もっと科学を身近に☆NewStream 「食」を考える5~自然界から生まれた発酵食品-味噌-
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前回(リンク)は『白砂糖抜き実験』を実際に行い、その影響を調べました。
結果、人工的に作られた白砂糖は人体への影響があることが分かり、自然食の大切さを再確認できました。
今回はそんな自然食の中でも、最近再び注目を浴びている【発酵食品】に着目してみました!
☆☆☆【発酵食品】とはなにか?
カビや酵母などの微生物の働きを利用したもので、身体の免疫力を高めるといわれており、私達の健康維持のためには欠かせないものとなっています。
この発酵食品には、有名なところで、ヨーグルト、チーズ、納豆、キムチ、醤油、味噌などがあります。さらに、日本酒、焼酎、ビール、ワイン、パン、鰹節、ぬか漬け、たくあんなども製造の過程で利用された微生物がカビなのか、細菌なのか、酵母菌なのかの違いがあるだけで、これらも発酵食品ということは実はあまり知られていないようです。
一言に【発酵食品】と言っても、こんなにもたくさんの種類があるのですね!
お酒や鰹節も発酵食品だなんて、意外と忘れ去られがちです。
この、たくさんある【発酵食品】ですが、中でも、日本人が古くから食べ続けてきた【味噌】に焦点をあてていきましょう 😀
(画像はこちらからお借りしました。)
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まずは、「そもそも、どんな効果があるの?」から、味噌の力について見てみましょう!
☆☆☆ 味噌の効果
現在、科学的に分かっているものから、そうでない(統計学的に分かっている)ものまで、次のような効果があることが発見されています。
1. がんのリスクを下げる
●1日3杯以上の味噌汁で乳がんの発生率が40%も減少
●大腸がんの前がん病変を抑える完熟味噌の効果
●味噌の塩分は胃がんを促進しない
●「毎日味噌汁を飲む人にがんが少ない」理由
●喫煙者が毎日味噌汁を食べると死亡率は低下する。
2.生活習慣病のリスクを下げる
●みそは脳卒中、痴呆症、心臓疾患などの発症を低下させる
●味噌汁のある食事パターンが骨粗鬆症に効果
●大豆はコレステロールを抑制する7成分がある
●糖尿病の改善やがんへの効果が期待される、みその褐色色素
●味噌は大豆エネルギーの人でも食べられる天然の「脱アレルゲン食品」
●優れた大豆油の摂取はみそ汁と一緒が効果的
3.老化を防止
●味噌の原料「大豆成分」が脳卒中の発症を押さえ、長寿に貢献する
●発酵によって、みそに老化制御機能が生まれる
●みそは熟成過程で抗酸化力を高める物質が生まれる
●みそのサポニンが老化の原因となる活性酸素を消去
(参考:味噌知り博士のQ&A50より)
こんなにも体によいとされている味噌ですが、どうしてこれらの効果をもたらすのでしょうか?
みその働きについて見てみましょう☆
☆☆人体と活性酸素
人間を含む呼吸によって生命を維持している生き物の多くは、呼吸によって得た酸素を絶えず消費しています。
そして、その酸素の一部は、代謝過程において「活性酸素」に変化します。発生した活性酸素は様々な物質に対して化学反応をもたらし、細胞に損傷を与えるなどの有害性を持っています。
それを防ぐために、各組織には抗酸化酵素と呼ばれる活性酸素を消去・除去する酵素が存在します。
しかし、細胞内の酵素で分解しきれない余分な活性酸素は、ガンや生活習慣病、老化促進など、種々の病気の原因であることが分かってきています。
もともと人間の体には「活性酸素」を消去・除去する働きが備わっているのですが、味噌はそれを助ける役目をしてくれているのです!
