【「遺伝子ドーピング」はオリンピック選手を変える】科学を身近に☆NewStream
旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。
今週の科学ニュースを紹介します。
(画像はコチラからお借りしました)
いよいよロンドン・オリンピックもクライマックスに近づいてきました。
なでしこの準決勝進出や体操の内村選手の28年ぶりの金メダルや、なでしこの銀メダルなど日本の選手の活躍はとても嬉しいです。
ロンドンオリンピックの熱戦が報道されていますが、
報道されない、裏の戦いもあります。
それは、 ドーピング戦です。
葉詩文(ロンドンオリンピックの競泳400m個人メドレーであらゆる記録を破り、最後の50mは男子の優勝者よりも速く泳いだ中国の16歳の女性選手)の並外れたタイムについて、遺伝子ドーピングではないかという論争や非難があったあとで、アスリートたちの遺伝子改変というテーマがいまによみがえっている。そして、長い間続く懸念がある。
遺伝子ドーピング万歳!より
実は、遺伝子ドーピングは世界アンチドーピング機関:World Anti-Doping Agencyによって、ほかの不正な方法と同様に禁止されているが、将来規則となる可能性があるらしいのです。
一般に、ドーピングとは薬物を投与し一時的に身体機能を上昇させることを指しますが、
『遺伝子ドーピング』はどう違うのでしょうか?
「遺伝子ドーピング」はオリンピック選手を変えるより引用
筋肉の成長と修復は体内の生化学分子によって調節されており,その分子は遺伝子によってコントロールされている。代表的な筋ジストロフィー症であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーは遺伝子変異によってジストロフィンというタンパク質ができなくなるのが原因だ。また,筋肉の再生過程ではインスリン様成長因子1(IGF-1)という物質が細胞分裂を活発化させ,ミオスタチンという別の調節因子は増殖を抑制している。
人工の遺伝子を導入してこれらの分子を増やしたり阻害したりすれば,加齢や病気で失われた筋肉を復元できる。米国ではジストロフィンの遺伝子を導入する遺伝子治療の臨床試験がすでに計画されている。
同様の手法を運動選手が使うと,筋肉を増やし,筋力や回復力を高められるだろう。導入遺伝子が作り出したタンパク質は筋肉組織の中だけに生じ,血液や尿には出てこない。また,もともと人体の中にあった天然タンパク質とまったく同じなので,区別できない。このため薬物利用と違って検出困難で,証拠が残らない。
この遺伝子操作技術を使えば、例えば、マラソンに適した身体にしたいと思えば、遺伝子を組み込むということが簡単に出来てしまうのです。これが遺伝子ドーピングです。
遺伝子ドーピングが技術的に可能になったとして、それは果たして近代医療は本当の意味で進歩しているのでしょうか?
ドーピングの問題は目先の効果は上がる一方、その副作用が短期・長期的に発生していることも忘れてはなりません。ましてや、遺伝子自体を変えてしまえばその影響は、子や孫の世代までの影響がでてくることも十分予想されます。
ドーピング問題の本質は、目先的な治療しか追求できない近代医療の問題なのです。
ドーピング戦が生まれる背景には、このような目先的な治療ばかりを追い求める医療業界があるのです。選手はその実験台にされているとも言えるのです。
本来、生物は外部世界に対する適応態として存在していることを忘れてはいけません。人間がこれまで環境の中で獲得してきた生命力や機能に根ざし、自然の摂理に則った方向に舵を取っていく必要があるのです。
【参考投稿】
要素還元的科学信仰からの脱却 2・・「科学と医学」
近代医療の枠内では、がんは治らない
これからの医療に必要な認識とは…
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