2012-11-27

【多くの謎に包まれた、“へそ”の科学】科学を身近に☆NewStream

旬の話題から自然の摂理が学べる!科学を身近に☆NewStreamです。
今週の科学ニュースを紹介します。
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画像はへそ細菌のサンプルです。コチラからお借りしましたm(_ _)m

みなさん、知っていました!?人の「へそ」から、合計で何と2368種類もの細菌が見つかったそうです。しかも、各人で実に千差万別な細菌を持っていることが分かったのです。
以下、ナショナルジオグラフィックより抜粋引用

 ロブ・ダン(Rob Dunn)氏ら生態学者チームが60人のボランティアからサンプルを集め、人間のへそに生息する微生物を調査した。
 調査の結果、60人のへそから2368種の細菌が見つかり、そのうち1458種は新発見の可能性があるという。
 細菌は少ない人では29種、多い人では107種もいたが、平均では約67種が見つかった。92%の細菌種は、サンプル提供者全体の10%足らずにしか存在しなかった。これはすなわち、ほとんどの細菌種が60人中1人からしか見つからなかったことを意味する
 例えば、あるサイエンスライターからは、これまで日本の土壌でしか発見例のない細菌と思しき種が見つかったが、この人物は日本への渡航歴はなかった。そのほか、数年間へそを洗っていないというかぐわしい人物からは、いわゆる極限環境微生物2種が見つかった。通常は氷冠や熱水噴出孔などの過酷な環境に生息するものだ。
 このように多様性に富んだ細菌が見つかったが、調査結果からは特定の傾向も浮かび上がった。すべての被験者に共通して見つかった菌が1つもない一方で、8種の菌はサンプル提供者の70%以上に見つかったのだ。そして見つかった場合、それらは決まって大量に存在した。
「この点において、へそは熱帯雨林とよく似ている」とダン氏は述べる。熱帯雨林は1つ1つが異なる植物相を持つが、どの熱帯雨林にも共通して豊富に存在する樹種がいくつかあるのだという。「人体に熱帯雨林に似た部分があるというのは、個人的にはとても素晴らしいことだと思う」とダン氏は言う。

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ところで、へそに関して、以下のような記事もありました。
『へその緒から287種の汚染物質』(るいネット)より

「環境と学びの広場」というサイトから、以下の内容の投稿がありましたので紹介します。
出産が近づいてくる頃になると、お母さんの胎盤からへその緒を通して、一日にして300リットルほどの血液が胎児のからだの中を流れます。これには酸素や栄養が含まれていて、胎児の命をはぐくんでいます。少し前まで、胎盤は色々な汚染物質を通さないと考えられていました。しかし出産が近づく頃になると、へその緒の血液を通して、色々な必要物質だけでなく、工業化学物質や、汚染物質、農薬などを運び込んでいることが分かってきました。タバコの成分やアルコールなども同じです。
アメリカのワシントンDCに本部をおく 環境ワーキング・グループ(EWG) は、外部の研究者たちと力をあわせて、04年8~9月に10人の新生児を調べ、平均 200種の工業化学物質や汚染物質をみつけ、7月14日に発表しました。全部あわせて 287種の物質が含まれていたことがわかりました。赤十字病院で赤ちゃんが生まれて、へその緒を切ったあと、それを集めて調べたところ、農薬や消費者が使う商品に含まれている物質、石炭・ガソリン・ごみが燃えて発生する物質などが発見されました。
(中略)
そのうち、180種は人や動物で発がんの報告があるもの、217物質は脳や神経に毒性を示すもの、208種は 動物実験で新生児障害を生じたり発達障害を生じたりする物質です。こうしたものが人や動物にどういう影響を与えるかは、調べられているというものの、混合されたときに新生児にどのような影響を与えるかは何も分かっていません。
(中略)
既に、生まれたての赤ん坊にまで人工物質が蓄積されているという事実。母親から多様な人工物質が取り込まれているという現実に衝撃を受けました。

【考察】
へそ(臍帯)は、胎児が母親の血液を通して物質を受け取る器官。そこからは、栄養のみならず、母親が取り込んだ汚染物質なども受け継がれるのです。
そして、へそには細菌が多種類棲んでいます。その種類が人によって正に千差万別で、新発見のものも多くあり、しかもその人自身の実体験を通して棲み付いたとは考え難い種(ex.極限環境微生物)までいます。これらのことから考えると、人のへそに存在する細菌は、親の遺伝情報から受け継がれ、組み替えられているものだとは考えられないでしょうか?
つまり、DNAに加えて、おそらく母親の血液からも、遺伝情報やその時の外圧状況(化学物質の濃度etc.)が子に受け継がれる。そして、それらの情報or物質を元に、へそ細菌の世界が生み出され、免疫系etcの何らかの役割を担い、子の適応可能性を高めているのではないか?と考えてみても、面白いと思います。

まだ漠然としていますが、【へその科学】、興味湧いてきませんか?

ダン氏のチームは既に、より多くの人のへそを調べる作業に入っており、間もなくその数は600人に達する。チームは新たなサンプルを使って、へそに生息する細菌がサンプル提供者の出生地や免疫系などとどのように関連しているのかを調べる計画だという。
 このような関連性を明らかにすることは、人間に宿る細菌が健康にもたらす影響を知るうえで役立つ可能性がある。へそに限らず、およそ人間の体に存在する微生物は、その人の免疫機能からニキビ、肌の柔らかさにまで影響を及ぼしていると考えられている。それは医学に大きな恩恵をもたらしうるが、そもそも微生物がそこで何をしているのか、なぜそこにいるのかを理解しなければ役立てることはできない。

今後の研究にも、大いに期待します 😉

List    投稿者 kayama | 2012-11-27 | Posted in W.科学NewStreamNo Comments » 

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