2020-07-02

火山活動、地震などの地球活動には宇宙線が関与!?

太陽は地球の唯一の外部エネルギー源であり、地球環境の変動をもたらす自然要因として太陽活動の影響が考えられます。
しかし、そのメカニズムは殆どと言っていいほど解明されていません。

また、直接的影響だけでなく、宇宙線等に対する太陽活動の間接的影響についても未知数なのです。

一般的には、太陽活動が弱くなると、太陽からの磁気の力が弱まります。太陽からの磁場や磁気は、地球に到達する様々な宇宙からの放射線や宇宙線から防御していくれている働きがあります。

つまり、太陽活動が弱くなるということは、その防御も弱くなるということで、宇宙線や放射線の到達量が増加するのです。そして、今後もさらに太陽活動は弱くなっていきますので、地球に到達する宇宙線量はさらに増加していくと見られます。

『ヨーロッパ、アメリカ…。発生源はそれぞれ不明ながら、世界中で急上昇し続ける放射能レベル』より引用します。

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ヨーロッパでまたしても発生源不明の放射性同位体が

6月27日に、包括的核実験禁止条約機構の事務局長が、スウェーデンのストックホルムにある放射線センサーで「通常より高い放射能レベルを検知した」と通達しました。

検出されたのは、ヨーロッパの以下の範囲です。

~・中略・~

過去を遡ってみますと、2017年になりますが、ヨーロッパで、たびたび「発生源不明の比較的強い放射能」が検出され続けるという謎の出来事が繰り返されていました。

最初の時には、以下のような記事でご紹介しています。

その原因は製薬会社の汚染漏れかロシアの核実験か、それとも… : 「発生源がわからない」放射性物質ヨウ素131がヨーロッパ全土の大気を覆い尽くした
In Deep 2017/02/22

この時は、ヨウ素131という放射性物質で、それは Wikipedia の説明では、以下のようなものです。

ヨウ素131 – Wikipedia

主に医療や製薬の用途がある。また、核分裂生成物のうち放射能汚染の原因となる主要な存在として、1950年代の野外核実験やチェルノブイリ原子力発電所事故だけでなく、今日の日本の原子力事故に至るまで健康に多大な影響をもたらす存在として認知されている。

ベータ崩壊による作用として、透過する細胞と最高数ミリメートル離れて突然変異および細胞死を引き起こす。

というようなもので、あまり体にもお肌にも良くなさそうなものなんですけれど、この時には、スカンジナビア半島からスペインにいたるまでの範囲で、このヨウ素131が検出されました。

それから 7ヵ月後の 2017年10月、前回のヨーロッパのほぼ同じようなエリアで、またも「発生源不明の放射能」が大規模に検出さました。

しかし、今回は、前回とは異なる「ルテニウム106」という放射能でした。

ルテニウム106という放射能は、「自然界には存在しない」もので、原子炉で作られるもののため、人為的な事故や出来事である可能性が高い出来事と考えられました。

これは、以下の過去記事でご紹介しています。

2月に続き、またもヨーロッパ各地で「発生源のわからない放射能が検出」される。今度は半減期376日のルテニウム106。どこで何が起きているのか
In Deep 2017/10/05

2017年の 2月も 10月も、放射能が検出されたのは、おおむね以下の範囲でした。


Google Map

最も強く検出されたのが、ロシアに隣接する東欧のポーランドなどだったために「ロシアが関係しているのではないか」というような説も出ていましたが、その後、ロシアは、「ロシアの核施設との関係はない」と発表しています。以下は、2017年12月9日の AFP の報道です。

放射性物質ルテニウム汚染、発生源は衛星か ロシアが調査結果発表

ロシアの調査チームは8日、欧州で9月に検出された放射能汚染は、ロシアの核施設とは無関係とした上で、発生源は衛星かもしれないとの見解を示した。

ロシアの気象当局は11月下旬、ウラル地方南部チェリャビンスク州マヤクの使用済み核燃料再処理施設に近い観測所で「極めて高い」レベルの放射性同位元素ルテニウム106を検出したと発表していた。

ルテニウム106は原子炉でつくられ、自然界には存在しない。医療用に使われることもある。

ロシア国営原子力企業ロスアトムは11月、同国の原子力安全機関の科学者たちにこのルテニウム106の発生源の調査を要請していた。

その結果が8日、首都モスクワで報道陣に公表された。この記者会見で調査チームは、マヤクの使用済み核燃料再処理施設が発生源との説を明確に否定した。

調査チームは声明で「現段階では確実な放出源を指摘することはできないが、ルテニウム106を含む衛星や破片などの宇宙物体が大気圏に再突入し、発生源となった可能性を排除できない」と述べた。 (AFP

