もっと科学を身近に☆NewStream 「食」を考える6~自然の摂理に基づいた本来の食の復活に向けて
旬の話題から自然の摂理が学べる!もっと科学を身近に☆NewStream「食」を考えるシリーズの最終回になりました。
(画像はコチラからお借りしました)
みなさん、お正月の「食」を楽しめましたか?
とはいっても、食べ過ぎたと言う人も多いのではないでしょうか?
今回は「食」を考えるシリーズの最終回として、本来の「食」の復活に向けた記事を書きたいと思います。
◆◆◆食への期待とは何か?
このシリーズでは「食」の現状を見てきました。
順番にこれまでの記事の要約とリンクです。
①市場に絡めとられ不自然な方向に向かっている現代の「食」
「豊か」になった現代人に食品添加物を使って「ムリヤリ食べさせ」市場の拡大を図った。市場の拡大のために生まれた「食品添加物」によって不健康となった人々は、「サプリメント」「特定保健用食品」という新たな市場に絡めとられ、結局は人工物質漬けとなっている。
②粗食、自然食の効用
人類史500万年もの歴史の中で、自然物に対して味覚を発達させて来たが、人工物質には対応できないため、様々な機能不全=病気を引き起こしている。つまり、人類の身体機能は全て自然物にしか対応していない。
③「母なる海」だから取れる「本物の塩」とは?
生物が陸上に上がるときに海水のミネラル成分を体内に蓄積するために作ったのが骨。
本物の塩とは、海水と同じミネラルバランスの塩=天日塩・平釜塩。
④白砂糖は万病の元!白砂糖抜き実験で体温が上昇
白砂糖は、体内のミネラルを奪い、血を酸化させ、血行を悪くなることで、アトピーや、心臓機能低下、冷え性など様々な病気の原因となる。実際、2週間の白砂糖抜き実験で体温が上昇。
⑤自然界から生まれた発酵食品-味噌
味噌はがん予防・生活習慣予防・老化防止に加え、放射線から身を守ってくれるという優れもの。味噌には活性酸素を除去する「抗酸化酵素」が多く含まれている。
伝統的な「食」は、これまで.先人たちが試行錯誤しながら自然の摂理に則って、長い年月をかけて作り上げてきたものです。しかし、食の現状を見ると自然の摂理とは逆方向のベクトルで進んできたことに危機感を覚えます。
◆◆◆消化・免疫機能は腸内細菌と共生することで働く
人類は、500万年の中で消化器官を発達させてきました。消化器官である内臓は食物を消化するだけでなく、同時に異物の混入に対する防御システムとしての機能も必要となるため、免疫機能を司っていることは意外と知られていません。
消化がうまく進まないと体に負担となり、体内の消化酵素をたくさん使ってしまいます。酵素は消化か免疫や代謝に使われるもので、消化でたくさん酵素を使ってしまうと免疫や代謝に酵素がいかず、老けたり病気になり易くなります。さらに、消化され切らない食べ物は体内で腐って老廃物となり、体内環境を悪化させます。また、その排出を皮膚から行おうとすることで、肌は汚く脂ぎって吹き出物やにきびが多くできます。肌を綺麗に健康に保ちたいなら、体内環境を良くすることが大切です。
シバナンダヨガ上級教師&日本語教師のブログより引用
千島学説では共生進化も提唱されていますが、これも腸内細菌の存在を見れば紛れもない事実としか言いようがありません。現在の我々の腸の中にも、100兆を超えると言われる細菌類(しかもその殆どが嫌気性細菌)が共生しています。そして、この腸内細菌の力を借りることで、必要な栄養素の分解・吸収や免疫機能の獲得、さらには神経伝達物質までをも作り出しているのです。
るいネットより引用
味噌をはじめとする世界各地にある発酵食品は、土地に住み着く細菌類との共生の結果生み出されてきた食品だと考えられます。
このように、人類は500万年の歴史の中で、消化や免疫機能を機能させるために、腸内細菌と共生して体内に複雑な生態系を形成することで適応してきました。
◆◆◆本来の「おいしさ」とは人類が持っている身体機能を十全に使って味わうこと
このように外圧に適応することが生物としての適応可能性であるため、「おいしい」と知覚できるように進化してきたと考えられます。
土地の細菌やそこで育つ自然な食物などの「環境」と、人類が持っている「身体機能」の二つがかみ合うことで、本来の「おいしさ」が生み出されるのです
しかし、現代人は、刺激の強い人工物質漬けの食文化に慣れてしまっているため、本来人類に備わっている身体機能を使って食べるという、本来の「おいしさ」を知らない人がほとんどです。これは、これまでの外圧適応のために塗り重ねてきた身体機能が作動しないという、人類史上前代未聞の状態に陥っているのです。
つまり、今求められているのは、昔の日本食への回帰ではなく、自然の摂理に則った「食」の復活と、本来の「おいしさ」を取り戻すことなのです。
◆◆◆本来の「おいしさ」を取り戻すには?
それらの機能を働かせるためのきっかけとなるのが、「咀嚼(そしゃく)」です。
口は食べ物が最初に通る場所でもあるため、様々な機能と連携しスイッチを入れる役割を持っているのです。
この噛むということの大切さを、現代人はどれほど知っているか。三千年ほど前にできた中国の「黄帝内経」という東洋医学の古典にも、「呼吸と咀嚼が完全になされるなら、人は百年生きることができる」と書いてある。
よく噛んでいれば、唾液の分泌が盛んになって、食べた物が口の中で十分に消化される。咀嚼によって、食物は小さく砕かれ、表面積が大きくなれば、消化酵素などが触れる部分が大きくなるから、それだけ消化しやすくなる道理である。
健康創造塾より引用
唾液には強い殺菌力があります。例えば発がん性のあるものを唾液の中に浸しておくと、発がん物質が消えてしまいます。
よく噛んで唾液を出す人ほど、抗がん作用が強く働きます。
ガン細胞も唾液につけておくと30分ほどで死んでしまうといいます。
く噛む効果 仙台やすらぎの杜整体院より引用
よく噛むことは自律神経失調症に限らず、すべての不調を改善するために非常に大切なことです。体が弱っている人ほどたくさん噛むようにしましょう。
健康な人でも、一口最低30回は噛みたいところです。
自律神経失調症と診断され、薬を飲み続けても改善しなかった全身のだるさと吐き気が、一口最低50回噛むことを実践してもらったところ、数日で症状が改善した患者さんもいます。
自律神経を安定させる 仙台やすらぎの杜整体院
「咀嚼」を意識することでは、消化機能や免疫機能だけでなく、自律神経系を十全に機能させ、ひいては身体全体を十全に機能させるきっかけとなるのではないでしょうか?
食品の質や量についての見直しだけでなく、身体の声に耳を傾け、本来備わっている機能を引き出すきっかけとなればと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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