2012-01-02
『科学はどこで道を誤ったのか?』(5)ルネサンス(14~16c)~自然魔術による自然支配観念の萌芽と、「科学」「技術」統合への流れ
1434年にフィレンツェの実権を握った「コジモ・デ・メディチ」(1389~1464年、左写真)は、メディチ家の始祖で、ルネサンス初期の重要なパトロン。フィチーノやピコに古代魔術の書「ヘルメス文書」の翻訳を命じた。
福島原発事故によって、“原子力”を生み出した科学技術が万能ではないことや、人間が自然の力をコントロールすることなど到底不可能であることが誰の目にも明らかになりました。
こうした「科学技術万能観」がどのようにして形成されてきたのか?を追求するシリーズ第5回目は、山本義隆氏の著作である「磁力と重力の発見」及び「一六世紀文化革命」を元に、ルネサンス期に焦点を当て、その萌芽を探ってみたいと思います。
ルネサンス(仏: Renaissance 直訳すると「再生」)とは、一義的には、14世紀 – 16世紀にイタリアを中心に西欧で興った古典古代の文化を復興しようとする歴史的文化革命あるいは運動を指す。また、これらが興った時代(14世紀 – 16世紀)を指すこともある。(Wikipedia より)
と一般的に定義されるルネサンスですが、その背景には、十字軍遠征(イスラムからの掠奪)による富の蓄積、その結果として商人(金貸し)によるベネチアやフィレンツェなどの都市国家の形成、そして、恋愛観念の蔓延があります。
ポイントは2点です。
1.自然魔術による自然支配観念の萌芽
2.「科学(学問)」と「技術」の統合への流れ