最近の研究により、味噌に抗酸化酵素が多く含まれていることが実験によって実証されてもいます。
☆☆味噌の抗酸化作用
タケヤみそ みそ健康レポートから引用
活性酸素の一種、ペルオキシラジカルが増加する環境の中にみそを入れて、活性酸素がどれだけ増加するかをみた実験結果です。何も入れないものは、活性酸素が急激に増加していますが、みそを入れることによって、活性酸素の増加が抑えられていることがわかります。
ここでは市販のみそ(塩分約12%)と、塩分を約6%にしたみその両方について実験が行われましたが、どちらのみそについても活性酸素消去効果が見られます。塩分の低いみその方が、通常のみそよりも高い効果が現れていますが、これは食塩が活性酸素消去機能を阻害するためと考えられています。
また、ここには示されていませんが、熟成されたものの方が、未熟成のものよりもこの効果が大きいという結果が得られています。このことは、活性酸素を消去する力が、みその原料である大豆の成分によるものだけではなく、発酵・熟成されることによってより高まっていることを意味しています。
なんと、発酵食品は発酵・熟成された方が効果が高まるんですね!!
さらに、味噌には対放射能効果もあるとの事例報告が上がっています。
るいネット『放射能汚染から身を守る為の知恵~塩、味噌が身を守る!』より引用
実は、長崎に原爆が投下されたとき、爆心地から、ほんの1.8kmの場所で、その建物の中にいた全員がひどく被爆したのにも関わらず、彼らに、その後、その被爆による原爆症が出ず、命が奇跡的に助かったという事実があります。彼らは、原爆が落ちたときに、ある医師の指示で、とっさに、体に対して、あるガードをしたのですが、いったい、どういうことをしたと思いますか?
(中略)
博士は焼けただれて痛がる人々に、「水を飲んではいかんぞ!」と大声でどなった。おそらく直観的に、血液の濃度を保ち、血液を水でうすめることなくガードしようとしたのだろう。((注)たしかに戦地で、傷の深い重傷の兵士に水を飲ませると、すぐに死んでしまうという記録がある )
さらに博士は、次のように職員に命令したという。
「爆弾をうけた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩をつけてにぎるんだ。塩からい味噌汁をつくって毎日食べさせろ。そして、甘いものを避けろ。砂糖は絶対にいかんぞ」
「放射線宿酔」と呼ばれる。レントゲンを受けたあとに起こることがある全身の倦怠や筒宇などの症状には、体験上、生理食塩水より少し多めの塩分を含んだ水を飲むとよいということをとっさに思い出し、原爆の放射能から体をガードするには、塩が有効であることを推理したのだ。「味噌汁」の具は、「かぼちゃ」であった。のちに「わかめの味噌汁」も多くとったらしい。砂糖を禁じたのは、砂糖は造血細胞に対する毒素であり、塩のナトリウムイオンは造血細胞に活力を与えるという、彼自身の食養医学によってである。
なぜ味噌が放射能汚染から身を守るのかは、次の投稿が参考になります。
るいネット『自然の摂理に則って体の機能を引き出せば放射線障害もガンも治る1』より引用
例えば、放射線が水分子にあたると、電子を弾き飛ばして単体電子と正に帯電した分子ができたりします。これを電離といいます。このような分子は化学的に不安定になって、他の物質を分解したり、周囲の水と反応して過酸化水素などの『活性酸素』を含んだ物質を作り出したりします。
この活性酸素は、DNAが複製できなくなるような、切断や癒着を起こし、細胞の正常な再生を阻害します。その結果、細胞は死んでしまったり、間違った複製を行うガンになったりします。このような理由で、放射線障害では白血病(血液のガン)やガンが多いのです。
つまりガンも放射線障害も、人体破壊のメカニズムとしては同じものだといえます。
放射線障害にしてもガンなどの病気にしても、その原因となるのは「活性酸素」。
そして、それを消去する働きを助けるのが「味噌」!! 😮
ではつぎに、そんな優秀な働きをする【味噌】がどのようにして作られるかを、発酵の過程にまで遡って見ていきましょう!
☆☆☆発酵ってどういうこと?
