2009-06-28
【人口問題】7~個体数とアポトーシスの関係は?「生き残る為の死」~
[アポトーシスを起こす細胞]
人口問題シリーズ「【人口問題】2~本能態の単一種が増殖し続ける事はない~」では、本能動物は、個体数密度が高くなりすぎると、餌の確保や生殖が困難になるという環境適応の限界を迎えるため、個体数が増加し続けることはないということを書きました。
つまり、「生きられる環境と餌は無限にはないため、個体数は無限には増えない」という、
感覚的に理解しやすい内容だったと思います。ただ…なんかモヤモヤする …いまいちスッキリできないのは何で:o?!
ということで今回は、「ひょっとすると、生物は個体数を調節する為に自殺してるんではないか?個体数を調節する機能が本能として備わっているのではないか?!」という、ミクロな視点からの分析として、アポトーシスという機能に着目してみようと思います 🙂
アポトーシスって何?
「アポトーシス」(apoptosis) とは、多細胞生物の体を構成する細胞の死に方の一種で、個体をより良い状態に保つために積極的に引き起こされる、管理・調節された細胞の自殺すなわち「プログラムされた細胞死」(狭義にはその中の、カスパーゼに依存する型)のこと。
(他に、「遺伝子に支配されたプログラム細胞死」http://www.fucoidanya.com/apo.htmや、「細胞の自然死(自発死)」http://www.naoru.com/apoto-sisu.htmと定義されているサイトもあります。)
Apoptosis の語源はギリシャ語の「apo-(離れて)」と「ptosis(下降)」に由来し、「(枯れ葉などが木から)落ちる」という意味である。
アポトーシスの具体例
①生体変異システムとしてのアポトーシス
おたまじゃくしがカエルへ変態する時に起こる尾の吸収や、指間の細胞を除去しながら胎児の手足の指が形成されるように、成長過程でプログラムされたもの。
②生体維持システムとしてのアポトーシス
免疫細胞(白血球)がウイルス感染した細胞やがん化した細胞を死滅させるためのものや、紫外線や活性酸素によってDNAが損傷した細胞が自滅するなどの生体維持(防御)のために日常的に働くもの。
①はプログラム(DNA)に異常が無い限り、あらかじめ決まった時期、決まった場所で正確に働くため「プログラムされた(計画的)細胞死」というのがしっくりきますが、②は生態が持っている免疫細胞による日常的な防御システムであるため、「プログラムされた」というには違和感があります。一般的には①と②の両方ともアポトーシスとされているようですが、ここでは②のアポトーシス、つまり生体維持システムとしてのアポトーシスに着目してみようと思います。
今回は、この生体維持システムとしての細胞のアポトーシスが、生物の個体数維持(調整)にまで関わっているのではないか?!という疑問の解明に挑戦してみたいと思います
まず基礎知識として、「アポトーシスのしくみ」をどうぞ
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