2013-01-02

もっと科学を身近に☆NewStream 「食」を考える3~「母なる海」だから取れる「本物の塩」とは

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旬の話題から自然の摂理が学べる!もっと科学を身近に☆NewStreamです。
前回の記事では、「人工物質まみれの食」と「自然食」の違いについて明らかにしました。
その最たる例が「塩」なのです。
では、私たちに必要な塩とは?
そもそもなぜ私たちに塩分が必要なのでしょうか。
また、どうしたら体にとって本当に必要なものを摂取することができるのでしょうか。
今回は食生活に欠かせない『塩』を追求したいと思います 🙂
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◆◆◆陸に上がった今でも切れない『海』との関係
まず、塩の源である『海』
生物が生まれた『海』に、塩の力との大きな関係がありそうです。
【地球のしくみ】13~原始から一貫して、生命は「海=鉱物が溶け込んだ水中」で誕生し、育まれてきたより~

・最初の生命は海で誕生した。
・海から淡水へと生息環境を移した生物が取った適応戦略は、カルシウムやリンなどの鉱物を体内(骨)に貯め込み、貴重な鉱物を失わないように機能進化すること。
・陸上へと生息環境を移した生物が取った適応戦略は、受精卵を丈夫な羊膜や殻で保護し、その中を海水成分に近い羊水で満たすこと。

この記事から、生命誕生、そして陸上生物になる過程でも海水は欠かせなかったことが分かりました。
まずこの重要な「海水」について調べてみます☆
●海水の組成

こちらよりお借りしました。
海水に含まれているミネラルの組成
なんと上の表の水色部分の85種類もあります!
その中で、大きな比率としては以下の4種類です。

こちらよりお借りしました。
比率で見ると
●海水
ナトリウム:マグネシウム:カルシウム:カリウム
=83:11:3:3
この組成は、人間の体液にも近いことが表からも分かります。
●羊水
ナトリウム:マグネシウム:カルシウム:カリウム
=89:1:5:5
●血漿
ナトリウム:マグネシウム:カルシウム:カリウム
=93:0.5:1:5
少しずれがあるのは、体液は生命が誕生した時の海水の成分に近いそうです
今の海水の成分は、生命が誕生した時より濃くなっているんですね。
そして海水は、大半のナトリウムだけでなく、微元素までが体液と近いのが分かります。

こちらよりお借りしました。
では、実際海水から作っているとされている『塩』はどうなのでしょうか。
◆◆◆天然塩=“良い”ではない。本当に必要な『塩』とは?
「ミネラルたっぷりの自然塩!」や「健康に良い○○産の天然岩塩!」のように世の中にはたくさんの商品が出回っています。天然・自然・ミネラルたっぷり・・・たくさんの謳い文句が並んでいます。
では、塩というものはどういう種類があって、どういう風に作られているのでしょうか?また、どのように定義されているのでしょうか?
塩の定義は以下のようになっており、種類は作り方に因る様です。
「塩のウンチク (塩なら何でもいいと思ってはいませんか?)」より~

■天然塩
1)天日塩
2)平釜塩(天日塩を海水で溶解後、平釜で煮詰める)
3)岩塩、湖塩(岩塩は化石になるでの長い時間の間に微量ミネラルが失われてしまい、自然塩のように海水の成分がそのまま残っているわけではない)
■再生塩
4)再生自然塩(メキシコ、オーストラリアから輸入した天日塩をミネラル豊富な地下水で溶かしたり、中国産二ガリを添加して再生した塩)
■精製塩
5)天日塩を、海水を濃くした塩水で洗い、微量ミネラルを取り除いた後溶解され真空蒸発缶という装置で結晶される99%以上塩化ナトリウムは、原料は天日塩だが“精製”という化学的製法を経て、もはや天日塩ではなく“精製塩。
「精製塩」とは、塩の専売法の規制が撤廃されたのが1997年の4月。それまで塩の自由な製造・輸入・販売が禁止されていて、流通されていたのは殆どが精製塩でした。これは天日塩をイオン交換樹脂膜電気透析法(イオン交換膜法)により化学的に作られた塩。つまり本来当然入っているべき人間にとって必須なミネラル分(カリウム、カルシウム、マグネシウム等)が殆ど取り除かれた塩化ナトリウム(Nacl)が99.5%以上の塩のことを指します。
「天然塩」は、“岩塩”はその名の通り岩の形状、濃い塩水状のもの、やわらかい結晶状のもの等様々なものがあります が化石になるまでの長期間で大切なミネラル分の大半が失われてしまっています。
それに比べ、“完全天日塩”は海水を汲み上げ、太陽と風と人力を利用した昔ながらの製法(徐々に濃度が濃くなるのを待つ完全天日)で出来た結晶なのです。この塩の結晶には、人間の体液の組成元素に近いといわれる海水の微量ミネラルがふんだんに含まれているのです。だから身体にいい塩であることは間違い無く、しかも本当に“美味しい”塩と言えるのです。

天然塩とは「天日塩・平釜塩・岩塩」のことを言い、その中でも天日塩と平釜塩は海水の栄養分をそのまま残すこととなります。
しかし、岩塩は自然環境で出来る塩ですがミネラル等はほとんど残っていません
何故岩塩は塩化ナトリウム単一になってしまうのでしょうか。
岩塩って、ミネラル分が豊富?より~