発酵させる前の大豆や塩と、発酵させてでき上がった醤油や味噌が同じもののはずはなく、風味、栄養とも別なものに変化しています。
発酵の働きは大きくは二つあって、有機物を体に吸収しやすいものとして分解することと、さらに分解だけではなくて新しく体に有益なものを作るということもします。
酵母、細菌、かび類の微生物が出す酵素の働きにより、食品がアルコール類、有機酸類、炭酸ガスなどを生じ、食品に複雑な旨みが与えられ、独特の風味が増加します。発酵食品の旨みは、食材を発酵させる微生物が食材の成分を分解し、それをさらに際立たせることで生まれます。
例えば、味噌の旨みは発酵の過程で大豆のたんぱく質がアミノ酸やペプチドに変わり、でんぷんは麹菌中のアミラーゼによって甘味成分のブドウ糖に変わることで生み出されています。
抗酸化作用が強くなるのも、この微生物が出す酵素の働きが深く関係しています。食品中に含まれる抗酸化物質(ビタミンC,カロチン,カテキン,フラボノイド などの低分子物質)は、生の状態では細胞内に強く結合しているため、十分な働きができませんが、発酵過程で酵素が働くことにより、この結合がとれて効率よく抽出され、非常に強い抗酸化作用を持つようになると言われています。
さらに、発酵食品と味噌の歴史を辿ることで、私たちと発酵食品の関係について見てみましょう!
☆☆発酵食品の歴史
発酵食品の起源は諸説ありますが、もっとも一般的なのが、遊牧民の話です。今から4000年前とも6000年前ともいわれるその昔、遊牧民がミルクを持って旅をしていました。
ある日、そのミルクを飲もうと水筒を開けたところ、なかは透明の液体と白い固まりに。しかし、その中身を少しなめてみたところ、酸味があり、独特のおいしさだったようです。
これが、発酵食品の起源とされていますが、7000年前のイランでワインをつくった証拠が確認されていることや、8000年前にはコーカサス地方でワインがあったなどの説もあるため、定かではありません。ただ、かなりの昔から発酵食品があったことはまちがいないようです。
☆☆味噌の歴史
日本でも、縄文・弥生時代より発酵を利用した、干物やなれずしが作られていたようで、遣唐使が奈良・平安時代に中国に渡り、味噌、酢、酒、醤、漬物の始まりを日本にもたらしたとされています。
平安時代には、味噌は高級官僚の月給として支給され、平安貴族の食卓にのぼっても、庶民の口にはなかなか入らない贅沢品でした。
鎌倉時代になると、「粒味噌」をすりつぶした「すり味噌」が造られ、水に溶けやすいので、味噌汁として食されるようになりました。
室町時代にもなると、大豆・稗・粟栽培の奨励策に伴い、大豆の生産が増え、味噌の自家醸造が始まりました。今に伝わる味噌料理のほとんどが、この時代に造られ始めました。
そして戦国時代は、戦国武将の戦陣食として、米とお味噌は欠かせない存在でした。
武田信玄が信州みその基盤を作り、伊達政宗の奨励した仙台みそは、いまに至るまで造り続けられています。栄養豊富なみそが強い勢力を育み、よい「手前みそ」をもつ者が力を発揮したことがこれにより伺えます。また、軍隊の移動に伴って、みそ醸造に関する知識や情報の交換も行われたと思われます。
平均寿命が37、8だった時代に75歳の長寿を保った徳川家康は、「五菜三根」のみそ汁を食べたといわれています。
☆☆☆まとめ
みそ・醤油・納豆など、日本人は大昔から発酵食品を作り、食べていたことがわかりました。
最近、再び発酵食品が注目を浴びはじめたのにも、人工物質ばかりの食生活にさらされ自然界から生まれた食品の良さを忘れていた私たちの体ですが、やはり本来摂るべき自然のものが一番健康に有用で、体自身もそれを求めているからかもしれません。 🙂
自然界から生まれた、体にいい発酵食品。
毎日の食事にバランスよく発酵食品を取り入れて、日本人の体にあった和食中心の食生活を心がけていきたいですね。
(画像はこちらからお借りしました)
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