日本人は何を食べてきたのか 第二部 part2 ~ごはんの優秀さ~
日本人は何を食べてきたのか 第二部 Prtt1でも取上げましたが、昨今の日本人の食事は欧米スタイルの動物性タンパク質中心の食事へ移行し、生活習慣病が増加する傾向がみられます。 😥
日本の朝ごはん いいですね!
逆に欧米では「和食」の良さが脚光を浴びているという逆現象も起っている中、再度主食としての「ごはん」「ごはん+おかず」献立の優秀さについて考えてみたいと思います。
その前にぽちっと お願いします。
「主食(ごはん)+おかず」という組み合わせの明確さが、上質な穀物(=米)が手に入る地域の特徴で、主食とも言えない麦食地域(だから肉を主食にする)の献立よりも有利なはずだと直感では思っていましたが、その根拠を分かりやすく解説してくれるサイトを見つけました。
以下「主食の大切さのお話し」より引用。
るいネットにも「ごはんの優秀さ」で紹介されています。
○日本はでんぷん質エネルギー比率が高い
食事は「主食」と「副食」から構成されるものだと考える民族は、主に東アジア、東南アジアに分布しています。日本人もその一民族です。
「主食は、でん粉質で腹を満たすための食物。あまり味をつけないで食べる。副食は、主食を食べやすくするために、味をつけて添えられる食物」というのが、「主食」と「副食」の概念です。
国民所得が増加すると、食事中のでん粉質エネルギーは減り、油脂と砂糖が増えます。
1985年の、各国の国民所得と食料のでん粉質エネルギー比率をみたのが下のグラフです。先進諸国は20%から30%の低い値がほとんどですが、日本は48%という高い値になっています。
米の消費量は戦後間もなくの半分にまで落ちているのに、どうして日本だけでん粉質エネルギー比率がこんなに高いのでしょうか。
上記グラフのなかで、上質な穀物である「米」を採取し、「主食」としている地域に入るのは「日本」しか見当たりません。日本以外の地域では「麦」中心に採取され、かつ主食の概念もなく、澱粉質以外の、例えば動物性タンパク質等中心でエネルギー取得を行なっているのでしょうね。 🙄
○主食のある食事は栄養のバランス
「主食」のある食事とない食事とを比較してみました。「主食」のある食事として和食を、「主食」のない食事としてはフランス料理を選びました。
和食は一汁五菜の献立です。主菜は、イカとマグロの刺し身、サワラの照り焼きとしました。
フランス料理は、オードブルで始まり、メインディッシュを経て、サラダ、デザートに流れるフルコースです。世界三大珍味の一つであるフォアグラを、メインディッシュの素材に選びました。
どちらもご馳走です。
食事は、生きてゆくために必要な必須栄養素を取るためのものだけではなく、楽しみの一つです。動物性のタンパク質を素材にした料理の方がおいしいので、所得が増加すると自然にそのような食事に傾いていきます。でん粉質の食物はだんだん食べられなくなります。その結果が生活習慣病の増加です。
では、どのように食べればよいのでしょうか。
生活習慣病と食生活との関係の疫学的な研究から、食事から取るエネルギーの割合が、
タンパク質(P) 脂肪(F) 炭水化物(C)
12~13% 20~30% 57~68%
というようなPFC比率の食事のとり方が最もよいといわれています。
しかし、このような考え方は、食事を単に栄養素の混合物としか見ていない考え方なので、料理を見るだけではよくわかりません。以下は、一般的な和食とフランス料理の献立を再現したものです。これらの献立の栄養を計算してみると、結果は下の表のようになりました。
■和食の献立
春菊とワカメのごまよごし
マグロとイカの刺身
ラディッシュとキュウリ添え
サワラの照り焼き
グリーンアスパラガスのおひたし
里芋の煮しめ
豆腐とナメコの味噌汁
ご飯、香の物
■フランス料理の献立
ソラマメのクリームスープ
フォアグラのキャベツ包み蒸し
キャロット・ラッペ・セルフイユ風味
グレープフルーツのフィヤンティーヌ
エネルギー(Kcal) 蛋白質(g) 脂肪(g) カルシウム(mg) 鉄(mg) PFC比率
和食 745 44.7 19.4 250 5.6 26:23:51
フランス料理 756 27.1 43.8 154 7.1 14:52:34
摂取するエネルギーは、どちらもほぼ同じです。
しかし、PFC比率は違います。フランス料理の方が、Fが高くCが低くなります。「ご飯」のような「主食」がなく、素材に肉や乳製品を多用する料理の伝統だから、やむをえないのです。パンは食べても食べなくてもよく、「主食」にはなりません。
いま日本では、世界中のおいしいものが食べられます。しかし、フランス料理のようなご馳走をよく食べる人は、体を動かしてエネルギーを消費し、食事内容にゆとりをもたせるようにすることが大切です。太るからというので食べる量を少なくすると、栄養素不足を招きます。例えば、エネルギー1000キロカロリー当たりの栄養素の量を、和食とフランス料理で比較してみると、次のようになりました。
タンパク質 カルシウム 鉄
和食 6.4g 34mg 0.8mg
フランス料理 3.6g 20mg 1.2mg
というように、ご馳走は栄養素密度が小さくなっています。体を動かさないで食べると、肥満が待ち構えています。
「主食」の「ご飯」は、このような傾向をやわらげる役をはたすのです。
「主食」の米を、もう一度見直してみようではありませんか。
「ごはん」が主食の和食と、「主食」の概念が無いフランス料理で同じエネルギーに合せて比較してみたところ、和食の方が「F:脂肪比率」は小さくてPFCのバランスも良く、栄養素量も多いことになります。
上記の比較のとおり、「主食」の「ごはん」で構成する食事は「おかず」に、大きなエネルギーや脂肪を加えなくとも、バランスの取れた構成でかつ栄養素密度も高められるという、「米」が優れた上質の穀物であることを示しています。 😀
うん、やっぱりごはんはえらい!
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2009/05/524.html/trackback
コメント2件
ミルヒー | 2009.12.24 19:23
すご~い♪♪
生物は『逆境⇒進化』というのは、こうやって種の増減というデータでも、ちゃんと表れているんですね
このことって、何かによらず、自然の摂理ということなんですね☆
kirin | 2009.12.17 17:56
わかり易いグラフです。利用させていただきます。
グラフから、生物史における大量絶滅と種の増減が、地球気温の増減とリンクし、そしてその環境の逆境のなかで新たな種が登場しているのがわかりました。
「すべての生物(万物)は外圧適応態」というのが今回の調査でも顕れています。
それにしても、歴史上の大量絶滅につながる気温変動の原因には諸説がありますね。