2013-01-16

気候シリーズ:2012年の気象を振り返る

気候シリーズ、今日は豪雨や寒波に覆われた去年1年を振り返り、そうした気象の原因を高層大気の状況から振り返って見たいと思います。気象庁では毎月、その前月の高層大気(500ヘクトパスカル天気図)を公表し、コメントを付けていますが、これを読むと、いかに偏西風の蛇行やブロッキング高気圧が気象に大きな影響を与えているかがよく分かります。
まずは去年1年間の気象ニュースを振り返ってみましょう。日本気象協会の気象10大ニュース http://season.tenki.jp/season/newyear/  からの転載です
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2012年8月に関西で雷が多かったのは上記のような気圧配置が原因
【その1:寒い冬、26年ぶり】
冬(2011/12-2012/2)の平均気温が低く、最近10年間では北日本は最も低く、東・西日本は2006年冬に次いで低くなりました。
【その2:遅いお花見、北海道旭川は桜開花と満開が同日に】
春先まで寒さが長引き、桜の開花日は平年より3~6日遅いところが多く、京都、東京、新潟、仙台などで、最近10年間では最も遅くなりました。
【その3:春の嵐、急発達した低気圧】
4月3日から4日は日本海で急発達した低気圧の影響で、春の嵐となりました。全国の76 地点で最大風速が観測史上1位を更新し、最大瞬間風速は新潟県両津で43.5 メートル、東京都八王子で38.9メートルなどを観測。
【その4:竜巻による大きな被害】
5月6日、茨城県つくば市や筑西市、栃木県真岡市、福島県会津美里町付近で竜巻が発生し、大きな被害がありました。
【その5:金環日食】
2012年5月21日は金環日食の観察日和に。本州では129年ぶりの金環日食。
【その6:平成24年7月九州北部豪雨】
7月11 日から14 日にかけて、西日本に停滞した梅雨前線に向かって南から非常に湿った空気が流れ込み、九州北部を中心に「これまでに経験したことのないような大雨」
【その7:不安定な夏、大阪など雷日数最多を更新】
8月は、西日本を中心に局地的に大雨や雷雨が多く発生しました。とくに、8月13日から14日は日本海から南下した前線の影響で大気の状態が非常に不安定になり近畿中部を中心に局地的に猛烈な雨が降りました。
【その8:記録的残暑、全国51地点で9月の月平均気温最高を更新】
8月下旬から9月中旬にかけて太平洋高気圧の勢力が非常に強く、北日本と東日本は記録的な残暑に。
【その9:台風、沖縄・奄美に12個接近、猛烈な風】
沖縄・奄美地方には、12個の台風が接近し、平年の1.5倍の数に。8月は5個の台風が接近し8月の降水量は平年の2倍以上。
【その10:遅い初雪、一転、猛吹雪】
北海道や東北地方は秋の記録的高温の影響で、カエデやイチョウの紅(黄)葉が記録的に遅くなりました。

(さらに…)

  投稿者 staff | 2013-01-16 | Posted in D02.気候No Comments »