2012-07-17

【自然の摂理に即した日本産エネルギー:地熱発電】科学を身近に☆NewStream

旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。
今週の科学ニュースを紹介します。

福島・土湯温泉で来秋にも地熱発電…国立公園初(2012/07/17)/読売新聞より引用

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環境省が規制を緩和した国立公園の特別地域での地熱発電について、福島市の土湯(つちゆ)温泉が第1号になることがわかった。

東電福島第一原発事故の風評被害などで同温泉の観光客は激減しており、地熱発電で復興を図る。早ければ来年秋から稼働を始める予定だ。

同温泉が計画しているのは、バイナリー発電という方式。国立公園内での開発では、垂直掘りなどによる大規模な発電所建設計画も進むが、バイナリー発電は温泉水の熱を活用するため新たに井戸を掘削する必要がなく、建設費も抑えられるのが特徴だ。

2か所の源泉で出力計500キロ・ワットで発電を始め、将来的に1000キロ・ワットまで増強する。電力はすべて再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」で決められた1キロ・ワット時あたり42円で東北電力に売電する。1か所目の建設コストは3億円程度で、約7年での回収を見込む。同温泉は売電収入で電気バスを導入するなど復興に役立てる。

原発再稼動に揺れている日本のエネルギー事情ですが、自然の摂理に反した原発になんか頼らずとも、もっと自然の摂理に即したエネルギー源を日本は有しています。

それが紹介した「地熱発電」です

日本は火山列島であり、且つこの地熱発電では世界でも先端の技術を有しています。そして、その技術は地熱発電の第二世代といわれる高温岩体発電の実用化直前です。さらに、第三世代の技術(50年内には実現可能といわれる)マグマ発電をもってすれば、その潜在資源量は60億Kw、なんと現在の日本の総発電量の3倍は優に発電可能と見込まれているのです!

当ブログでは過去に新エネルギーの可能性として、地熱発電の追求しています。その記事を紹介して、地熱発電の可能性のほどをみなさんに知ってもらいましょう

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以下、『次代を担う、エネルギー・水資源』水生圏の可能性、水力エネルギーの活用<番外・予告編>.火山列島・火の国日本の可能性~高温岩体発電・マグマ発電が国産エネルギー資源の切り札!~より引用

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 引用開始 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

今や世界の地熱発電設備容量の合計は8,878MW。国別首位はアメリカ合衆国(全体の0.2%)。次いで発電容量が多いのは火山国フィリピン。フィリピンはなんと国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなう「地熱発電大国」なんです。気になる日本は世界第6位。(2007年)

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しかし、火山が多く地熱開発の技術水準が世界的に高いにも拘らず、日本の地熱発電はまだまだ総発電量のわずか0.2%を賄っているにすぎません。

~(中略)~

★地熱発電って?

地熱発電とは、火山活動による地熱を用いて行う発電のことです。主に地熱によって生成された天然の水蒸気により蒸気タービンを回して機械的エネルギーに変換し、発電機を駆動して電気を得ます。タービンを回して発電するのは、水力発電や火力発電と同じです。簡単に言うと火山の水蒸気を利用してタービンを回して発電するというのが地熱発電なのです。

★地熱のメリット・デメリットって?

●地熱発電のメリット
燃料を必要とせず、燃料の枯渇や高騰の心配が無い点で、すぐれたエネルギー源とされます。また再生可能エネルギー(自然エネルギー)の中でも、需要に応じて安定した発電量を得られる地熱発電は、ベースロード電源として利用が可能である点において、出力が不随意に変動する太陽光発電や風力発電・渇水期のある水力発電とは異なった長所を有しています。地球全体でみた資源量も大きく、特に日本のような火山国においては大きなポテンシャルをもっています。

●地熱発電のデメリット
地熱発電は探査・開発に比較的長期間を要し、火山性の自然災害に遭遇しやすいリスクがあります。また資源保有地のほとんどが、国立公園や国定公園として法的に開発規制されている点も大きく、開発可能地であっても、既に温泉街等の観光地となっている場合が多く、近隣住民からの強い反発があります。

また、「水力シリーズ1.自然エネルギーの原理について」でも試算しているように、自然エネルギーの中でも地熱資源は桁違いの潜在エネルギー量なのです。

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しかもさらに現在、地熱発電技術は既に第二世代に移行しつつあります。これまで火山蒸気の利用が主であった地熱発電は蒸気や熱水を必要としていいたため、開発調査に時間がかかる上に利用可能な場所が限られていました。その壁を超えた技術が第二世代の地熱発電、高温岩体発電です。と同時に、国もようやく重い腰をあげて法律の規制緩和に向けて動き出しました。

★第二世代の地熱発電が実現!
高温岩体発電
天然の熱水や蒸気が乏しくても、地下に高温の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気や熱水を得る高温岩体発電の技術も開発されており、地熱利用の機会を拡大する技術として期待されています。 既存の温水資源を利用せず、温泉などとも競合しにくい技術とされ、少なくとも38GW以上(原子力発電所40基弱に相当)におよぶ資源量が国内で利用可能と見られています。既に多くの技術開発は済んでおり、また現在の技術ならばコストも9.0円/kWhまで低減できると見込まれています。

★そして第三世代の地熱発電(50年以内には実現可能とされる!!!)
マグマ発電
さらに将来の構想として、マグマだまり近傍の高熱を利用するマグマ発電の検討が行われています。この技術は50年内には実現可能と言われ、その潜在資源量は60億kW(6000GW)におよぶと見積もられ、これを用いると日本の全電力需要の優に3倍近くを賄えるだろうと言われています。

このように私たちの住む火山列島・日本の足元には、途轍もないエネルギー資源が引き出せずに眠っています。地熱利用は水資源が豊富で火山の多い日本の地理的気候風土に合った、最も理にかなったエネルギー資源であると思われます。

私たちがエネルギー問題を考える時、往々にして今までにない画期的な新技術によって、世界的に利用可能な新たなエネルギー資源が生み出される事に大きな期待感や可能性を抱いてしまいます。
けれども自然の摂理構造を理解し、その国々や地域の持っている自然エネルギーの特性を生かし、その地の持つポテンシャルを最大限引き出すことが、循環型エネルギー社会への一番の近道なのかもしれません

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 引用終わり ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

現在、「原発は必要か否か」などの議論も多く見受けられますが、(当ブログは「地球の物質循環から切り離された廃棄物の増量→蓄積の危機「自然の摂理を踏み外してしまった原発技術開発」等の理由から脱原発のスタンスです)他にも多くの可能性が日本にはあるはずです。

原発だけに捉われずに、次代の新エネルギーへの可能性にそろそろ目を向けてもいいのではないでしょうか。

List    投稿者 tutinori | 2012-07-17 | Posted in E.次代を担う、エネルギー・資源, W.科学NewStreamNo Comments » 

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