2011-12-29
『科学はどこで道を誤ったのか?』(1)プロローグ~「科学技術は万能」という幻想を打ち砕いた福島原発災害~
今年は、東北大震災と原発災害という日本社会の根幹を揺るがす大きな出来事がありました。
この激動の年から新たな年を迎えるにあたり、年末・年始で12回にわたり特別シリーズ記事を配信します。
内容は、福島原発災害を通じて違和感が明確になった、「(信仰ともいえる)科学技術にたいする万能観」についてです。
◆ ◆ ◆ 「科学技術は万能」という幻想を打ち砕いた福島原発災害
原発事故で大量の放射性物質が、大気中や大海中に放出された。
それでも多くの人は、安全視して普通に生活しているが、それは表面だけで、心中の不安は消えないでいる。むしろ今後は、時が経つにつれて、放射能被害の深刻さが明らかになってゆくだろう。日本の政府やマスコミが、どれだけ事実を隠蔽し、デマを流そうとも、世界が福島を注視しており、事実に近い情報が明るみに出てくるからである。
福島原発からの放射能汚染は、現地の被害も凄まじいですが、日本全国に拡大し続けています。
原発事故は、一部地域で済む話ではなく全国いや世界に影響することが明らかになり、そればかりかこれから何世代にもわたる次世代に負担を強いることも明らかになりました。
この現実に直面し、核エネルギーは、自然の摂理に反し、人間のキャパシティーを超えるものであることを人々は気付きつつあります。
そして、普通の感覚をもつ人々は、近代科学技術にたいする意識も変化しつつあるのではないでしょうか。
なぜ、このようなことになったのだろう? 科学はどこで道を誤ったのだろう?