2013-12-03

【音楽の効用!「音楽と人間」の研究】科学を身近に☆NewStream

旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。
今週の科学ニュースを紹介します。

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“音楽”が私たちの脳やカラダに及ぼす影響については、今までほとんどわかっていませんでした。音楽は私たちの生活の中で大きな役割を担っていて、気がつかない間に、カラダや脳はさまざまな反応を見せているようなのです。

■音楽と脳の関係

耳に入った音楽は、脳のさまざまな領域で処理されます。脳がどの程度まで関わっているのかは、1990年代初めに脳機能イメージングが実用化されるまで、ほとんど分かっていませんでした。音楽の処理に関わる主な領域は以下のとおりです。

脳梁     :左右の大脳半球をつなぎます。
運動野    :カラダを動かす時、足踏みする時、踊る時、楽器を弾く時に使われます。
前頭前皮質 :予測を行い、予測の当たり外れを判断します。
側坐核    :音楽に対する感情的な反応に関わります。
扁桃体    :音楽に対する感情的な反応に関わります。
感覚野    :楽器の演奏や踊りの際に、触覚フィードバックをもたらします。
聴覚野    :音を聴く最初の段階の処理を行います。音色を受け取り、分析します。
海馬     :音楽や音楽的な体験、コンテクストを記憶します。
視覚野    :楽譜を読んだり、演奏者や自分の動きを確認したりする時に使われます。
小脳     :足踏み、踊り、楽器の演奏などのカラダの動きに関係します。また、音楽に対する感情的な反応にも関わっています。

1993年、米カリフォルニア大学の科学者らが、モーツァルトの音楽を聞いた学生は、リラクゼーションやトランスミュージックなどその他の音楽を聞いた学生より、空間に関するIQテストで高い成績を収めた(「モーツァルト効果」と命名されている)と報じたことをきっかけに、その後世界中の科学者たちが同様な効果に言及しています。※リンク

その他にも、音楽がもたらす様々な効用を研究した記事をご紹介します。

以下、ライフハッカーより抜粋、引用(一部中略)します。

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■「適度なノイズ」で創造力がアップ

創造力を使う仕事に一番適しているのは、適度なレベルのノイズがある環境だそうです。ノイズレベルが高すぎると、気が散って良くないのですが、雑音がほとんどない場所よりも、適度なアンビエントノイズがある場所のほうが、創造力を発揮しやすいのです。

これはどういう仕組みかというと、適度なレベルのノイズには作業の難易度をアップさせる作用があるため、これが抽象的な思考を促し、ひいては創造力の向上につながるそうです。言い換えれば、私たちは、通常よりも解決に手間取ると(ほどよい程度である必要はありますが)、より創造力を働かせたアプローチを試す気持ちになる、というわけです。

■楽器を習うと運動能力と推理力の向上につながる

131129brain_nusic03.jpg楽器を習わせると子どもの教育によい効果があるというのはほぼ定説ですが、実はみなさんが思っている以上のメリットがあるのです。ある研究では、3年以上楽器を習った子どもは、全く楽器を習った経験がない子どもと比べて、音の識別能力や細かい動作といった技能が優れているとの結果が出ています。

楽器を習った子どもは、語彙の数でも、言葉を使わない推理力テストでも、習っていない子どもを上回りました。後者は、目で見た情報を理解し分析する能力を判定するもので、さまざまな形やパターンの間の関係や類似性、違いを見つけ出すというテストでした。これらの能力は、音楽教育とはまるで関係がないように見えるだけに、楽器を学ぶことが幅広く重要な能力の発達に役立っているというのは、面白い結果ですね。

■クラシック音楽を聴くと、視覚の注意力も上がる

楽器を習ったり、音楽を聴いたりすることからメリットを得られるのは子どもに限りません。脳卒中の患者を対象にしたある小規模な研究によると、クラシック音楽を聴いている時に被験者の視覚的注意力が向上したとのことです。

この研究では、ホワイトノイズを流した状態と無音状態でも実験を行い、結果を比較しました。先ほど触れたアンビエントノイズの研究と同様に、一番スコアが悪かったのは無音状態での実験でした。この研究は実験の規模がとても小さいため、結論については今後の検証が必要と言えます。だとしても、音楽やノイズが、聴覚以外の感覚や能力(この場合は視覚ですね)に影響を及ぼすというのは、とても興味深い話ではないでしょうか。

■音楽はエクササイズの効果を高める

運動中の音楽の効果に関しては、かなり昔から研究例があります。1911年にアメリカ人研究者のLeonard Ayres氏が行った実験でも、無音状態より音楽を聴きながらのほうが、自転車に乗る人のペダルを漕ぐスピードが速くなったとされています。

その仕組みは、音楽を聴くことで、脳からの疲労に関するSOSがかき消されるためだと考えられています。人間のカラダは、疲労を感じて運動をやめたくなると、脳に「休みたい」と信号を送ります。けれども音楽を聴いていると、脳の注意がそれるため、こうした疲労のシグナルが見過ごされがちになるというのです。

もっとも、音楽が効果を発揮するのは、主に運動強度が軽~中程度のエクササイズです。負荷が高いエクササイズの場合は、運動のつらさが勝ってしまうため、音楽で脳の注意をそらせるのは難しいそうです。

さらに、音楽を聴いていると運動のつらさを乗り切り、より長くハードな運動にも耐えられるだけでなく、エネルギー効率もアップするという実験結果もあります。2012年の研究によると、音楽を聴きながら自転車のペダルを漕いだ人は、無音状態で同じ運動を行った人に比べて、酸素消費量が7%少なかったそうです。

最近の研究によると、エクササイズに効果的な曲の速さは145BPM(1分間に145拍)が限度で、それ以上テンポが上がってもモチベーションアップにはつながらないとのことです。エクササイズ用のプレイリストを作る時は、この点を頭に置くといいでしょう。

いかがでしたでしょうか?
このように、音楽には脳にも体にも様々な影響を及ぼすのですね。
仕事をしている時は、みんなの適度な会話が聞こえるところの方が、創造力が増して、仕事がはかどるようです。スポーツをする際は音楽を聴きながらでも良いですが、ランニングなどの際には周囲にはみなさん、お気をつけて。

※参考投稿
「モーツァルト効果」でミス件数、大幅減少・・・東京印刷
なぜ音読が有効か?
右脳と音楽の関係について
右脳とモーツァルトの音楽について

List    投稿者 tutinori | 2013-12-03 | Posted in W.科学NewStreamNo Comments » 

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