2009-11-23

人工物質が肉体を破壊してゆく その9 大量生産・大量消費の市場原理が行き着いた先~すべての食品が人工物へと変えられてゆく~

これまでこのシリーズでは食品単体の人工物質にまつわる問題を扱ってきました。
今回は、さらにおおきく構造的に踏み込んで、食品の流通過程と人工物質の関係を探ってみます  
 
7dd32245ea60e90ed64b35bbe2fb88be.jpgコンテナ貨物船
「え~? 食品の流通と人工物質って関係あるの!?」 
 
関係があるどころか、そこに原因があるといってもいいのかもしれません。
「え!!!!!」
 
 
つづきが気になる方はポちっとお願いします
    ↓

 にほんブログ村 環境ブログへ


 
ところで、昔よく見かけた威勢のいいバナナの叩き売り。ずいぶんと見かけなくなって久しいですよね。 叩き売りをしていた当時のバナナは、当然防腐剤や防虫剤処理していない為、黄色く熟すと腐りやすかったのです。だから完熟が近いバナナを在庫に抱えている業者から格安で仕入れて、売り急ぐために叩き売りをしていたんですね  
66b3a4b7f7b5572e76ea898d81a82bd4.jpg
近年、門司港で復活したバナナの叩き売り風景
しかし、流通技術が向上して青いバナナを遠い海外から大量に輸入しても、何ヶ月もそのまま保存できるようになって、このバナナの叩き売りは姿を消していきました。そして高級品だったバナナも、今では格安で売られています。 
 
バナナ大好き派にとっては、市場拡大と流通技術の発達があってよかった~!なんて思ってしまいます。でも、ちょっと待ってください。実は、バナナに限らず海外から輸入され国内で流通する食材・食品の流通過程にこそ、実は大きな問題が潜んでいたのです!   
 
① 残留農薬(生産中の農薬散布)の問題

市場は私たちの体内環境をも、ないがしろにしているより
・・・・・・・・・・・・
近年、輸入野菜の占める割合が高くなってきていると思います。鮮度や害虫などのリスクを最大限に抑えての輸入ということで、残留農薬が心配されます。
日本の環境庁があげている約70種類の環境ホルモンのうち、3分の2は農薬で占められているそうです。
毒性が高く、特定毒物、毒物、劇物に指定されているものも少なくありません。農薬は殺虫剤、殺菌剤、除草剤に大別されますが、発ガン性や催奇形性(胎児に障害を引き起こす毒性)があると指摘されているものも多くあります。
各国ごとに農薬に対する規制や基準はあるのですが、日本では考えられないような使い方をされている場合もあります。例えば、アメリカ国内で使用されている多くの農薬に発ガン性があると、EPA(環境保護局)が発表しています。これは殺虫剤の30%、除草剤の60%、殺菌剤の90%に発ガン性が認められたという調査結果によるものです。

 
 
② ポストハーベスト(収穫後の農薬散布・放射線照射)の問題

市場は私たちの体内環境をも、ないがしろにしているより
・・・・・・・・・・・・
輸入農作物はさらに、収穫後の農作物へ散布する農薬や放射線(ポストハーベスト)の心配があります。日本では原則として認められていないポストハーベストは、輸入するにあたって、農作物の品質を保つために出荷前の外国での倉庫で使用されます。海外では一般的に行われていているのですが、土や成育過程に使用されるのとは違い、農作物に直接吹き付ける(照射する)ために、その残留量は格段に高くなるそうです。
そして、そのポストハーベストに使われる薬剤は、ゾッとするようなものばかりなのです。例えばサクランボには臭化メチル(劇物)が、柑橘類にはOPPやDDT(日本では禁止)が、キャベツ、タマネギ、キュウリ、カボチャ、ニンジンなどの野菜にはOPPや突然変異性が強いキャプタンなどが使われているそうです。

 
 
