もっと科学を身近に☆New Stream 「食」を考える2~粗食、自然食の効用~
旬の話題から自然の摂理が学べる!もっと科学を身近に☆NewStreamです。
前回は、
市場原理のために、人工物質により食を犯され、健康を害している。
それにもかかわらず、人は、健康になることを人工物質に求めている。
そんな、市場原理に絡め摂られた現代人の矛盾を紹介しました。
現代において健康でいるための「本当の食」とは何なのでしょうか?
今回は、改めて現代人の食生活を見直してみようと思います。
人工物質とは正反対の位置づけである粗食、天然食の効用について紹介します。
◆◆◆現代人は食べ過ぎている!?
まず、現代人は、必要以上に食べ過ぎているという現実があります。
日本人の現在の労働量、運動量では、1日3食は、食べすぎなのです。食べ過ぎで「高」のつく生活習慣病で苦しんでいるのに「1日3食食べなければ健康に悪い」という指導がなされているのは、おかしな話なのです。
「朝食をしっかり食べないと力が出ない」というのも単なる感情論に過ぎません。
昔のように、日の入りとともに就寝し、10時間近くの睡眠をして日の出とともに起床し、朝メシ前の仕事をしてから食べる朝食は意味もあったし、健康維持にも大切であったかもしれません。しかし、現代のサラリーマンや自営業の方々は、ほとんどが遅くまで仕事をし、それから、夜遅くまで酒食を胃袋に放り込み、5、6時間の睡眠しかとらずに迎える朝は、胃袋の中に食物がまだ残っています。そんな、人間の本能=自然治癒力が「食べたくない」と悲鳴を上げているときに、無理して食べる必要などないのです。
さらに、食べすぎを促進するのが「人工物質」です。
ただ嵩を増すだけの安く刺激のない人工物質を添加され、お腹がいっぱいになるけれども、体のためには何のいいこともない食生活を強要されることになっています。例えば、人工物質まみれの食品を大量に取るため、豊かになったにもかかわらず栄養失調になるとか、反対に、刺激の強い人工物資と、刺激のない嵩を増すだけの劣悪で、ある栄養素だけが突出した食品の組み合わせで、肥満が急増するなどの現象が起きます。
現代人は「食べすぎ」である1~食べすぎが生活習慣病を生む~(リンク)
…現代人の食生活が乱れていることがわかりますね。
では、現代人に適した食生活とはなんなのでしょうか?
ここでは、「粗食」「自然食」をとりあげてみます。
◆◆◆粗食のススメ
以下、引用文は『食べなければ死なない②』(リンク)より
◆小食≒粗食のメリットは?
1日1食や2食の生活を続けていると、こんなメリットがあります。
空腹になることによって免疫力がアップする。
ガンの予防と改善。
加齢関連疾患の予防と改善。
老化を遅らせ、若さを保つ。
体重が減少する。
消化力・排泄力が促進される。
頭脳が明晰になる。
性的機能が強くなる。
ストレスに強くなる。
◆小食を科学する
小食とガンなどとの病気の関係は、さまざまな実験によって相関性があることがわかっています。
・1935年のマッケイ博士の研究では、30~40%のカロリー制限をした動物は、自由に摂取した動物よりも寿命が長くなり、ガンなどの加齢関連疾患に発症する確立が低くなった。
・フランスのド・ヴリーズ博士は、断食すると皮膚の若返りが著しく、シワ・シミ・そばかす・発疹・吹き出物が消えていくと言っている。
・スペインの老人ホームでは、通常の食事と水断食を1日おきにやったグループと、毎日通常の食事をしたグループを比較したところ、前者の老人たちが圧倒的に長生きした。
・1960年代のドイツの研究によると、食べたいだけ食べさせたネズミは、2日おきに断食させられたネズミよりもガンの自然発生率が5.3倍も高くなった。
・米国カリフォルニア大学のマーク・ヘラースタイン博士の最新の研究では、断食すると体内の細胞に抗ガン効果をもたらすことがわかった。
たくさん食べると分泌される成長ホルモンやインスリンのような、細胞の成長を促すようなホルモンは、細胞の分裂を促し、がん細胞の増殖に深く関わっていると言います。つまり、日本人の死因の1位であるガンは、「食べすぎ病」なのです。
