東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か1~基礎編~
東北地方太平洋沖地震は、未だ被害の全容がつかめず、安否確認もできない状態が続いています。被災された関係者の方々には心よりお見舞い申し上げます。また、福島原発も同様に、新たな問題が出るたびに、何が起きているのか、事実は何なのかを皆各々に探索していることと思われます。(マスコミ発の情報があてにならないことは、今回も一層際立っています。)
このブログでも、過去原発について、基礎的な原発の仕組みから、原発の問題性、表には出てこない原発の実態、原発推進の背景にある政治、金融の動きなど、あらゆる角度で追求してきました。今回から暫くは、原発の実態をつかみたいという皆の期待に応えるべく、それらの投稿をもとにした緊急シリーズ「東北太平洋沖地震~原発は必要か否か~」を記事にしていきたいと思います。
また、原発は人類も含めた生物を間違いなく滅亡へと導くものです。この災害を機に、原発の実態をきっちり認識し、廃絶にむけての機運を高めていけるよう、シリーズを連ねていきたいと思います。
まずは、原発の基本的な仕組みから。
・地球上のあらゆる物質は原子から成り立っており、天然には92種類の原子が存在する。
・原子は正の電荷を持つ陽子と電荷を持たない中性子からなりたつ原子核と、そのまわりにある負の電荷を持つ電子から成り立っている。
・普通、陽子と電子は同数で電気的に釣り合っている。
・陽子数に合わせて原子番号がつけられている。
まとめると、
・原子=原子核(陽子+中性子)+電子
・陽子数=電子数=原子番号
となります。
同じ原子でも原子核内の中性子数が異なる場合もあります。
これらを同位体(アイソトープ)と呼びます。同位体の中には、自然界に安定して存在するものと、加速器や原子炉で作られる安定でない放射性アイソトープとがあります。
例えば、ウランは原子核に92個の陽子をもっているので原子番号は92。しかし、中性子を142個もつものと143、146個もつものが天然に存在します。143個もつウランは、ウラン235、146個もつウランがウラン238となります。自然界に多いのは核分裂しにくいウラン238です。天然ウランには、核分裂するウラン235は0.7%しか含まれていません。なお、原子力発電では、ウラン235の含有量を3~5%に高めたものを燃料として使います。
1-(2).核分裂とは?
なぜ原子力発電ではウラン235を燃料として利用するのでしょうか?
それは、ウラン235が自然界の物質の中で唯一、核分裂の連鎖反応が可能な物質だからです。
では、その連鎖反応について見ていきます。
①まず、このウラン235に中性子があたる。
②一回目の核分裂が引き起こされ核分裂生成物に変化。変化の際、熱エネルギーが発生。
③分裂時に原子から2個~3個の中性子が飛び出す
④この中性子が別のウラン235に当たり次の核分裂を引き起こす。
⑤この核分裂時にも熱エネルギーが発生。
⑦この連鎖が原子レベルで繰り返され膨大な熱エネルギーを発生する。
ややこしいと思われる方は、右のイメージ画像をご覧ください。
ネズミ算式に増えていく様がよくわかります。
1-(3).核分裂のコントロール
核分裂の連鎖反応は物凄いスピードですすみます。
広島に投下された原子爆弾(64キロのうち1キロ弱のウラン235が核分裂)は、10万分の1秒という時間で爆発しました。核分裂はスピードが速すぎるので、スピードを制御しないと使い物になりません。
最初に核分裂のコントロール。
実際の原子力発電では、核分裂をゆっくりと継続的に起こさせるため、中性子を吸収する「制御棒」とよばれるもので中性子数をコントロールし、単位時間当たりに起こる核分裂反応(連鎖反応)を一定の状態にすることで「臨界状態」を保っています。また、「制御棒」による中性子の吸収量を調整することで、発電出力をコントロールしています。
次に中性子の減速。
核分裂によって放出された中性子は光の速さの約10分の1という物凄いスピードで、速すぎて効率良く核分裂を起こすことができません。そこで中性子の移動速度を落とすための「減速材」を用います。減速材はそのまま原子炉の名称として用いられることが多く、日本で稼動している商用原子炉は水(軽水)が使われているために「軽水炉」と呼ばれます。重水が使われるものを「重水炉」、黒鉛が使われているものを「黒鉛炉」と呼びます。軽水炉の場合、原子炉内が大量の水で満たされており、これにより核分裂反応の速度を一定レベル以下に落とします。
この結果、原子力発電の場合は、ゆっくりと核分裂していきます。100万キロワット発電の原子力発電では、1キロのウラン235を8時間かけて核分裂させるというスピードとなります。
上記のように、水と制御棒により、緩やかに核爆発させているのが原発の原理で、この制御が安全性の要となります。中性子の制御ができず暴走・爆発したのがチェルノブイリです。(今回の福島原発は、報道によるとすでに制御棒による緊急停止措置が行われ、核分裂反応が行われていないとのことだが、この真偽は棚上げとします。)
