【自然災害の予知シリーズ】-1-世界的にはここ30年、日本ではここ10年で自然災害が急増
人類の歴史は、自然外圧との闘いの連続でした。
人類は、自然の恵みの中で生かされるとともに、自然の脅威により幾多の災害に遭遇する中で、自分たちを遥かに越えた超越存在たる自然を畏れ敬い、それに向き合い、自然を注視する中で災害や、その被害を防ぐ術を発達させてきました。
人類にとって脅威である地震、雷、津波、大雨等々は、自然の摂理の現象であって、それを人間が操作できるものではありません。(そもそも、その自然を操作しようとする近代科学の背後にある発想が“天に唾をはく”傲慢な態度です。)
しかし、その自然現象が起こる“予知”ができれば、少なくとも多くの犠牲者を出すような災害にはなりません。
人々に求められていることは、自然の摂理をそのまま現実として受け入れ、そこに適応するための予測・予知の中身です。
その時に、近代科学でいうところの科学的因果関係が実証されるに至っていなくても、現象事実に基づく先人の知恵や統計的相関性がある程度見出されれば、現実に人々の役に立つ認識になります。
今年3月の東日本大震災では、壊滅的な打撃を受けました。そして、この間の台風では名古屋での100万人余りの避難勧告や関東での約50万世帯の停電など大きな被害がありました。
災害の予知が求められていることを改めて強く感じます。
これからも続いていく“みんなの充足”を守るために、脈々と積み重ねられてきた先人の知恵と、その背後にある「自然の摂理」を学び、「災害に直結する自然現象の予知」を追求します。
みなさん、応援よろしくお願いします
第1回目の今回は、世界と日本における自然災害からその中身と発生の傾向を見てみます。
◆◆◆ 過去1000年間の自然災害
BC1000年~2010年の間に起きた世界と日本の自然災害を表にまとめました。
(※世界は「死者不明者10,000人以上」、日本は「死者不明者1,000人以上」を対象としました。)
( クリックで拡大)
<参考文献>
世界:「国立天文台 理科年表(平成21年)」「内閣府 防災白書(平成20年)」
「岡田義光 自然災害の地震」「OFDA/CRED EMDAT-The Internaitional Emergency Disastera Database」
日本:「国立天文台 理科年表(平成21年)」「岡田義光 自然災害の地震」
「気象庁 災害をもたらした気象事例」
◆ 発生件数別にみた傾向
発生件数では、世界・日本ともに「地震」が最も多く、約6割をしめています。
地震に続いて、世界は大雨(24%)と干ばつ(12%)が多く、日本は大雨が4割弱をしめています。
◆ 死者不明者別にみた傾向
死者・不明者を多く出した災害は、世界では干ばつが7割、日本では地震が6割を占めています。
世界では、地震による死者は25%で、乾燥化による干ばつが最も甚大な影響を与えています。
日本においては死者不明者も、発生件数と同じで地震が6割、大雨が4割弱です。
過去1000年間の発生件数は、世界・日本ともに、地震が多い。
過去1000年間の死者数は、世界は干ばつ、日本は地震>大雨が多い。
◆◆◆ 自然災害は、どのように変化してきたか?
