日本人は何を食べてきたか 第三部 part2 ~梅干~
ごはんとともに食されてきた副食。その第二弾は漬物に続いて梅干です。 😀
梅干も発酵食品ですが、その存在は非常に古く、奈良時代以降では日常的生活のなかで多くの役割・効用を果たしてきました。
そして現在では、健康食品としても考えられています。
梅干を見ただけで、唾液の分泌が促進されることは皆さん経験がありますよね。 これによって消化が、より促進されることになります。
また病人食はおかゆと梅干が定番であるように、ごはん との組み合わせで梅干には様々な効用が期待できるのです。
今回はこの梅干の効用について考えてみたいと思います。
ではその前に ポチッとお願いします。
効用の前に、梅干の歴史を辿ってみるともともとの由来は中国からのようです。
■梅干の歴史
梅干は中国から渡来したといわれ、紀元前200年頃のものという馬王堆からも、梅干しが入っていたと考えられる壷が出土しています。(ウィキペディアより)
また遣隋使が持ち帰ったと言われるものも今日のような梅干を持ち帰ったわけではなく、「鳥梅(うばい)」という未熟な梅の実をいぶして作られた薬として使用されていたものだったようです。(うめうめネットより)
梅干は奈良時代から徐々に広まりはじめ、戦国時代には戦の携帯食糧として用いられていた。庶民にまで広がったのは江戸時代だった様です。(なんでも梅学 日本人と梅干の由来より)
梅干は古来から食され、あるいは薬 として活用されたようですが、その効用はどのようなものだったのでしょうか。 🙄
■梅干がもつ6つの効用
健康食品とも言われ、ごはんには欠かせない「梅干」は、さすがに古来から今日まで日本人に愛用されているだけのことはあり、大きく6つの効能があるようです。
以下「梅干の効能:一日一粒の梅干で健康回復:梅干の効能(荒牧麻子先生)」より引用。
梅干の効能(荒牧麻子先生)
梅干しがもつ驚異的な働き
ヘルシーでおいしい和食が、世界的なブームになっています。本家である日本でも、和食のよさが再認識されつつあります。その和食を代表する食品が梅干しです。
梅干しは納豆や豆腐などと同じように、すぐれた発酵食品であり、加工食品です。健康志向が強い今、もっとも注目されている食品といっても過言ではありません。
そこで、梅干しを食べると、どんなふうにからだによいのかをざっと検証してみることにしましょう。以下の内容を順にご紹介します。
6つの効能
●梅干は疲労を回復
疲労の原因は体内に蓄積された乳酸。これを分解するのに効果的なのがクエン酸で、梅干にはこれが豊富に含まれます。
クエン酸は、乳酸を水と二酸化炭素に分解して、体外へ排出する働きがあります。しかもクエン酸には、ブドウ糖が分解されるのを抑制し、乳酸そのものをエネルギーのもととなる物質へ変化させていく働きもあります。
つまり疲れのもとを取りながら、さらにエネルギーをも生み出すのがクエン酸というわけです。
●梅干は動脈硬化を予防
梅干は、乳酸を分解するクエン酸が豊富だと述べましたが、乳酸はまた動脈硬化の原因にもなっています。
また最近では、クエン酸そのものに、血圧を下げる働きがあることもわかってきました。
●梅干は活性酸索を撃退
生活習慣病の原因の一つに活性酸素があります。この活性酸素を減らす働きがあるのが唾液の中に含まれるグルタチオンペルオキシダーゼとカタラーゼという酵素です。
これらの酵素は、発ガン性物質の毒素も消す働きがあります。
唾液は、自然に分泌された量よりも、食べ物によって刺激されて出てくるもののほうが多いという特性をもっています。
しかも梅干によって刺激された唾液は、質量ともにすぐれているという研究報告もあります。
梅干を見て、「すっぱいと思わずツバが出る」感覚や、梅干を食べるときに自然に出る唾液は、活性酸素を撃退するという、からだにたいへんよい効果をもたらしているのです。
●梅干は便秘を解消
梅干を毎日食べると、便秘が自然に解消されていきます。これは、梅干に胃腸の蠕動運動の働きを活発にする効果があるからです。
また、殺菌作用もあります。細菌は酸に弱いため、クエン酸の強い酸性に
よって殺されてしまうのです。
●梅干は二日酔いを解消