この核爆発によって得られたエネルギーで蒸気を作り、タービンをまわして電気をつくっていますが、上述のように、非常に危険な制御のなかで行われており、一歩間違えば大惨事を引き起こします。そしてチェルノブイリやスリーマイル島など大惨事を引き起こすたびに、原発廃止の声はあがりましたが、今では原子力シフトへと時代は突っ切っています。それは何故か。
その1つの切り口としてウランを見てみます。ウランは、天然ガスや石炭、石油と同様に、自然に存在する限りある資源の1つ。また、他の資源と違い、ウランは非常に限られた場所にしかないため、国際的に独占しやすい状態となります。
~ウラン資源は寡占状態~
世界のウラン資源の埋蔵量は、ウラン換算で、473万トン程です。その内、オーストラリアが114万トンで最大です。次いでガザフスタンの81万トン、カナダの44万トン、米国・南アフリカ34万トンと続きますが、図の○で表示されている国を数えますと、13カ国しかありません。
石炭の場合は、殆どの国に資源があります。また、石油・天然ガスも、規模は様々ですが、40~50カ国に資源があり、生産されています。
13カ国というのは、非常に限られています。
その上に、輸出量が最大のカナダの例では、サスカチュワン州のアサバスカ堆積盆地にウラン鉱山が集中しています。
国が限定され、鉱山の場所が限られていますので、鉱山・鉱区は、ウラン資源開発会社により独占されやすいのです。
企業別のウラン資源保有量は、2005年にオリンピックダム鉱山(豪)を企業ごと買収取得したBHP Billiton(豪・英多国籍メジャー)およびISL(インシチュ・リーチング法)で生産可能な資源を豊富に有するKazatomprom(カザフスタンの国営会社)の2社で世界の40%強を占めている。
また、この2社にCameco(カナダ)、ArevaNC(フランス)、Rio Tinto(英国)-子会社ERA(Energy Resources of Australia Ltd)を加えた5社で世界の当面の開発対象資源量の2/3近くを占める寡占状態である。
1973年10月には第1次オイルショックによって価格は一気に上昇しますが、1979年3月のスリーマイル事故以降、年々下落していきます。
そして、2003年前半ごろまではスポット契約価格が1ポンド当たり10ドル前後で推移していましたが、2004年7月には18ドルを超えています。(今年(2007年)6月には136ドルを記録して、その後も70~80ドル前後で推移しています。)
以上のように、ウランは寡占状態のなか、地球温暖化問題の潮流を契機に価格は上昇していきます。これが何を意味するのか。
「ロックフェラー 対 ロスチャイルド」って何?(2)
エネルギー問題では、伝統的に石油利権に依って立っているのがロックフェラーであり、したがって石油利権を求めてイラクを侵略した。一方、原子力を推進するのが、ロスチャイルド。温暖化の問題も、石油から原子力へエネルギー構造を転換したいロスチャイルドの思惑で始まったもの。温暖化を煽った米民主党(ゴア)はロスチャイルド系。京都議定書から離脱した米共和党のブッシュが石油会社を主要な支持基盤としている。
「国連」は常任理事国五カ国のための組織】(千葉邦雄 ニュースの落とし穴)より
北朝鮮より、はるかに実戦で核兵器を一番使いそうな国は「イスラエル」であり、すでに核実験をおこなったことを認めた「パキスタン」「インド」「南アフリカ」であり、「ブラジル」のはずだ。これらの本当に危険な国を、なぜ国連のIAEAが査察をおこなわないのか。日本のメディアが北朝鮮の核兵器を問題にしながら、青森県六ヶ所村で建設中の《世界最大のプルトニウム工場》を問題にしないのはあまりにも不可解である。
ここには隠された物語がある。それはウランを地球規模で支配するロスチャイルド金属財閥の力が働いている。フランス人のゴールドシュミットが、この国連の国際機関IAEAの原料《ウラン・プルトニウム》部門を支配し、牛耳っているからである。したがってIAEA議長のゴールドシュミットに楯突くことは、誰にもできないのだ。それはパリとロンドンにあるロスチャイルド銀行にNO-と言うことになるからだ。
以上のように、原発の危険性や、廃棄物問題など現実の問題とは別の次元で、原発推進は行われています。この背後の政治・金融の構造は、後々の記事で掘り下げますが、明日の記事では原発による被害・実害や、原発で働く人々の実情について生々しく記事にしたいと思います。
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/03/848.html/trackback
under the sea | 2012.02.09 22:32
手書きの絵が、すばらしくわかりやすいです♪
ありがとうございます☆
>この論文で扱った熱の移動が非常に大きな幹線の移動だとすれば、そこから四方八方に枝道となる熱移動の経路があるはずで、その移動経路上で地殻に変化が現れ、地震に繋がるのではないか?
この理論、なんだかマグマ仮説とも、かぶってきそうな部分がありますね。
本気で追求すれば事実は見えてくるのか?
続きも楽しみにしています!