2012-02-04

【自然災害の予知シリーズ】-12- 地震の前になぜ電磁気的変化が発生するのか?

 これまで地震予知の可能性を、宏観現象、地電流、VHF、VLF、ULF、ラドン濃度、地表温度、と色々と見てきました。その中で、様々な電磁気的な現象があり、これらの観測に予知の可能性があることが判って来ました。地電流、VHF、VLF、ULF~これらの変化は何が原因で起こるのでしょうか?
 今回は、これら電磁気的な現象がなぜ起こるのか?です。
ある、一つの原因に依るのか?複数の原因があるのか?
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図は 大地震に備える さんからお借りしました。地震前の地球上のさまざまな電磁気的変化を示しています。
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◆ ◆ ◆ 地震の前には電気が発生する

 今まで観測されているものは、以下のような現象でした。
◇地電流のノイズ(SES) :VAN法で実際に計測されている
 【自然災害の予知シリーズ】6 ギリシャで成功している予知~VAN(地電流ノイズによる予知)
◇電波の乱れ=電離層の擾乱 :電離層が擾乱することによりVHF、VLF電波が
               乱れることが観測されている
 【自然災害の予知シリーズ】-7-~VHF電波の乱れで地震を予知する~
 【自然災害の予知シリーズ】‐8 ~地震に伴い電離層は擾乱する。それによりVLF電波の伝搬異常が起こる~
◇ULF波の観測      :地中から直接ULF波が放出されることが観測されている
 【自然災害の予知シリーズ】-9~明瞭な電波異常と発生地特定のしやすさが特徴のULF観測  

◆ ◆ ◆ 地電流ノイズはなぜ起こる?

 地電流は常時地中を流れています。これが地震の前に乱れる(ノイズ)ということなのですが、この原因についてはいくつかの説が出ていますが、最も有力な説がピエゾ効果です。
◆石英の圧電効果

 花崗岩の中に含まれる石英同士で圧力をかけると電気(分極電荷)が発生する。ライターの火打ち石と同じ原理である。これ圧電効果(ピエゾ効果)と呼ぶ。
 岩石に圧力が加わると電流が流れるというのは、実験室でも確かめられています。その原因はいくつも出ていますが、岩石←圧力発の電流が存在するのは間違い有りません。
 しかし、この岩石←圧力発の電流で電離層まで繚乱させる力を持っているのでしょうか?
◆地電流の大きさ

「地震は予知できる」上田誠也著 より、地電流の電位差は100mほどの距離で数ミリボルトということです。つまり、1kmで数十ミリボルト、100kmで数ボルトです。
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 地電流のノイズ=SESはこの岩石破壊発の電流説が可能性高いと思われます。
しかし、どうも、この数ボルトのオーダーで、大気圏上部まで影響を及ぼすようには思えません。
つまり、地球上の地震発生に伴う電気的変化を全て岩石←圧力発の電流に原因を求めるのは厳しいのではないかと考えます。
◆ ◆ ◆ 大気への影響~ラドン説

 電離層の擾乱という現象に対して、ラドンが原因ではないか、という仮説があります。
◆ラドンが放出され大気中で電離作用が起こる

 【自然災害の予知シリーズ】-10-地震発生前にラドン濃度が急激に上昇する。予知の確実性の高いラドン濃度測定 から

ラドンは、マグマの上昇によって、ウランなどとも一緒に、地殻にもたらされます。マグマが冷えて固まり、花崗岩の中に気体として含まれます。岩石の風化等で花崗岩に存在するラドンガスが大気中にもたらされるので、大気中にも常に微量のラドンが存在しています。

ラドンガスは地殻に存在するので、地震の際に割れた地殻から発生するといわれています。

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るいネット~地震の4つの前兆現象(断層の温度上昇、ラドンの出現、電離層の擾乱、地電流の発生)から