岩塩層は世界各地にありますが、岩塩のでき方は、太古の昔に元来海だったところが地殻変動などによって地上に隆起してそして地下に埋もれて、それこそ数万年もの長い年月をかけて結晶化されてできた塩です。
御存じのように、塩は長時間かけて結晶化されると不純物である様々なミネラル分を排除する特性があります。すなわち、NaClの純度が非常に高くなるのですね。
※海水を塩田で濃縮すると、Naclと各ミネラル分は別々の層にわかれて結晶化してしまいます。
1:硫酸カルシウム 2:塩化ナトリウム(Nacl) 3:硫酸マグネシウム 4:塩化カリウム 
5:塩化マグネシウム などの順番で結晶化するのです。決して混ざって結晶化しないとところがミネラル分豊富な海水塩にならない、難しいところです。
岩塩は、純粋な塩化ナトリウムだけの地層で千数百メートルにもなるものがあります。
また、各種のミネラル分も各地層になっていますから、数十種類にも及ぶミネラル分をバランス良く採掘することなど、とうてい不可能なことです。

人工塩だけでなく、同じ天然塩でも純度が高くなってしまう「岩塩」にはミネラルがほとんど含まれていない。微量な成分も落とさない「天日塩・平釜塩」はミネラルが多分に残り、海水=体液の組成に近いんですね。
しかし、人体と海水の組成が似ているからと言っても“塩の取りすぎは体に悪い”と言われています。
それについて興味深い記事を発見したので紹介します。
根拠のない『高血圧=“塩”犯人説』は嘘!⇒年をとったら血圧は高くてもよい!より~

【血圧と塩分は関係がない】
■塩は重要なミネラル源
天然の塩は大切なミネラル(微量元素)の源です。人は体内に海と同じ組成をもっています。ですから海の塩は必要な栄養です。岩塩も海が起源ですから同じです。
塩が不足するとミネラルが足りなくなって健康を害します。これは乳児のアトピーにも言えることで、母乳で育てているお母さんがしっかりと塩分をとることで、赤ちゃんの皮膚が良くなるケースが多々あります。
※【ただしJTの塩】は極端に精製されていてナトリウムが99.99%ですから健康によくありません。【みそや醤油も天然塩】で作ったものを選ぶ知恵が必要です。
■減塩しても意味がない
血圧を下げるために「塩分を控えめに」、と言われていますが、それは間違いです。塩分摂取と血圧との間にはほとんど関係がないことは、とっくの昔に科学的に決着がついています。
そもそもここまで述べてきたように、血圧を無理矢理下げること自体がナンセンスなのですから、塩の摂取量などいちいち気にすることもありません。
※ただし、塩分の取りすぎは胃ガンを起こします。昔は冷蔵設備がなく食べ物は【塩漬けにされていて、世界中で胃ガンが多かった】のですが、冷蔵設備の普及で塩分摂取が減り、世界的に胃ガンは減少しました。
■体内の塩分濃度は一定
体内の塩分濃度は約1%で一定です。これが狂うとイオンで動いている心臓が止まります。体内の塩分量は、水分が70%として体重60キロの人は、 60kgx0.7x0.01=420gの塩分があります。ペットボトル1本分くらいあるわけです。減塩を主張する人は、1日に10gまで摂取するのはよい が、12g(現在の日本人の摂取量と言われている)では多すぎると言っています。しかし体内に420gも塩分があるのに、たった2gの差などいちいち気に する方がどうかしています。
塩分をとりすぎると、人は自然にノドが乾いて水を飲み、過剰の塩分は尿として排泄されます。砂糖や油は体に貯まりますが、塩は体に貯められないのです。
■猛暑の夏は梅干しが売り切れ
塩分不足で熱中症になると言われて、猛暑の夏に梅干しが売り切れたそうです。建設現場で働く人やスポーツ選手は塩分が必要です。
ちょっとジョギングしても塩分は失われます。
減塩論者は、猛暑の夏でも建設現場でも、
「梅干しは良くない」「10g以下にしろ」と言うのでしょうか。
ふつうに味付けしておいしければそれでいいのです。
それ以上の減塩には意味はありません。
■ナトリウムとカリウムのバランスが大切
人の体は脳も神経も心臓も電気仕掛けで動いています。ですからイオンのバランスが大切です。特にナトリウムとカリウムのバランスが大切です。ナトリウムは塩に、カリウムは野菜に含まれています。ですから野菜に塩をかけるのは合理的です。いい塩梅とはそのことです。
西欧人は肉を多く食べます。肉には血があり血には塩があります。
日本人は野菜や穀物を食べ、肉食が少ないので、日本食は自然に西欧人よりも塩を多く入れるようになっています。

摂りすぎを気にするよりも、人体にとって欠かせない海水に含まれる微量なミネラルをしっかりと摂取することが重要だったんですね。
如何だったでしょうか。
調味料として非常に身近にある塩。
ただ味を付けるためでなく、人体と深い関係を持った海水から作られていることをもう一度認識して、『本物の塩』を摂っていきたいですね。
次回のブログは、調味料としてもう一つ大きな片翼を担う砂糖の正体に迫りつつ、面白い実験をしていきます 😉
お楽しみに!

List    投稿者 staff | 2013-01-02 | Posted in W.科学NewStreamNo Comments » 

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