二日酔いは、肝臓のアルコール処理能力が追いつかず、血液中の酸素が不足するために起こるものです。
(中略)
梅干には、胃腸の粘膜を保護する働きがあります。アルコールは胃腸から吸収されるので、梅干を食べることによって、胃を守ろうとする生体防御作用に働きかけ、胃腸を保護する粘液の分泌を高めることができます。
つまり、お酒を飲む前に梅干を食べておくと、胃の粘膜が保護されるため、アルコールの刺激を緩和できるのです。
また、飲みすぎて、二日酔いになってしまったときに食べると、荒れた胃の粘膜の修復が早くなります。
さらに、二日酔いになると体内は酸性に傾きますが、アルカリ性食品の梅干しを食べると、からだが弱アルカリ性に変わり、二日酔いの回復を早める効果があります。
●梅干は食中毒を防ぐ
梅干は、戦国時代には兵糧として必需品でした。合戦におもむく兵士たちは、にぎり飯に梅干を入れ、腰につけて歩きました。
なかでも豊臣秀吉は梅干を「息合の薬(いきあいのくすり)」として重用したといいます。先人は、梅干の腐敗防止や疲労回復の作用を体験的に知っていたということです。
冷蔵・冷凍などの保存技術が発達している今でも、細菌性の食中毒にかかる人は少なくありません。
病原性大腸菌0-157をはじめとした、サルモネラ菌・黄色ブドウ球菌などの食中毒を引き起こす細菌は、味やにおいなどがほとんどなく、なかなか細菌の有無の判断ができません。
梅干に含まれているクエン酸は、こうした細菌を抑制する働きがあります。つまり、梅干には食中毒菌の増殖を抑える働きがあるということです。
「梅はこんなにからだにいい(管理栄養士 荒牧麻子 監修)」より引用
じつは梅干の効能にはクエン酸が大きく影響しているようですね。
では、クエン酸とはどんな働きをもつのでしょうか? 🙄
■クエン酸の効果的な働き
酢や柑橘系フルーツ、梅干などすっぱい食べ物がカラダにいいことで注目されています。その根幹は「クエン酸」。クエン酸のもつ効果的な働きとは何でしょうか?
実は私達の体内にはクエン酸回路(=TCA回路)と呼ばれるカラダを動かす重要なメカニズムがあり、これが作用してるらいしいのです。
以下gooヘルスケア からだにいいコトバ事典より引用
●クエン酸サイクルを働かせる
それにしても、クエン酸を摂ると、なぜ疲労回復するのでしょうか。
それはクエン酸回路(=TCA回路)と呼ばれる、私たちの体を動かす重要なメカニズムにあります。
クエン酸回路は、エネルギー生産工場。食物から摂取された栄養素が、クエン酸などの8種類の酸に分解され、その分解過程でエネルギーが生産されます。そしてクエン酸は、このエネルギー回路を回すための着火材のようなもの。クエン酸回路が活性化していれば、どんどんエネルギーは作り出されていきます。
(中略)
でもクエン酸の働きは「疲労回復」だけではありません。まだまだ物凄い働きがあります。
●クエン酸のキレート作用
キレートとはギリシア語で”カニのはさみ”という意味です。現代人に不足しがちなカルシウムなどのミネラルは、体に吸収されにくいのですが、クエンと一緒に摂ると、クエン酸がカニのはさみのようにミネラルを包み込んで結合し、その吸収を助けてくれます。
新居裕久先生 新宿医院院長・医学博士
新宿クッキングアカデミーの校長も兼ね、健康(医療)と食事(栄養)に関する第一人者。”医食同源”の生みの親
梅干に含まれるクエン酸、その効用が梅干を健康食品と言わしめている要因のなのではないでしょうか。 😀
日本人は古来からごはんの副食としてあるいは保存食として梅干を愛用してきました。
この梅干に含まれるクエン酸が大きな役割を果たしているのですが、古来の日本人は日々の食生活の中でこの効用を実感しながら、本日まで引き継がれてきたのでしょう。
クエン酸の効果と記憶により、梅干を見ただけで唾液の分泌が促進され、ごはんの消化も促進される相乗効果があります。また疲労を回復させるなど、多くの効能もあるのです。
今や西洋食が中心となり、日本人の食事形態も大きく変化していますが、ごはんと副食、そのなかでも相性のいい「梅干」を見直す必要がありそうです。 🙄
梅干(とそれに含まれるクエン酸)は偏った食生活に陥った日本人を救うと言っても過言ではないのです。 😛
