スミルノフ物理学をより深く理解するために⑤~負の質量とはなにか?
スミルノフ物理学⇒物理学(宇宙論)と生物学(生命の誕生・進化)が繋がってくる では
S極磁気単極子:負(比透磁率が1より小さい場合をいう)のエネルギーの左巻きS極系エーテル繊維が1箇所にとぐろを巻いて固まった、負の質量、左手系の光学活性を持っており「磁気系」
と書きました。スミルノフ物理学をより深く理解する上でも、これまでの宇宙論(万有引力、ビッグバン論)では説明できなかった事象や生命誕生に迫る上でも「負の質量」という概念はとても重要です。
今回は、「負の質量」とはなにか?どのような現象として理解すればよいのか?について迫っていきます。
「負の質量」とは何か?に迫っていくために、2017年4月に物理学会が発行する学術誌『Physical Review Letters』に掲載された、米ワシントン州立大学の研究者らが「負の質量」を持つ物質の生成に成功したというニュースを紹介します。
〇米ワシントン州立大学の研究者らの実験
ルビジウム原子を絶対零度付近にまで冷却し、ラマンレーザー(※1)でスピン軌道相互作用を引き起こすことで、「負の有効質量」を持つ流体の生成に成功したとのことです。
(「負の有効質量」自体は、半導体などの世界でも見られる現象です)
(※1)ラマンレーザーは、原子同士の反発力によって拡張するルビジウム原子の超微細構造の状態を変換したり戻したりし、流体に運動量を伝達する。そうしてルビジウムの原子は勢いよく左右に拡張する。
この研究を率いた米ワシントン州立大学の物理学者、マイケル・フォーブス准教授のインタビューを紹介します。
「わたし達の実験では、並進不変性を保ちながら『負の有効質量』を生成します。したがって、潜在的な可能性のいくつかにより導き出された複雑な性質ではなく、この効果が事実、『負の有効質量』から生じることを明確に証明することができるのです」
「ルビジウム原子にはもともと反発し合うという特性があるので、互いに間隔を置きたがります。わたし達は、まずそれらのルビジウム原子をレーザーで狭いスペースに押し込め、そのレーザーをオフにして、これらの原子を解放し、拡張させました。そして、ここでスピン軌道相互作用を引き起こすラマンレーザーを使用します」
「最初はルビジウムの有効質量はポジティヴであり、原子同士の反発による外向きの力が原子の雲を拡張させます。しかし、原子の雲の右側が十分な速度で動き始めると、その有効質量は『負』になります。この時点で、原子の反発による外向きの力は、加速するよりも、むしろ減速し始め、流体は突然立ち止まって積み重なります。場合によってはこの積み重なりを止めることができ、『自己束縛』に繋がります」
「別の興味深い特性は、質量が負になると、流体が不安定になり、大きく振動し始めるということです。イメージとしては、液体の入ったカップを車に入れて運転するような感じです。車が加速すると、カップ内の液体は車の加速に反応して僅かに後退しますが、劇的な変化はありません。加速している車の力は、カップを通して流体に伝わり、流体は車と共に加速します。しかし、車のスピードが上がり、負の質量の領域に達すると、液体はカップの後方に突然はね上がって、この不安定性のために激しく泡立つのです。最終的に、流体が十分な速度で移動し、負の質量領域を超えると、このモーションは再び緩やかになります」
「『負の質量』という言葉を使って混乱させてしまったのは、わたしたちが真空で『負の質量』をもつ流体を生成したと思われたからでしょう。有効質量とは、粒子そのものの質量というよりも、質量はシステムに存在するという意味を持ちます。この実験の場合、スピン軌道相互作用を生じさせるラマンレーザーがこの“システム”に当たります。ラマンレーザーが存在しない場合、ルビジウム原子の拡張は通常通り、正の質量であるF=maに支配されます。しかし、このレーザーの影響下で流体が動くと、拡張はF=m(p)aに依存することになります。ここでのm(p)は運動量に依存する有効質量であり、原子が適切なスピードで動いたとき、それは『負の有効質量』を有することになります。しかし、この効果はレーザーなしでは持続しません」
「わたし達が生成したものは実用的な意味での『負の質量』を持つ物質です。ここで示すことができたのは『負の質量』を持つ物質が存在する可能性であり、その特性を議論して測定するのは理にかなっているということです。しかしわたし達は、『負の質量』をもつ流体が非常に奇妙なふるまいをし、とてつもなく不安定だということも実証しました。『負の質量』は、特定の速度範囲のみ実現可能であり、一度それが不安定になると、流体は加速または減速をしてしまい、通常の質量に戻ってしまうのです」
スピン軌道相互作用については、スミルノフ物理学をより深く理解するために②~相対論的効果(スピン軌道相互作用)とはなにか?でも書きましたが、
スピン軌道相互作用とは極小のエネルギーで様々な作用を及ぼすことであり、その最も日常的なものは「磁力」。
磁力空間ならば、スピン軌道相互作用が日常的に作用する
米ワシントン州立大学の研究結果より、上記の環境下ならば「負の質量」が生成されるという現象事実。
負の質量(負のエネルギー)は収縮系のエネルギー空間であり、何かを生成する空間として作用する。
上記の現象事実がつながってくると、生命誕生の仕組みへとつながるという期待感をもちます。
【参考】WIRED
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