③ 燻蒸(くんじょう)の問題

市場は私たちの体内環境をも、ないがしろにしているより
・・・・・・・・・・・・
ポストハーベストのおかげで、ようやく日本に到着した輸入農作物には、まだ、もう一つの「洗礼」が待っているのです。それは輸入時の燻蒸くんじょう処理です。
これだけ農薬漬けになっていても、日本到着後の検疫で害虫などが発見されることが多く、その場合、国内でさらに薫蒸による消毒(くんじょう処理)が行われます。
くんじょう処理とは、薫蒸庫と呼ばれる密閉室に輸入農作物を入れて、猛毒の青酸ガス、臭化メチル(劇物)といった毒ガスを充満させて行う殺虫処理のことです。防疫官の説明では実施後、毒ガスは回収され、食品にはほとんど残留しないということなのですが、一度でも毒ガスにさらされたものが、どうして安全だと言いきれるのでしょうか。ちなみに輸入農作物で、くんじょう処理を施される割合は、果実が約90%、豆類は約70%、野菜で約30%となっています。

 
★劇薬漬けにするのはなんで? 
 
soybean.gif 
 
  
日本にはいってくる輸入食品は、その流通過程でなんと何重にも劇薬(人工物)漬けにされているのです。しかし、なぜこのような劇薬漬けにする必要があるのでしょうか? 
 
そこに市場、流通システムの秘密があります。最初に大量生産・大量消費の市場を実現したのは工業製品でした。そこには均質なものを大量に作り、多くの人に質の安定したものを安く提供するという考えがありました。そして、その大量生産・大量消費を可能にしたのが工業技術の発展とともに生まれた流通のシステムだったのです。遠く海外まで大量に運ぶこの効率的な流通システムがあって初めて、工業生産品の大量生産・大量消費が可能になりました。 
 
ところが、食品は工業生産品と異なって、基本的に時間がたつと腐っていくものです。しかしそれでは市場の商品にはなりません。如何に大量生産したとしても、如何に価格を安くしても、それではその殆どが遠方の消費者に届く前に朽ちてしまうからです。 
したがって、食品を流通システムに適合させる必要が生じます。そのためには、
 
①均質な商品を大量に生産する必要
②遠方の消費地まで品質を保つ必要
 
③海外からの輸入物に混入する害虫駆除の必要

とこれらの必要と対策から各々の技術が生まれたのです。
①のために防虫剤・除草剤・除菌剤などの農薬そして遺伝子組み換え。
②のためにポストハーベスト
③のために検疫時に燻蒸


 
燻蒸(くんじょう)って何?

①②の農薬の危険性は最近では比較的認知されていますが、③の燻蒸は一般的にはあまり知られていません。これは特に食品を輸入した際、日本にいない虫を上陸させないために、入管後、倉庫ごと薬品の煙を焚いて、虫を死滅させることを言います。要するに、業務用の超強力なバルサンを直接食品に対してかけるようなものです。通常、輸入業者が特に何の処置もとらなければ、自動的に燻蒸されてしまいます。
coffee4.jpg

例えばコーヒー豆の「燻蒸」で言えば、燻蒸用の倉庫の中にコーヒー豆を麻袋ごと入れて、バルサンよりも 毒性が強い臭化メチルやリン化アルミニウムで殺虫します。しかも、「薬剤がかからないように・・・」ではなくて 「薬剤が浸透して豆の中の虫まで殺せるように・・・」 という前提で行われます。 つまり対象はコーヒー豆そのものになるわけです。 燻蒸(くんじょう)は国内の農産物を守るのが目的なので、臭化メチル、リン化アル ミニウム、青酸ガス(バナナ等に多用)、など強力なものが使われます。 問題なのは、国内の「植物」を病害虫から守るために行われているので あって、決して人の安全(健康)のためでは無いという点です。 

 

