シリーズ 環境問題の核心=「国家と市場」 を超える可能性を考える③
超国家・超市場論3 置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ
環境について意識して、いろいろやっているのに、一向に問題が解決に向かっている気がしないって思っている人って多いんじゃないでしょうか?
エコポイント制、エコカー減税、CO2削減・・・いろいろ動きはあるのだけれど、なんだかズレてる、もしかしたら、悪化に向かっているんじゃないか?
図はダイハツさんよりお借りしました
図はjanjanさんよりお借りしました
鳩山首相が、国際評価を高める目的で、国連でCO2削減目標を1990年度比25%減と発表しましたが、思ったより効果が無く、却って、国内外から現実に即した判断が出来ていない印象を持たれてしまったようです。
写真はPoPBunka!のむふむふBLOGさんよりお借りしました。
これらみんな、みんなが感じている外圧認識からズレた対応・方針であることを示しているのではないでしょうか?
だから、みんな収束できないし、実現・統合される気もしない。
今回は、みなが収束する、統合に至る方針や行動のために、何が一番大事で必要かを明らかにした投稿の紹介です。
応援よろしくお願いします。
超国家・超市場論3 置かれた環境を貫く 闘争圧力を把握せよ
社会統合の問題を考えると、すぐに統合様式=(統合を担う)最先端機能に目が行ってしまうが、既にそこに大きな落とし穴がある。実は、最も重要なのは、その統合様式の大前提をなす、置かれた環境を貫く闘争圧力の把握である。
なぜなら、そもそも環境≒闘争圧力に適応すべく先端機能が生み出され、最先端機能であるが故にそれが統合機能とも成った訳だから、重要なのは前提となった闘争圧力の中身であり、闘争圧力を捨象して統合機能(例えば評価指標)だけを見ても、その真の姿は見えてこない。
とりわけ重要なのは、次の点である。
置かれた環境を貫く闘争圧力が、(個体を構成する各機能であれ、あるいは集団を構成する各個体であれ)最末端まで貫通した圧力として働いているからこそ、その圧力に適応する最先端機能へと(各機能や各個体が)収束し、全体が統合されるのであって、この圧力がなければ、最先端機能も統合機能として働かない。また、最末端まで貫通した圧力の存在を捨象して、統合機能の真の姿が見える訳もない。
従って、まずは、人類を貫く闘争圧力の中身から、押さえ直してゆこう。
環境問題も人類が生きていくための適応するべき外圧です。
ですから、表面上的であったり、多分にごまかしを含んだ外圧認識ではなく、生物の最末端まで貫いている外圧ととして根本まで捉えた外圧認識でないと、皆が収束できる方針は出てこないということなのです。
次回からは、私たちが置かれてきた、そして今おかれている外圧とはなんなのかが明らかになっていきます。
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コメント10件
y.suzuki | 2010.07.17 12:52
rinoさん、ありがとうございます。
核心をつかんだコメント、そしてもやもやがすっきりされて、こちらもうれしい限りです。
このつづきも期待してください。
コメントリウム | 2010.07.20 21:24
トリウム原子力発電でも結局反応しているのはウランなんですね。
「プルトニウムが出ないから安全」って私もだまされていました。バックエンド問題は同じだとすれば、やはり危険にはかわりありません。
こうした事実があまり出回っていないことも、この業界の危険さを改めて感じるところです。
次回も楽しみにしております!