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コメント9件
sinsin | 2010.01.25 13:13
どんきちさま
詳しい説明ありがとうございます。
>現実の炉の構造では、核分裂作用そのものから水に伝えられているのは「熱」であって、「圧力は」、蒸気が作りだされる次の工程で「別の加圧装置」から圧力をかけることによって「過熱水蒸気」が作りだされている、ということになるらしいのです。
>むしろ、原子炉の場合は、無駄な廃熱の割合が多く、廃熱・放射性廃棄物処理設備と運用コスト・エネルギーを要するため、結果的に熱効率は火力発電よりも劣ってしまうことになるようです。
なるほどです。重要な視点ですね。このあたりも調べて行きたいと思います。
もしよければ、この効率についての参考サイトや書籍の紹介や、どんきちさまの見解などをいただければ幸いです。
どんきち | 2010.01.25 16:11
熱効率についての、端的な説明としては下記のページを一つあげてみます。
以下引用
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
■WHIKIPEDIA 「」火力発電所との違い
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB
「一般的には、わかりやすく「原子力発電所でも火力発電所でも、蒸気タービンによる発電方式ということでは同じである」と説明されることがある。しかし、厳密には以下の点で違いがある。
蒸気の違い
タービンを回す蒸気が原子力発電所では 280-290度、6.9MP であり、火力発電所の蒸気の 600-610度、31MP よりも温度・圧力が低く設計されている。そのため火力発電に比べて熱効率が劣ってしまう。(入出力の温度差が大きいほど熱効率は高い。)
蒸気の温度と圧力を低く設計しなければならない理由は、核燃料棒の被覆に使われているジルコニウムが比較的高温に弱いために一次冷却水を高温には出来ないためである。
火力発電所では超臨界流体である超臨界蒸気が使用されている。超臨界流体とは、液体の性質と気体の性質を持った非常に濃厚な蒸気であり、熱を効率良く運ぶことが出来るが高温高圧状態が必要なため、原子力発電ではこれを利用することはできない。
タービンの違い
原子力用タービンの回転数は1500rpm又は1800rpmであるが、火力用タービンは3000rpm又は3600rpmである。」
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
そもそも、理系音痴の私が、何故原子力発電なんかに「?」と興味をもったかというと、
原子炉の構造図を眺めていて、
「【過熱水蒸気発生の必要温度=二次水の温度 (A)】 < 【一次水の熱を二次水に伝達、運搬するための媒介とをする管の耐熱温度≒融点、燃焼温度】(B) > 一次水の温度 (C)
となるはず?
→
であれば、(B)の部分の金属に直接(C)温度と同等の温度を発生させる、べつの熱源(X)があればよい?
→その(X)として、「太陽光励起レーザー」を利用できないのか?
つまり、「マグネシウム文明論」(矢部達也著)等では、マグネシウム製錬に必要な20000℃の熱を太陽光励起レーザーによって発生させることが可能、とされています。 蒸気タービン発電のための過熱蒸気発生に必要な温度はそれ以下で十分なはずなのですから(上記引用文中、蒸気条件参照)、現在の構造上の(B)に該当する部分ので、「太陽光励起レーザー」の照射によって必要十分条件=(A)熱を作りだすことができるのではないか?
=あたかも、「やかんの底にレーザーをあててお湯を沸かすように」
ということを思ってみたりしたんです・・・・。
これが実現できれば、
・放射能漏れ、放射性廃棄物処理
・エネルギーロス
・核分裂制御の安全性
などの心配がなく、もっとシンプルかつ小規模で、自立性の高い発電装置が可能になるのではないかな・・・と。
sinsin | 2010.01.25 17:53
どんきちさま
早速ありがとうございます。これも参考にしながら、連載していきます。
>温度を発生させる、べつの熱源(X)があればよい?