◆食欲不振のサインと免疫力
人間はガンになると食欲がなくなるのは、免疫力を上げてガンを治そうとする反応だという。ガンでも他の病気でもそうだが、食欲がないのに無理やり食べさせようとするのは、人間の自然治癒力を妨害していることに他ならない。
・オレゴン大学の研究では、18年間、30%のカロリー制限をしたアカゲザルたちは、普通食を与えられたサルたちよりも、T細胞のレベルが高く(免疫力が旺盛)、病気になりにくいという。こうした様々な研究によって、低カロリーの食事は、血液中のコレステロールを下げ、血圧を下げ、体脂肪を減らし、糖尿病や心臓病のリスクを軽減させることがわかっている。・ミネソタ大学のM・J・マレイ博士の研究では、1975年にサハラ砂漠の飢餓の遊牧民たちに食料を与えたところ、突然にマラリアや結核などの感染症が増えてきたという。そのため、栄養過多が感染症を誘発し、われわれが食べる食物中の栄養素は、われわれの体の維持よりも、病原菌の分裂・増殖に利用されるのではないかと考えるに到った。
このように、正しい粗食の知識を知ることで、体に本来の機能が回復し、人は健康になれるのです。
◆◆◆自然食が自然の摂理に則した食べ物
では、現代の「人工物質まみれの食」が、本来の「自然食」とどのように異なり、人体に害を与えるのでしょうか?
以下、引用文は『人工物質はなぜ体に悪いのか?』(リンク)より。
◆人はなぜおいしいと感じるのか?
人間はなぜ、ある食べ物をおいしい?まずいと感じるのか?
市場経済の果ての物的な豊さ中で育った現代人は、おいしい、まずいなどの感覚を、嗜好の問題としてしか捉えられないようになっています。しかし、500万年もの間、自然外圧に適応してきた人類の歴史を振り返ると、適応の必要から生み出された機能だということがわかります。
例えば、塩辛いものが欲しい、甘いものが欲しいなどの感覚は、体が塩分や糖分を欲する状態にあるとき、自然にわきでてくるものです。それを食べるとおいしいと感じます。また、そうではない状態のときにそれを食べてもおいしいと思いません。つまり、体が必要としている食物を獲得する行動を取れるように、脳は不足した栄養素を含むものを、おいしいと感じそれを求める脳内物質を出しているのです。
◆人工物質は、その感覚を狂わせ、人体に害を与える。
人類は、その歴史の99.99%以上をこの感覚を頼りに生きてきました。これは、現在でも、大自然の中で暮らしたり、日々の雑念にとらわれずにこころの深いところから感じるように暮らしたりしていくと、自然に理解できる感覚です。そして、その感覚を使い、獲得した食物は、自然の食物だけであった時代が、同じくその歴史の99.99%以上を占めていたのです。
人類が適応過程で獲得してきた、重要な感覚機能を狂わせる人工物質を利用した擬似食品や薬の生産は、市場での利益の獲得を加速する一方で、自然外圧に適応してきた人類の体に大きなダメージを与え続けて来たと言えるのではないでしょうか?
このように本来「食物」とは「自然の中に存在する物」です。
しかし、それが今は市場原理によって「人工物質まみれ」になっています。
その結果、現代人の体には様々な弊害が起こっているのです。
このように、粗食、天然食という食生活のスタイルは自然の摂理に則っており、人間本来の力を取り戻す手段であるといえます。
食生活のスタイルは粗食、自然食がいいということがわかりました。
では、具体的に、人工物質と天然の食品には、どんな違いがあるのでしょうか?
その典型的な例である「塩」について、次回は扱っていきます。
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今年も当ブログ「自然の摂理から環境を考える」をご愛読いただきありがとうございました。
来年も、「楽しく読めて、ためになる記事」や、「新しい可能性、価値観が提示できる記事」を皆さんに提供できるように、よりいっそう追求し、ブログを運営していきます☆
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