸移動の原動力」の根拠が提出された。現在の「プレートテクトニクス」説である。
億年単位の大陸移動と新しい浅海の登場が、石油の有機起源説の前提となっている。
現在の中東産油地帯は、チチス海が有った場所である。この浅海で膨大に発生した生物が、微生物の分解を免れ、海底に堆積したのが現在の石油・天然ガスであるとの説になる。
次回は、「大陸移動、浅海の登場、微生物の分解を免れる」という、石油有機起源説の根拠を検証する。
(世界の地震分布をみると、大きく世界は、地震地帯と「無地震地帯」に別れるが、それが、環境・安全思想、工学への態度にどう関係してくるのか、その点も気になっているが。)
参考Webページ(図3~5もお借りしました)
プレートテクトニクスとプルームテクトニクス(1)
リンク
山賀進さんの「宇宙・地球・人類」から
リンク
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2007/08/182.html/trackback
HOP | 2007.11.17 22:48
たしかに、最近は、建築の雑誌とか見ていると、生物の骨格とかをイメージしているような建物がたまに見受けられますね・・・。