2008-12-27

食料の輸入が途絶えたらどうなる?part4~漁業編~

こんにちわ。「もしも輸入が途絶えたら」今日は漁業について扱いたいと思います。
 大豆・小麦の場合は、なかなか厳しい数字が示されていましたね。
では漁業はどうでしょうか。

 もともと日本は四方を海に囲まれ、漁業がさかんでした。そしてほんの30余年前までは豊富な海の幸を食卓に並べることが出来ました。しかし現在は輸入魚の増加や漁獲制限、また嗜好の変化などにより、状況は変わってきたといわれています。
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冬の定番 ぶり大根 「お仕事日誌&一日一麺」様よりお借りしました。
 日本人の魚介類の消費量は2003年で年間約800万トン(一人当たり65kg)です。このうち自給分は約60%の480万トン、残る40%を輸入に頼っているので320万トン(一人当たり26kg)が輸入ということになります。ちなみに一人当たりの消費量は世界平均の4倍です。これはpart2,3で扱った、大豆や小麦に比べればまだ多いといえます。しかし海に囲まれた日本としては?という気もしますがこれは後段で。
さてこの320万トンがなくなる、つまり輸入が出来なくなる可能性はあるのでしょうか。
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 その答えは、どうやら「有り」ということになりそうです。それというのも、近年、世界的に魚の消費量は大きく伸びてきているのです。
下のグラフをご覧ください。(データは水産庁HPより)
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 巨大な胃袋である中国の、消費の伸びのすさまじさがわかりますね。世界全体でみても、一人当たりの消費量は1961年の9kgから2003年には16.5kgに増えています。(世界漁業養殖白書:国連食料農業機関による)
 また、この間で人口も2倍余りになっているわけですから、全消費量は3.6倍に伸びていることになります。
 背景にはもちろん世界人口の急増がありますが、ほかにも世界的な健康志向、BSEや鳥インフルエンザの影響など、魚の消費増に拍車を掛ける要因は多いのです。
 では一方で、日本の消費の実態はどうなっているのでしょうか。
 あらためて日本の自給率の推移を見ると次のグラフになります。世界の流れとは逆に、自給率の低下と20年くらいの間の消費量が減少していることがわかりますね。(データは水産庁HPより)
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 原因としてよく言われるのはこの「魚離れ」です。子供が魚を食べたがらない、親も就業形態の変化で魚料理をしなくなったというあれですね。(データは厚生省HPより)
 
 
 しかしこれには異説もあり、一概には言えない気もします。
中食、外食の増加分が反映されていない、魚離れのグラフのほうが怪しく、本当の原因は価格の高騰だという説には説得力を感じてしまいますが、少しテーマがずれるのでその話は別の機会に譲りたいと思います。興味がある方は下記へ。
参考:勝川俊雄 公式ウェブサイト
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/05/post_130.html
http://kaiseki.ori.u-tokyo.ac.jp/~katukawa/blog/2007/07/_by.html
さて初めに述べたように、世界的な需要の増加が続けば、日本の消費量の40%を占める魚の輸入は、大幅に減少するのは避けられません。ではどうすればよいのでしょうか。
 実は、現在国内の沿岸部で獲れる魚はすべて消費されている訳ではないのです。「大まかに言えば高級魚は国内で売り、流通経費をかけていては売ることが出来ない魚は輸出されている」のが現実です。そういえば、以前は町の魚屋さんにあった、名前もよくわからない小さな魚は、今のスーパーでは余り見かけなくなりました。この量は水産庁HPによればサンマ、カツオなどを中心にH15年で280万トンあり、これを仮に全て食卓に乗せることが出来れば、自給分は780万トンとなり、概ね95%の自給率が達成できることになります。
 そもそも国産では市場で売れる高い魚だけを消費し、売れない魚は低級魚と呼ばれ輸出するか飼料にする、そしてマグロやエビを大量に輸入して食べているという現実はなにかおかしいと思いませんか。
 むろん実現のためには、生産者と消費者が直接取引きを行う流通機構の合理化や、(事例:『地魚ネットの流通システム好評 漁協の鮮魚、高級店へ直販』business i
http://www.business-i.jp/news/venture-page/news/200812040094a.nwc)や、農業同様に高齢化で減少する漁業従事者への所得対策など行うべき課題は多いことはいうまでもありませんが、こうした努力をすれば、そして輸入が激減してもなんとかやっていけるのではないでしょうか。これが「part4.漁業編」の結論です。

List    投稿者 kz2022 | 2008-12-27 | Posted in N01.「食への期待」その背後には?2 Comments » 

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コメント2件

 むぎっこ | 2009.08.07 16:23

>母子を繋ぎ合わせるために、自然なお産を出来るようサポートをする
いつも、お産シリーズ楽しみにしています!
なるほど~。。
お産をサポートしていくっておもうと、ぴったりですね☆
医療のサポートがあるっておもえると、いざってときも、心強いですもんねっ。。
応援ポチです☆

 かっし~ | 2009.08.08 0:39

むぎっこさん、いつも応援ありがとうございます☆
>医療のサポートがあるっておもえると、いざってときも、心強いですもんねっ。。
医療はサポートなんだって思えると、病気とか出産とかに対しても、医者任せじゃなく、自らが主体的に動くようになっていきそうですよね♪
これからも応援宜しくお願いします♪

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