2011-03-30
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か16~原発業界に蔓延る「神話」それは原発導入の経緯にある
これまでこのシリーズでは、原子力発電の原理から、危険性について扱ってきました。しかしそもそも何でこんな危険な原発を導入するにことになったのでしょうか?その歴史や背景をこれから探って行きたいと思います。
そもそも日本の原発数はどのように推移してきたのでしょうか?まずは近年の原発着工数でその推移を見てみましょう。
1979年米スリーマイル島事故、1986年露チェルノブイル事故を踏まえても、日本の原発建設に大きな変化はなく、70年80年代は原発建設を推進しているようです。
90年代に大きな落ち込みを見せている点でいえば、まるで日本経済そのものの動きのように、高度成長期には続々建設を行い、バブル崩壊によってブレーキがかかったとも見えます。97年京都議定書を受けてCO2削減圧力から再度建設が復活しています。
原発は電力会社による“投資”と捉えれば理解できますが、果たしてこんな企業任せでよいのでしょうか?原発の「安全」というものはどこが負うのでしょうか?
2008年6月19日の新潟新報に興味深い記事がありましたので紹介したいと思います。
実は原発業界には、一般市民の感覚では理解できない2つの神話が存在してきたというのです。
1.新品神話~何年経っても新品同様
どんな設備や機器も時間が経てば老朽化し、破損したり、故障するのが常識ですが、原発業界には、「原発の機器はいつも新品」という神話があるそうです。神話というよりも“単にそうゆことになっている”というだけのことなのですが・・。
かつて東京電力で火力発電担当だった竹内哲夫氏が、原発の使用済み核燃料の再処理などを行う日本原燃の社長に就任したとき、そこで部下が発した言葉にもショックを受けたそうです。
(引用)
「社長、故障するなんて言わないでください」
その部下を強くしかりつけたことを竹内は鮮明に覚えている。
「機械は故障するもんだ。何を言っているんだ」
火力発電では故障したことを報告しなければ、修理代の予算も付かない。そうした普通の世界からは想像もつかない“原子力部門の常識”の異様さを目の当たりにしたのである。
竹内は「『壊れますよ』と言えない社会。技術屋から見るとすさまじい話。昔は『隠せ』『聞きたくない』という社会だった」と振り返る。
(引用終わり)
原子力業界が「新品」に執着してきたのは、なんで?
で続きを行く前に、応援を ポチッ 🙄 とお願いします