【ヒトの心の発達をチンパンジーとの比較から捉える】科学を身近に☆NewStream
(進化系統:コチラからお借りしました。)
学力低下は0歳からはじまっているそうです。
原因は、母親にあるそうです。
今、携帯電話がはやっています。
赤ちゃんをだっこしながらメールを打つ母親が増えています。
だっこしていても、目を合わせない。話しかけない。
形だけのだっこになっているのです。
「赤ちゃんに話しかけても、言葉わかんないでしょう」
という人もいるそうです。
赤ちゃんに話しかける。
笑わせる。
コミュニケーションの基本が抜け落ちているのです。
「テロップが増えたのは聴く力が低下しているから」
人間にはコミュニケーションが欠かせません。
それは言葉の通じない赤ちゃんも同じなんです。
「特集記事:ヒトの心の発達をチンパンジーとの比較から捉える」
ヒトとチンパンジーでは同じ行為を別の“見方”で捉えている―――京都大学大学院教育学研究科の明和政子准教授らの研究で、ある目的を達成しようと物を操作している他者の行為を観察するとき、ヒトは頻繁に他者の顔に視線を向けるのに対し、チンパンジーは一貫して操作されている物に視線を向け、他者の顔をほとんど見ないことが明らかとなった。これはヒトとチンパンジーでは他者の行為の理解のしかたが異なるという新しい知見だ。
明和准教授らは、生後8カ月の乳児15人、生後12カ月の乳児14人、成人15人、チンパンジー(子ども~成人にあたる)6個体を対象に、頭や体を固定せずに視線の行方を計測できるアイ・トラッキングシステムを用い、同じ行為を動画で見せたときにどこを見ているかを調べた。
計測に使った動画の一つは“女性がジュースをボトルからコップに注ぐ”というもの。ヒトの成人とチンパンジーは、コップにジュースが注がれる0.8秒前にコップに注目しており、行為の経過を予測して視線を向けることがわかった。一方、ヒトの乳児は、行為を予測して視線を向けることはなかった。「脳神経科学の研究から“他者の行為を理解するには、自分自身がその行動ができるのが前提”というミラーニューロンシステムがあると考えられており、生後8カ月と12カ月の乳児ではジュースをコップに注ぐことができないため、行為を予測できないと推測される」と明和准教授。
(中略)
明和准教授は「ヒトは乳児のときから、顔をはじめとする行為者の心の状態を映し出す情報と、操作されている物とをよく見比べ、それらの情報を統合して行為の意味を理解する。ヒトの乳児や成人が他者の顔を見て心を推し量っているとは断言できないが、ヒトとチンパンジーでは世界をモニタリングするパターンが違うことは明らか」と解説する。
他者の行為理解のメカニズムを解明する鍵とされるミラーニューロンは、1990年代にマカクザルの脳で見つかった。その後ヒトでも、機能的核磁気共鳴画像装置(fMRI)などにより、他者の行為を観察しているときと同じ行為を自分もしているときに反応する脳領域(ミラーシステム)の存在が報告された。ミラーシステムは、他者の行為をまねする能力とも関連するという見方がある。
心理学分野では、まねる能力は、認知発達やヒト独自の文化伝播に非常に重要と考えられている。「まねは、物の使い方などを効率よく学び、次世代にその技術を忠実に伝えるのに不可欠。とくに赤ちゃんのころから他者の行為をどんどんまねることで、行為の背後にある気持ちまでも理解できるようになる」と明和准教授。
一方で、明和准教授らの研究で、チンパンジーは簡単に見える行為でもまねを正確に行うのは苦手なこともわかってきた。「サルまね」という言葉は誤りで、サルはまねしない。「サルにはミラーニューロンがあるのに、まねしないのはミステリー。サルで確認されているミラーニューロンは、つまむ、握る、つつくなど、物の操作に関連する動作がほとんど。サルのミラーニューロンは、まねることよりも、行為の目的を予測するために使われているのではないか」。そこで、チンパンジーがまねが苦手な理由を探ろうと、他者の行為を見るときの“目の付け所”を調べたら、実際に見ている部分がヒトと違うことがわかったというわけだ。
言葉を持たない赤ん坊もミラーニューロンは働いており、相手の意識を自然に掴もうとしているんです。
大人になるとつい言葉だけで会話しているような錯覚に陥ってしまいますが、実は“心の会話”もしてるんですね。
そう考えると、普段分かり合えてる相手に対しても真摯に向き合ってみると、普段と違う相手の状況や気持ちが見えてくるかもしれませんね。
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