>=あたかも、「やかんの底にレーザーをあててお湯を沸かすように」
>ということを思ってみたりしたんです・・・・。
>これが実現できれば、
>・放射能漏れ、放射性廃棄物処理
>・エネルギーロス
>・核分裂制御の安全性
>などの心配がなく、もっとシンプルかつ小規模で、自立性の高い発電装置が可能になるのではないかな・・・と。
これがうまく行けば、殆どの問題が解決しますね。このあたりについては、マグネシウムとレーザーの連載を別に考えています。
その時は、またコメントをお願いいたします。
コメットさん | 2010.02.07 2:46
どんきちさまと、sinsinさまのやりとり、非常に興味深く拝見させて頂きました。
>現在の発電装置(電力発生装置ではなく、蒸気発生=ボイラー部分)の仕組みは、原子炉も火力発電も、実は大きくかわらない
この点に関して、私も最近まで誤解しておりました。さらに、現状の原子力発電に利用されるウランは実際に利用出来る同位体の含有比率が小さい(=低濃縮が必要であり、無駄が多い)ことを考えると、素人の感想ではありますが、とても力技な技術であるように感じます。。
熱源を太陽光励起レーザーの技術で作り出せるとすれば、ものすごい可能性ですね!今後も一緒に勉強させて頂きます☆
testosterone | 2011.11.18 20:41
賢明な批評ありがとう。私と私の隣人は、ちょうどこのことについていくつかの研究を行うために準備をしていた。私たちは、地元の図書館から本を得たが、私はこのポストから良い学んだと思う。私はそこに自由に共有されているような優秀な情報を表示するにはとても嬉しい..
production of lamps for the home | 2011.11.22 20:15
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Silver EA | 2011.11.26 13:16
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なな@ | 2012.05.11 14:46
エネルギー不変の法則と
物質の質量はえねるぎーに変換できる、そのエネルギー量は質量×光速の2乗になる。
液体でもない固体でもないどちらにでも変化する中間的な状態と、
太陽を利用した太陽光励起レーザー光、
それに磁力変換(太陽磁場変転と太陽核分裂反応)それに熱伝導とロス率
等興味深いことばかりですが
生き物にとって安全な核分裂は自然界が日常的な営みで行われている。科学万能で焦ることはないと思うのですが。
どんきち | 2010.01.25 12:41
現在主流の発電システム(蒸気タービン)の性能条件の一つである、熱源の問題は
端的にいえば、
【タービンの羽に加わる圧力と速度を最大化する=「過熱水蒸気を発生させる必要十分条件」を満たすための、最適熱源は何か?
という問題になるようで、この過熱水蒸気の2大条件である
・圧力
・温度
をいかにして高めるか、ということになります。
現在の発電装置(電力発生装置ではなく、蒸気発生=ボイラー部分)の仕組みは、原子炉も火力発電も、実は大きくかわらない、ということは意外に知られていない様な気がします。
つまり、一般的に原子炉(核分裂)の優位性については、「核分裂により「高温・高圧状態」を作りだすことができる」という説明をされることが多いのですが、現実の炉の構造では、核分裂作用そのものから水に伝えられているのは「熱」であって、「圧力は」、蒸気が作りだされる次の工程で「別の加圧装置」から圧力をかけることによって「過熱水蒸気」が作りだされている、ということになるらしいのです。
その仕組み自体は、石炭による火力発電、一般の自家発電用ボイラーも全くじです。
むしろ、原子炉の場合は、無駄な廃熱の割合が多く、廃熱・放射性廃棄物処理設備と運用コスト・エネルギーを要するため、結果的に熱効率は火力発電よりも劣ってしまうことになるようです。(あくまでも一般に公開されているデータ、資料を総合的に見てみると)
そのことは、電力会社のHPなどに掲載されている原子炉の構造図をよく見てみると、簡単に気がつくと思います。