2014-12-02

【微生物と水素で発電効率アップ!?】科学を身近に☆NewStream

140311_hydrogen_thumb1-150x150旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。

今週の科学ニュースを紹介します。

 

 

最近注目を浴びている 再生エネルギー技術の水素発電 ですが、この技術と微生物の触媒反応を組み合わせることで、効率的な発電が行えることがわかったそうです

微生物の可能性については、これまでシリーズ記事でも追求中ですが、放射能除去の可能性だけでなく、水素発電技術とのコラボレーションで新エネルギーとしての可能性も見えてきましたね!

以下、

水素の分解・合成酵素の反応を制御するスイッチの機構を解明~燃料電池のエネルギー源や水素を添加する化合物の生産への利用に期待~

より引用。

 

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奈良先端科学技術大学院大学(学長:小笠原直毅)物質創成科学研究科の超分子集合体科学研究室廣田俊教授と太虎林特任助教の研究グループ、兵庫県立大学(学長:清原正義)生命理学研究科の樋口芳樹教授、及び科学技術振興機構(理事長:中村道治)CRESTの共同研究グループは、水素分子の分解反応や水素分子をつくりだす合成反応を可逆的に触媒する酵素(ニッケル-鉄ヒドロゲナーゼ、図1)について、この酵素に含まれる「鉄硫黄クラス初めて明らかにした(図2、3)。

 

図2この酵素による水素分子の分解・合成反応は、現在燃料電池等に利用されている白金等の希少金属触媒と比べて高効率で行われており、今回の成果は、新規の燃料電池や水素合成触媒の開発につながる研究と期待されている。ヒドロゲナーゼは、微生物が有する酵素で水素分子の分解・合成を司る。ヒドロゲナーゼはその活性部位の金属錯体の構成金属の違いから3種類に分類され、それぞれニッケル-鉄ヒドロゲナーゼ、鉄-鉄ヒドロゲナーゼ、鉄ヒドロゲナーゼとよばれる。このうちニッケル-鉄ヒドロゲナーゼは、最もよく研究されてきた酵素で、大小2つのタンパク質(サブユニット)からなり、ニッケル-鉄活性部位は大きなサブユニット中にある。触媒反応が起こる時、水素分子の分解・合成によりこのニッケル-鉄活性部位の配位構造は3つの状態をとる(図3)。また、触媒反応に関わる電子は小さなサブユニットにある3つの鉄硫黄クラスターを通って外部のタンパク質分子とやりとりされる(図1)。この酵素に光を照射すると、ニッケル-鉄活性部位は3つの状態とは異なる新たな状態になることが知られていたが、その状態が触媒反応において意味を持つのかは謎であった。

 

図3廣田教授らは、フーリエ変換赤外吸収分光法という分子構造を調べる方法を用い、光照射で生じる状態が触媒反応の中間体であることを突き止めた。さらに、3つの鉄硫黄クラスターのうちニッケル-鉄活性部位に最も近いクラスターの電子状態を調べた結果、そのクラスターが還元されている時は触媒反応が進まず、酸化されている時だけ進むことを見出した(図2)。つまり、活性部位に最も近い鉄硫黄クラスターがスイッチ役になってヒドロゲナーゼの反応を制御していることを明らかにした。

 

この成果は、10月9日(木)にオンライン発行されたドイツの「Angewandte Chemie International Edition(アンゲバンテ・ケミー・インターナショナル・エディション」に掲載されました。

 

図4水素分子は究極のクリーンエネルギーとして、その利用に向けた基礎および応用研究が急がれてきた。微生物由来であるヒドロゲナーゼは、水素分子の分解・合成反応を常温常圧で触媒することから、その分子システムの理解はバイオ電池およびその活性部位を模倣した新規の水素合成触媒や人工燃料電池の開発につながると期待されている。ヒドロゲナーゼの高効率な触媒反応のしくみを理解するためには、酵素のニッケル-鉄活性部位で起こる反応機構の解明が不可欠である。これまでの様々な研究により、水素分子の分解・合成が行われるニッケル-鉄活性部位の情報は蓄積されてきたが、反応により供給・放出される電子を伝達する鉄硫黄クラスターが酵素活性に及ぼす影響については詳しく調べられてこなかった。

 

本研究により、3つの鉄硫黄クラスターのうち、ニッケル-鉄活性部位の最も近くにある「近位の鉄硫黄クラスター」が触媒反応を進める時のスイッチ役となり、このクラスターの酸化状態によりヒドロゲナーゼの活性が制御されることが明らかとなった。本研究は、新規の水素合成触媒や燃料電池の開発につながる研究と期待されている。
 

以上、引用終わり

 

低エネルギーでかつ、常温常圧で行える微生物利用の新エネルギー技術が今後飛躍的に高度化するかもしれませんね!

 

 

 

 

 

 

 

 

List    投稿者 tutinori-g | 2014-12-02 | Posted in W.科学NewStream1 Comment » 

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コメント1件

 石田昭 | 2014.12.10 11:57

「地震爆発論学会」の講演会をご案内させていただきます。
日 時/平成26年12月15日(月) 午後2時開演
      開場午後1時30分 終演:午後3時30分
会 場/東京都港区虎ノ門2-3-22 第一秋山ビル4階
演 題/「地震学と火山学の間違い」
参加費/無料

ありがとうございます。

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