2008-12-30

水資源の危機どうする?(番外編)~海水淡水化(2)~

海水淡水化を新たな水源として当てにしていいのか?!ということで、前回の「水資源の危機どうする?(番外編)~海水淡水化(1)~」では海水淡水化の仕組みを見てきましたが、今回は淡水化プラント利用の現状や問題点をもう少し詳しく見てみます。
淡水化施設の導入状況                                                                
淡水化の需要は、過去30 年間で12 倍になり、毎年11%以上の伸び(毎年200~300 万m3/d 以上)を続け、下図の2003年値で3,700万m3/d、2008年の推定では日量5,200万m3/dにのぼり、2016年には10,700万m3/d年率9.4%の伸びで6兆4千億円の関連投資が見込まれています。(GWI:グローバルウォーターインテリジェンス予測)%E6%96%BD%E8%A8%AD%E5%B0%8E%E5%85%A5%E9%87%8F.JPG
                                           表:方式別淡水化施設設置状況(単位:千m3/d)
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前回紹介した淡水化の方式別の導入量を見ると、現在では逆浸透(Reverse Osmosis(RO))法が51%と主流になってきています。(右表データは2003年値)

右表には淡水化に関連した日本メーカーのシェアも併記されていますが、水市場の中でのシェアの少ない日本の中では高いシェアのジャンルです。
採用地域                                                                          
地域別の導入量では、水資源が著しく少ない一方、資源が豊富でオイルマネーによる資金も潤沢な中東地域での導入が過半を占め、2008年現在では6割近くまで伸びています。
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用途                                                                           
日本では作り出した淡水利用の比率は、工業用73%・生活用水22%・発電用5%ですが、世界的には生活用65%・工業用24%・発電用5%・その他(農業・軍事・観光etc)1%の利用比率です。中東のGCC(湾岸協力会議)諸国では生活用水の80%を淡水化施設に依存しています。
さて、このように実用化され、近年の伸びも著しい淡水化事業は、活況を呈している面にだけにスポットを当てると新たな水資源としてのポテンシャルは高そうに見えます。しかし、作られる水が「エネルギーの瓶詰め」と言われるように淡水化のエネルギー消費は大きく、巨大なプラントも必要で増水コストも掛かります。
導入状況に続き、そのあたりの状況を続けて見てみましょう。
※図表は「(社)原子力産業協会 海水の淡水化に関する検討会資料」から引用
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(さらに…)

  投稿者 basha | 2008-12-30 | Posted in I04.水資源の危機4 Comments »