★流通の必要が食品を人工物に変えてしまう
このように市場流通システムに食品を適合させ流通させるために、流通過程で農薬や劇薬等の人工物質が食品に幾度にも渡って塗り重ねられれていくのです。更には、店頭での商品価値を高めるために、ワックスや着色料、過剰パッケージでの化粧が施され、その結果、見た目には綺麗に揃った形、綺麗な色、衛生的にパッケージ化された工業品的な人工物(まみれの)商品へと姿を変えて売場に並ぶことになるのです。 

640_44f62c67f572ab603f3234f1057ff9862%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC.jpg
 
流通システムによって生産量と消費量が決まる。そして商品のあり方が変わる。その構造が、私たちの知らないうちにどんどん食品を人工物へと変えていきます。なぜそのような流通システムが必要なのでしょうか? 
 
それは、拡大しつづけることが市場の生命であり、市場こそが経済の中心であり、経済の右肩上がりこそが価値である。という錯覚に社会が陥っているからだと思います。 
 

★流通システム(市場)中心の生産・消費様式から、人中心の生産・消費様式へ 
 
hakusyo.jpg 
 
 
地場で取れた食物を地場で消費する地産地消という考え方古くからがあります。この考え方では必要以上の作物を作る必要がありません。小規模多品種の季節に応じた生産で十分なのです。流通も不要なのでポストハーベストも不要・国内産だから燻蒸も不要。流通効率の為の(梱包・パッケージ化の為の形や大きさの規格化)も不要です。 
 
当然新鮮なのですから、ゴマカシのワックスや着色料もいりません。色や匂いや手触りの感触で直接商品を消費者自らが確かめればいいだけです。また、生産者と消費者が直接取引きを行うので輸送コストや中間手数料もかかりません。結果、生産者の収入は上がり、消費者は安く買えて、人工物質や化学物質も必要ないので健康的でいいことづくめなのです  
 
 
P1013529.gif 
 
 
但し、これは市場の縮小を意味します。つまり、市場規模を縮小していくと実は人工物質の必要度も下がる。わざわざ食品を人工物化する必要がなくなるということなのです。市場経済至上主義。この価値観こそが私たちが生きる為のあらゆる食品を人工物化する元凶であり、健康を阻害する最大の要因ではないかと考えます  
 
だからこそ、食品の安全を考えていく上で、誰の為につくっているのか?どのような食品をみんなは望んでいるのか?その為の生産・消費のシステムはどうすればよいのか?私たちは自然の摂理を理解し、市場の構造を理解し、新たな価値観を作り現実を塗り替えていく必要があるのですね

List    投稿者 kasahara | 2009-11-23 | Posted in N04.人工物質ってどうなん?3 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2009/11/632.html/trackback


コメント3件

 tink☆ | 2010.09.28 14:55

警戒心が不安をうみだす・・ってよくわかります><。
でも、本当は心の底ではみんな同じこと考えてるんですよね~♪
>色んなことを知りたい。もっと社会のことを勉強したい
>みんな、社会を良くしたいとおもっている仲間なんだ
この言葉、すごく共感します^^。
「自分が嫌われるんじゃないか…?」とかおいといて、「みんな、もっとよくしていきたいと思ってる!じゃあ、みんながもっと充足するためには?」って考えれば、安心して、みんなに委ねてゆけそうですね♪
きっと、みんなそれを求めているんでしょうね☆

 みわつん | 2010.09.28 21:00

>きっと、みんなそれを求めているんでしょうね☆
コメントありがとうございます☆
この、「みんながそれを求めている」って、ことに気付けるのが大事だな~っておもいます♪
どんな人も、笑顔を見るとうれしいですもんね(^-^*))。。。
まだまだ、シリーズ続きますので、楽しんでくださいね☆

 K.I | 2014.09.15 22:35

「ポストハーベスト」は日本語で「収穫後」です。
「ポストハーベスト農薬」といった言い回しが正解です。放射線も本当に使われていますか?紫外線照射で十分殺菌除菌はできるので、そんな危険なこと行う必要がちょっと理解できないのですが…

Comment



Comment


*