→ラドンの発生により、大気圏(対流圏)の大気伝導率が変化(=大気圏の擾乱)
→雷の発生にも変化(異常)が発生し、対地雷が減少し、雲間放電が増加する。
→雷放電によって発生したVLFパルス電磁波が、電離層を透過し磁気圏に侵入。
→磁気圏内荷電粒子と相互作用し、荷電粒子を下部電離層へ降下
→降下電子により下部電離層中に局所的な異常電離が発生(=電離層の擾乱)
→電離層の上部に自由電子(マイナス)+下部にイオン(プラス)がたまる
→雲の電荷状態が通常の時と反転し、雲の上部は自由電子(マイナス)+下部はイオン(プラス)
→地上も通常と反転し、自由電子(マイナス)の密度が高まる

 地震時にラドンが増加するのも、ラドンが強い電離作用を持っているのも確かなことです。これが大気中でイオンを発生させ、大気中に電位差が生じる、となるわけです。
この現象は、確認された物が発表されているわけではありませんが、非常に可能性の高い仮説だと思われます。
◆電離層を繚乱させる力を持っているか?

 確かに大気中の電位差により電離層が擾乱し、VHF、VLFが乱されるのはこれが原因かもしれません。岩石発の地電流ノイズから電離層が擾乱するという説よりも確かそうです。
◆ ◆ ◆ ULF波はなぜ地中から発生するのか?

 ULF波が地中から発生しているということは、ラドンによる大気の電位差が原因と言うことはないでしょう。考えられる原因に何があるか?
◆地電流説

考えられるのはやはり、岩石←圧力発の電流があります。
しかし、多くの岩石破壊実験が行われているにもかかわらず、岩石破壊によって超長波であるULFが発生するという報告は見つかりません。
 【自然災害の予知シリーズ】-9~明瞭な電波異常と発生地特定のしやすさが特徴のULF観測 から

 ULF帯電磁放射は、先に述べた通り波長が長い。したがって、その発生には大きな発生源が必要となります。ULF帯電磁放射は岩盤がわれる際に発生されると言われています。つまり、大きな岩盤が割れるほどの大きな力がかかったときのみULF帯電磁放射が発生します。
そのため、ULF帯電磁放射は大地震の時だけ発生することが特徴です。

地電流のノイズ=SESは大地震でなくとも観測されています。SESが直接ULFを発生させている分けではないようです。
◆マグマ説

 地震の原因説に従来のプレートテクトニクス説ではない「熱移送説」と呼ばれているものがあります。
 プレートテクトニクス説のウソ⇒『新・地震のしくみ』その5~マントル内部で電子レンジ状態⇒熱の通り道ができる~
この説は、前回の【自然災害の予知シリーズ】-11- 地震発生前のマグマの熱移送による「地表温度の上昇」を観測するリーモートセンシング による、地表温度の上昇現象とも合致しています。
 もし、地震の前、地殻内部で熱いマグマによる熱膨張が地震の原因なら、そこから電磁波が発生していてもおかしくないでしょう。あるいは電磁波がそもそも高熱の原因かも知れません。
 地震に関わることは、巨大な地球全体の営みの一部です。岩石が割れた程度の影響で、電離層に影響したり、ULFが地中から放射されるものでは無く、地震が起こる原因そのものが原因なのではないでしょうか?
巨大な地殻の変動を起こしている力そのものが原因と考えた方が素直に思えます。
以下のような説があります。
るいネット  
4/17なんでや劇場(4) 地球内部は巨大な天然原子炉
4/17なんでや劇場(5) マントル内部で電子レンジ状態⇒熱の通り道ができる

地球の内部構造は、中心に半径3000kmの核(内核と外核)があり、その周りを厚さ3000kmのマントルが取り巻き、その外側に厚さ100kmの地殻がある。外核は5000~6000度という高温でドロドロに溶けており、この熱は核分裂によって生じているというのが、現在の仮説である。
・・・
地球の外核は数十億年に亙って5000~6000度もの温度で溶けているわけだから、外核は自然分裂ではなく、原爆や原子炉と同じく超高温下で核分裂が連続して起きる連続分裂をしていると考えられる。そういう意味で、地球全体が天然の巨大な原子炉と言える。