しかし同時に、フランスにある放射線防護原子力安全研究所は、独自の調査により、この「放射能ルテニウムの発生源」を突き止めたのです。

それは、ロシアのチェリャビンスクという場所の近辺で、つまり「ロシア領内」でした。以下が放射能の発生源だとわかった場所です。

2017年10月のルテニウム106の発生源

Google Map

しかし、ロシア側が「核施設とは無関係」と発表していたため、それ以上はわかりようがなく、基本的には、すべて謎のまま現在に至っています。

そして今回、また、

「発生源不明の放射能が、2017年の事例と同じような場所で検出された」

ということになっています。

しかも、また前回、前々回とは「異なる放射能」なんですね。

前二回は、

・2017年2月 ヨウ素131
・2017年10月 ルテニウム106

だったのに対して、今回検出されたのは、

・セシウム134
・セシウム137
・ルテニウム103

であると包括的核実験禁止条約機構の事務局長は報告しています。

セシウムは、日本の厚生労働省が規制の対象としている核種で、そのようなものが今回、ヨーロッパで検出されているようです。

~・中略・~

アメリカでも再び

「謎の放射能レベルの上昇」といえば、昨年 11月に、「アメリカ全土で異常な数値で放射能レベルが上昇している」ことを、以下の記事でご紹介したことがありました。

アメリカで何が起きている? 西部一帯で放射能レベルが急激に上昇中
In Deep 2019/11/03

アメリカの放射能状況を監視するアメリカ原子力緊急事態追跡センターのリアルタイム・マップが、2019年11月のはじめから、急激に放射能レベルが急上昇していることを示していたのです。

以下は、その時のリアルタイムマップです。

アイコンの見方としては、以下のようになり、地図では、最高警報レベルのアイコンはないですが、警報レベル4のアイコンまでは示されていることがわかります。

2019年11月03日のアメリカの放射能レベルの状況

Nuclear Emergency Tracking Center

緑と黄色のアイコン以外は、すべて警報レベルということになっていますが、突然のように、これらが多くなっていたのです。

今回の記事を書いている中で、「そういえば、ずいぶんと原子力緊急事態追跡センターのマップも見てないな」と思い、久しぶりに見てみました。

そうしましたら、

「状況は悪化している」

のでした。

以下は、現在(2020年6月29日)のマップです。上の昨年のマップでは、警報レベル4のアイコンは 1カ所でしたが、「 6カ所」に増えています。

2020年06月29日のアメリカの放射能レベルの状況

Nuclear Emergency Tracking Center

よくわからないですけれど、警報レベルが 5段階に設定されているということは、レベル 4というのは、それなりに急上昇しているということを示すような気がするのですが・・・アメリカの放射能レベルの変化についてはいろいろとわからないです。

なお、ヨーロッパでこれまで検出され続けているような、ヨウ素131とかセシウム137とか、そういう放射能は、基本的には自然界から発生するものではないようですが、自然界から発生するものもあり、たとえば、上記の 2019年11月のアメリカでの放射能レベルの急上昇が確認された時には、アメリカでのコメントで、以下のようなものがたくさんありました。

「宇宙からのガンマ線の影響では」

「大地震が発生する際に大気のレベルが上昇すると言われるラドンガスの影響では」

「宇宙線量が激しく増加していることが関係しているのでは」

これらのような現象が、どれだけ実際の放射能レベル数値を上昇させるのかは不明ですが、放射能レベルという言葉はともかく、最近は、深宇宙からは繰り返し「謎の無線バースト」が地球に降り続けていて、また、太陽活動が弱まっていく中、宇宙線量は「過去最大量を更新しようと」しています。

地球に送信され続ける謎のバーストを報じる6月9日の米CNN報道

Mysterious radio burst from space repeats pattern

地球で観測される宇宙線量は、その観測史上最高記録までもうすぐ

cosmicrays.oulu.fi

いろいろと、現在の地球は、「宇宙から刺激を受け続けている」ようなのですね。

これらの宇宙からの刺激の「現実的な影響」は具体的にはわかりようがないですが、たとえば、可能性のひとつとして、宇宙線により以下の記事に書いたような影響は続きそうです。

地震も火山の噴火も「宇宙線」がトリガーとなっている可能性を再確認してみる。そして、仮に超絶エネルギーを持つ「一次宇宙線」が増加し続けるとすれば?
In Deep 2019/10/16

また、数日後に迫る 7月4日は、アメリカ独立記念日として知られますが、今年 2020年のこの日は、

「史上最強の惑星直列が起きる」

されています。

惑星の配列が地球の事象に何らかの影響を及ぼすかどうかについては、以下の記事に、米コロラド大学の研究者たちによる「月が地球の自転を減速させており、それが大地震の発生と関係している可能性」があることを突き止めたことにふれていますが、このあたりから、「惑星の配置と地球の地震の関係があるかどうか」ということに関しては、正確な因果関係はわからないものの、

「それはある」

と言えるようです。

地震にも「惑星の配列」が関係している可能性 : 「巨大地震を誘発する地球の回転速度の低下」を引き起こしているのが「月」であることがアメリカ地球物理学連合において発表される
In Deep 2019/06/16

今年 2020年は「起き得ることは何でも起きているような年」というようなイメージもありますが、今後も、いろいろ起きていく雰囲気も強い中、何もなければそれでいいのですが、7月中旬くらいまでは、世界中で「地質的にやや慌ただしい時」が続くかもしれません。

List    投稿者 asaoka-g | 2020-07-02 | Posted in C01.宇 宙No Comments » 

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