◆ 発生件数の変化
(内閣府 防災情報のページ「世界の自然災害の状況」より)
世界的に自然災害が増加しています。
最近の10年間をみると1970年代に比べて、発生件数・被災者数ともに約3倍に増加しています。
自然災害の増加に伴って被災者と被害額も増加していますが、死者の割合は減少しています。
◆ 死者不明者数の変化
1990年以降に絞って、自然災害の死者数の割合を出してみました。(データ元:冒頭の年表)
世界・日本ともに、最も死者不明者が多いのは地震です。
過去1000年間の死者不明者別データとの比較すると、
世界:地震が干ばつによる死者が激減し、大雨による死者が4倍以上に増加。
日本:8割以上が地震で、大雨による死者は半分以下に減少しています。
直近40年では、世界的に災害の発生件数が増えている。
直近20年では、世界・日本ともに地震>大雨による死者が多い。
直近20年で干ばつによる死者が激減したのは、被害の大きかった中国・インド・ソ連をはじめ、世界的に灌漑農業技術が進歩し、市場拡大により水や食料の輸出入が可能になったためと考えられる。
では、世界・日本ともに被害の大きい「地震」と「大雨」に絞って、どのような変化があるかを詳しくみていきます。
◆◆◆ 災害種別ごとの直近の変化
◆ 地震の変化
◇ 世界
世界の巨大地震(M7.8以上、及び特筆変動)より
◇日本
(「気象庁 震度データベース」より 震度5以上の地震回数を抜粋)
注目すべき点として、世界では1990年頃から、日本では2000年頃から大きな地震が急増しています。
◆ 大雨(風水害)の変化
◇ 世界
世界の風水害は急激に増加しています。
1950年代からは洪水の被害が増加、水害全体としては、1970年代後半から2000年頃にかけて一気に4~5倍まで増加しています。
◇日本
下のグラフは、関西地方の風水害の年間発生数データです。
気象災害年表より(参考文献:「大阪府気象月報」「大阪の気象100年」)
大きく見て、関西地方の風水害は1950年以降、増加傾向にあるようです。
<最近の傾向~日本でゲリラ豪雨が増加>
過去30年で1時間降水量50mm以上の大雨が1.46倍に増えています。
1時間50mmの雨はどんな雨かというと、
特に注目すべきは1998年以降(約10年強)の間で、集中的な大雨(ゲリラ豪雨)が増加していることがわかります。
1990年頃から世界で、2000年頃から日本で、大きな地震が増えている。
1970年代後半から世界的に風水害が激増している。
1998年以降、日本でゲリラ豪雨が1.4倍に増加している。
それでは、ここまでをまとめます。
・世界・日本ともに地震>大雨の発生件数・死者数が多い。
・過去1000年間は、世界・日本ともに地震>大雨の発生件数が多い。
・過去1000年間は、世界は干ばつ、日本は地震による死者が最も多い。
・直近20年では、世界・日本ともに地震、続いて大雨による死者が多い。・世界的にはここ30年、日本ではここ10年で自然災害が急増。
・直近40年で世界的に自然災害の発生件数が増えている。
・1990年頃から世界で、2000年頃から日本で、大きな地震が増えている。
・1970年代後半から世界的に風水害が激増している。
・1998年以降、日本でゲリラ豪雨が1.4倍に増加している。
このように、自然災害がここ数十年の間で急増しているからこそ、予知が喫緊の課題です。
◆◆◆ 自然災害の中で、「地震の予知」が最も求められている。
・日本では、防災技術・予報技術の発達で大雨による被害が減少した。
(消防庁「消防白書」附属資料24 昭和23年以降の風水害等の記録 より)
1960年に気象衛星が打ち上げられて以降、日本では死者1000人を越える風水害は起こっていません。
このことから、災害の予知が非常に重要なことがわかります。
しかしながら、今年3月11日の東日本大震災でも明らかなように、現在においても地震は多くの死者を出しています。
地震を予知することができれば、災害による死者は大幅に減少します。
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次回からは、まとめで明らかになったように、最も予知が求められている「地震」を先人たちがどのように予知してきたのかを学ぶべく、先人の知恵を紹介していきます。
お楽しみに・・☆+’
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トラックバック時刻: 2015年2月23日
machiko hollifield | 2012.08.04 23:44
だから、アメリカ人はあんなにふとっていても、糖尿病にならないんですね。日本人はアメリカ人なみには太れないということですね。あんなに太ろうとしてもその前に糖尿になって、死んでしまうということか。
その反対に、日本人は太ってなくても糖尿になる人がいる。いとこも糖尿で死んだけど、そんなに太ってなかった。
なんか、おかしいと思っていた。
私も玄米もっと食べよう。よいこと教えてくれてありがとう。