2013-04-09

【ブラックホールが銀河を生む?米国天文学会で新報告】科学を身近に☆NewStream

旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。
今週の科学ニュースを紹介します。
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銀河ってどうやって出来るか知っていますか?
超質量を持つ天体、つまり「ブラックホール」が周囲のガスや塵を引き寄せて、銀河を生み出しているという説が、米国天文学会で発表されました。
以下LivedoorNEWS(リンク)より引用します。

ほぼすべての銀河の中心部には、あらゆる物を飲み込む超巨大質量のブラックホールが潜んでいる。そして、新たな研究によると、銀河を生み出したのはこのブラックホールである可能性があるという。これこそが、長年にわたる天文学上の「ニワトリが先か卵が先か」の議論に対する答えとなるかもしれない。
[数多くの銀河の中心部に、太陽の数百万倍から数十億倍という大質量のブラックホールが存在することは、1990年代から確認されている]

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今回の研究で、天文学者らは数々の銀河を観測してその内部に渦を巻くガスの動きを測定することで、銀河とその内部にあるブラックホールの質量の計測に成功した。その結果、ブラックホールの規模と、その銀河で中心部に形成される星々とガスの膨らみ(銀河バルジ)の規模とには、概して直接的な関係があることが判明した。ブラックホールの質量は通常、銀河バルジの質量のおよそ1000分の1になるという。
[渦巻銀河や棒渦巻銀河は、横から見たときに凸レンズ状だが、その中央部のもりあがりを銀河バルジと呼ぶ。銀河中心部に超巨大質量のブラックホールがあり、その重力により星が集まっていると考えられている]
しかし、はるか遠くにあり、従って宇宙の歴史における比較的初期の段階を見せている銀河に目を向けたところ(遠いものほど、対象が発する光が地球に到達するまで時間がかかるので、より昔の銀河の姿なのだ)、驚くべきパターンが発見された。
こうした銀河では、ブラックホールと銀河との間に、通常の質量の割合が保たれていなかった。最も遠くに位置する銀河(つまり発達の最初期の段階を見せているもの)では、予測される比率よりもブラックホールの質量がかなり大きかったのだ。
ビッグバンから8億7000万年以内に同時発生した、超巨大質量のブラックホールと巨大楕円銀河。
米国国立電波天文台(NRAO)の天文学者Chris Carilli氏は1月7日(米国時間)、カリフォルニア州ロングビーチで開催された米国天文学会(ASS)の会議の中で報告を行ない、「最も単純な結論は、まず最初にブラックホールが生じ、そのブラックホールが何らかの形で周辺に銀河を成長させるというものだ」と語った。
これが本当だとした場合、ブラックホールと銀河はなぜそこまで関係があるのか、ブラックホールは銀河をどのように成長させるのかという問題について、重大な疑問がいくつも出てくる。
同じくこの研究に関わったカリフォルニア工科大学の天文学者Dominik Riechers氏は、プレスリリースの中で「どのようなメカニズムが働いているのか、また、プロセスのある時点において質量がなぜ『標準的な』割合で安定するのかはわからない」と述べている。
ブラックホール周辺の強力な恒星風と宇宙ジェットが、星の形成を後押しして銀河の成長を誘発する、と理論づける向きもある。一方で、ブラックホール周辺の過酷な環境は、安定した星の形成を促すにはあまりに無秩序だという考え方もある。

【ポイント】
地球から最も遠い銀河では、銀河全体に占めるブラックホールの質量割合は高く、成熟した銀河では、塵やガスが多く集まっており、ブラックホールの質量割合が低い。つまり、ブラックホールが宇宙空間の塵やガスを引力により集結させ、銀河を生み、成長させているのでは?という仮説に至っている。

 
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List    投稿者 daichi | 2013-04-09 | Posted in W.科学NewStreamNo Comments » 

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