y.suzuki | 2010.07.23 2:36
コメントリウムさん、ありがとうございます。
>こうした事実があまり出回っていないことも、この業界の危険さを改めて感じるところです。>
プロパガンダ用のさわり程度の概要や逆に専門家向けの難解な学術資料ばかりで、みなさんにすっきりしてもらうためには、オリジナルでデータを編集せざるを得なかったのが実態でした。
なぜそういう情報が開示されていかないのかも含めて、今後の展開に期待してください。
雑草Z | 2010.08.15 23:39
恥ずかしながら、トリウム原子力発電については殆ど何も知らなかったので、非常に勉強になりました。
>『次代を担う、エネルギー・資源』
と言うタイトルが
トリウム原子力発電 等を肯定しているようなニュアンスがあって、読む前は印象が良くなかったのですが、読んで誤解が解けました。
>炉の違いや核物質が違っていても核反応を起こせば放射性廃棄物が必然として発生し、半永久的になくならないという事実がわかりました。
と言う結論に納得致しました。ウランでの原子力発電の代替としてプルトニウムを発生しないトリウムでの原子力発電を持ってくるって、原子力推進派の詐欺的手法ですね。
何を用いても、たかが(数十年間の)発電の為に半永久的に管理しなければならない放射性廃棄物を出す『核発電』は愚行以外の何ものでもありません。早急に止めなければならない事を再確認致しました。
y.suzuki | 2010.09.25 21:33
雑草Zさま、コメントありがとうございます。この間身内の不幸やら、病気やらでご返事遅れました。
私も、当初は過渡的にトリウムを採用することもありかもしれないという期待がありましたが、調べていくとやはり、原子力としての問題は同じであると判ったのです。
原子力導入の黎明期に固体燃料としてトリウムも検討されたようですが、その資源がほとんど発見できなかったことと、国際的な政治状況の中で、GE社の軽水炉に絞られたようです。(国産原子炉はほとんど普及されませんでした。)このトリウム熔融塩炉は体制側にとっても、亜流であるようです。
匿名 | 2011.04.13 21:59
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斉藤一弥 | 2011.04.17 12:26
今日は
<同じ天然資源質量から取り出せるエネルギーは、天然ウランより天然トリウムのほうが、約150倍の大きいということになります>
同じエネルギーに得るのにウランに比べ、トリウムは約150分の1で良いと言う事では?
ウランを収める被覆管は放射性廃棄物にそれに20%のプルトニウムを生みます故に日本は潜在的な核保有国と
富嶽号は幻か | 2011.04.19 1:55
単純な質問ですみません。
軽水炉で反応するウラン233が全体の3%に対し、トリウム炉でのトリウム232→ウラン233が88%。
ということは、単純に燃料総量が約1/30で済むという事でなないのでしょうか。
だとすると、核生成物の量もその割合で比較しないといけないと思うのですが。
y.suzuki | 2011.04.19 20:49
富嶽号は幻かさん。コメント、ご質問ありがとうございます。
ご質問のような比率で比較することもありえましたが、ここでは、核反応する物質を等量で比較しました。これはウラン235、ウラン233の1原子どうしがほぼ同じエネルギーを発することを前提に、廃棄物がどの程度の差になるのかを分析したかったのです。結局、供給される発電量同等での核反応する物質の比較が現実的であるといたしました。
また、ご意見お待ちしています。
rino | 2010.07.16 12:20
これまで、密かに原発シリーズ楽しみにしていたのですが、結局のところ「トリウム発電」自体はどうなの?というところが、ずっと気になっていました☆
>分裂生成物に焦点をあてると、ウラン:トリウムの核分裂生成物の生成比は68:88.95≒1:1.3となります。「燃料が同質量ならばウランよりもトリウムのほうがの高レベル放射性廃棄物が多い。」ということです。そして、これが高レベル放射性廃棄物としてガラス固化体となり地中へ埋設されることとなります。
なんとなく、トリウムの方も処理問題自体は解決できていないのでは?と思っていました。
気になるところは、結局本文中の「ウラン」と「トリウム」ではどっちがどれだけ核廃棄物が出るの?というところだったので、しっかりと数字を押さえて根拠を示してくれたのが非常に納得しました。
表を見ると、ウランでいうところの『プルトニウム発生量分』が、そのままトリウムでは『別の核分裂生成物になっている』だけなんですね!
ということは結局『核反応した分だけ、核廃棄物は出るし、そのほとんど(全部と言っても過言ではない!?)が放射性を持っている。』ということになるので、本文中で言うところの、
>「隔離された閉塞空間」が地球上に増え続けることに他なりません。
という本質問題は解決されないのは明らかです。
この間のもやもやが一気にスッキリしました!
貴重な分析と記事ありがとうございました!