合成洗剤 ~「白く染めるニセの清潔さ」が及ぼす健康被害~
去年の話題で、アレルギー症状を発症する人が急激に多くなっている、というのがありました。学校給食などで、食物アレルギーにより病院に搬送されたというのも数件ありました。
何が起こっているのでしょう?
国立環境研究所 環境化学物質がアレルギーに及ぼす影響とメカニズムの解明にむけて より
疾患の発現や増加,悪化をもたらす二大要因として,遺伝因子と環境因子が挙げられますが,遺伝因子は急速に変化することはありません。また,アレルギー疾患の罹患率は,開発途上国に比べて先進諸国で高いことや,農村部に比べて都市部で高いことが疫学研究で報告されています。これより,アレルギー増加の要因として,近代化に伴い急速に変化してきた環境因子(住環境,食環境,衛生環境,水・大気・土壌環境)の寄与が大きいと考えられます。中でも,環境中に放出されている化学物質の影響が危惧されています。
正論ですね。なぜ、アトピーやアレルギー症状が増えているのか?化学物質の関与が最大の要因でしょう。
図版も同サイトからです。
化学物質が、この中の抗原提示細胞を活性化し、それに続くT細胞をはじめとする免疫担当細胞の機能を促進する可能性を同サイトでは述べています。
身の回りには、多くの化学物質に溢れていますが、その中でも大量に使い、且つ毒性が強いのは合成洗剤です。汚れを落とす薬品です。
合成洗剤は、もともと洗浄力が弱く、泡切れ・汚れ落ちの悪い洗剤でした。なんとか石けんに近づけようとしたが及ばず、ついに汚れ落ちの悪さをごまかす為に、蛍光増白剤を使用し「白く染めるニセの清潔さ」が考案されたのです。
合成洗剤は色んな意味で環境負荷が高く、生物への影響が大きいのです。
ものすごい種類の洗剤ですね。便利なのですが、、、
合成洗剤の恐ろしさをわかりやすく解説した文章がありました。
石鹸メーカーのHPから合成洗剤の害より
合成洗剤で洗った衣類を着用すると、残留した洗剤が皮膚から吸収され、血中・体内の臓器(特に肝臓・腎臓)に入り、害を与えます。
もちろん、1ヶ月や短期間の使用で身体に異常が出るような洗剤製品は少ないでしょうが、洗剤に含まれる危険な成分は、長期にわたり体に蓄積され、10年後や20年後に異常が現れることもあり得るのです。
1.皮膚への影響
手指先のひび荒れ、指紋がなくなるなどの主婦湿疹といわれる皮膚病の原因の多くは、石油系合成洗剤によるものです。
さらに、湿疹、かぶれ、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎の原因も、合成界面活性剤が体内に蓄積されてホルモンバランスを崩していることによる可能性が高いと言われています。
合成洗剤、または柔軟仕上げ剤で洗った衣類を着用し続けますと、アトピー性皮膚炎の症状や下着・オムツかぶれが一向に改善されません。
2.高い発ガン率
合成洗剤はタンパク質を変質させ壊します。
変質した細胞はガンの素となり、発ガン物質の働きを強め、ガン発症率が高くなります。
では、この危険な合成洗剤は、一体いつごろから作られたのでしょうか?
第一次大戦後に石けんが不足し、安価に大量生産する為に開発されたものが合成洗剤です。
合成洗剤は、もともと洗浄力が弱く、泡切れ・汚れ落ちの悪い洗剤でした。
洗浄力は、当初から石けんの方がすぐれており、なんとか石けんに近づけようとしましたが及ばず、ついに汚れ落ちの悪さをごまかす為に、蛍光増白剤を使用し「白く染めるニセの清潔さ」が考案されました。
蛍光増白剤とは、発ガン物質であり白く染める為の有毒な染料のことで、一度衣料に付着すると一年は取れないと言われています。
合成界面活性剤の残留分は、女性ホルモンを撹乱するノニルフェノールと言う化学物質(環境ホルモン)に変化し、衣類から皮膚表面へ、そして体内へ浸透します。
どんなに衣類をすすいでも、合成洗剤は衣類に残留してしまい、洗濯する回数が増えれば増えるほど、合成洗剤の残留も累積されていきます。
3.妊娠率の低下
女性ホルモンを撹乱するノニルフェノールが、生物に悪影響を与えることも分かっています。
東京都府中市の多摩川で、コイを捕獲・生態調査をした結果、オスの精巣が痩せ細り、正常な精巣は150グラム前後あるはずが、6グラムしかない精巣もあったそうです。
さらに、オスのメス化が進んでおり、メスにしかない黄体ホルモンが検出されています。
原因は、水質検査で多く検出されたノニルフェノールによるものと考えられています。
石けんは一日で、ほぼ分解されますが、石油系合成洗剤は何日も分解されず環境への大きな負担となります。
河川や海に排水された合成洗剤は、海藻類や魚に残留し、それを人が食すと、さらに体内に取り入れて悪循環となります。
また合成界面活性剤は精子を殺傷しますので、避妊薬として販売されていました。女性用避妊フィルムは、合成界面活性剤が主成分の避妊薬でしたが高い発癌物質の為、販売停止措置が採られました。
ノニルフェノールによる女性の体への影響として、乳ガン、子宮筋腫、子宮筋炎、不妊が起こりやすくなります。
石油系合成洗剤は自然界にない物質であり、分解しにくく、体内から速やかに排出されることが難しいようです。
4.毒性
合成洗剤を誤って一口飲み、亡くなった人がいます。
動物実験によると、メダカのいる水槽<400ml>に合成洗剤の原液を2分の1滴垂らすと濃度は約150ppmとなり、普段、食器を洗う濃度と同じになります。
しかし、この濃度では、メダカは5分で死んでしまいます。
成長したメダカは50ppmの水中では、えらの細胞が破壊され、死に至ると考えられています。ふ化したばかりのメダカの場合は、1ppmで24時間以内に死に至ります。
日本の河川の多くは、界面活性剤濃度が1ppmを超えているので、この濃度ではメダカは生息できません。
しかし、石けんの場合は、同じ濃度でも成長したメダカは元気に泳いでいるのです。
画像は ばら日和 さんから。重曹ペーストの作り方が載ってます。
洗剤類はどんどん便利になって、色んな用途や機能を持ったものが生まれていますが、本当に必要なのか?
石鹸と重曹があればほとんど対応可能なのではないか?
今一度考えてみても良いように思えます。
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