では、マグマはどのようにして作られるのか?
その答えが、5000~6000度もの超高温の外核が発する電磁波によって作られるという仮説である。
・・・
物質の熱エネルギーが波動の運動エネルギーに転換する。これが電磁波であるが、冷たい岩盤ほど電磁波の反射率が大きいと考えられる。
・・・
このような配置条件を充たす場所、すなわち、冷たい岩盤に挟まれて電磁波が反射する、かつ、柔らかく溶けやすい岩石で構成された場所が熱の通り道となる。熱の通り道は外核から伝わるだけではない。電磁波の往復によって溶かされた場所からも電磁波が発せられ、玉突き的に熱が伝わってゆくと考えられる。

 地球の核が高温状態にあるのは、「地球生成期の熱を未だに保存しているから」というのが一般的に言われますが、46億年前からマグマを放出しながら、未だに高温というのはちょっと理解しがたいです。地球の中心部は鉄よりも重い物質が集まっていますから、ウランなどの放射性同位元素が大量にあってもおかしくないでしょう。
 その、核分裂反応が核をドロドロにしているのであり、地震の元となる電磁波を発生させていると考えるのが素直です。
◆ ◆ ◆ 以上から原因は・・・?

 以上の内容を順序を追ってまとめると、
地球中心部の核分裂反応により、中心部が高温状態になる
→その核から強力な電磁波が発生
→電磁波の反射する場所で電子レンジ状態の所ができ、マグマ化、さらに電磁波が発生し玉突き状態で熱が伝わっていく
→地殻の近くでもマグマ化による電磁波発生(ULFも、しかし他の電磁波は地殻に阻まれ地表まで出てこない)
→熱膨張が地殻まで影響し、岩石に圧力、ピエゾ効果による地電流ノイズ発生
→岩石が割れだし、ラドンが放出され、大気に電位差発生、電離層が擾乱する
→熱膨張により地殻部分で地震が発生
という流れではないでしょうか?
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 特に、岩石への圧力のような地震前兆現象からよりも、地震の原因そのものから発生している変化に注目する方が、予知としては期待されるのだと思います。
 その意味で、これまでVLF変化に注目し研究していた早川正士氏などが、最近はULFに注目されているのは興味深い流れだと思われます。

 地震に伴う電磁気現象のいろいろ 

List    投稿者 hihi | 2012-02-04 | Posted in D05.自然災害の予知6 Comments » 

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コメント6件

 匿名 | 2012.11.24 22:22

人口が増加してるからじゃないんですか?

 匿名 | 2012.11.28 21:00

豊かになり、医療が対処出来る範囲も広がった事で、従来なら医療費を掛ける前に死んでいた患者が生き残れるようになった事が大きな要因です。ガンについては平均年齢が高くなりガンが発生するまで長生き出来るようになったからです。
統計データを使ってこうした誤解を広めるのはやめませんか?あなたのような不安煽りの一派を信じた事で、私の親類は病院での治療を拒絶し、ガンの進行を早めてしまい、死にました。
でも、アナタは何の責任も感じないでしょう?卑怯です。

 匿名 | 2012.11.30 17:00

ガンの進行を早めた?
何故治療をしなかったせいで進行が早くなったとわかるのですか?
医者の言うとおりしていたら、もっと早く死ねたかも。

 匿名 | 2012.11.30 17:01

ガンの進行を早めた?
何故治療をしなかったせいで進行が早くなったとわかるのですか?
医者の言うとおりしていたら、もっと早く死ねたかも。

 michael | 2012.11.30 17:02

ガンの進行を早めた?
何故治療をしなかったせいで進行が早くなったとわかるのですか?
医者の言うとおりしていたら、もっと早く死ねたかも。

 hachprayero | 2013.08.15 19:02

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