2011-03-22
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か8 核エネルギーを利用した発電システムの概観
今回の震災を機に、本ブログに入会させていただきましたmatuhide@worldです。会員の皆様、読者の皆様、よろしくお願いいたします m(_ _)m
管理人様と相談した結果、本ブログで以前扱われた『次代を担う、エネルギー・資源 1・2・3・4 』を要約・再編集する形で‘核エネルギーを利用した発電システム’をテーマに、シリーズに参加させていただきます。
原子力というと、核反応ばかりに注目が行きがちですが、もっと単純化して実態構造をつかんでみます。
まず、交流電気は、何かのエネルギーを使ってタービンという羽根車を回し、その羽根車が発電機を回すことによって作り出されます。例えば、火力発電なら石油で水を沸騰させて出来た蒸気で、水力発電なら落下する水で、羽根車を回しています。
そして原子力発電では、核分裂の際に発生する熱エネルギーで水を沸騰させ水蒸気を作り、それで羽根車をまわしているのです。単純化すると、核分裂エネルギーで大きなヤカンを沸騰させて、そこから出てくる蒸気で羽根車を回しているわけですね。
まず、核分裂を起こすには中性子が必要です。何らかの方法で核燃料に中性子を当てると分裂し、その中から「熱」と「中性子」が飛び出します。飛び出した熱を電力として利用するには、発電機まで運び出す「熱搬送媒体(=冷却材)」が必要です。
また、電力を継続的に生み出すには、この核分裂で飛び出た中性子を周囲の核燃料に当てて、連鎖的な核分裂(=臨界状態)が必要です。そのためにはこの中性子の速度を落とす必要があり、この働きをするものを「減速材」と言います。
この「熱搬送媒体」と「減速材」が炉の構造に必要不可欠な要素ですが、いずれも軽水(普通の水)が使用されています 。