東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か26~シリーズのまとめ
3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震による福井原発の大惨事を受け、緊急企画『東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か』シリーズを、ここまで25回にわたり発信してきましたが、いよいよ終わりに近づいてきました。
(しかしながら、今後も、原発に対する記事は、継続して定期的に発信していきますので応援よろしくお願いします。)
このシリーズは、福島原発の大惨事を受けて、改めて安全でクリーンエネルギーと思い込まされてきた原子力発電は、人類がコントロールできるものではなく『自然の摂理に反し、人類滅亡にも直結するもの』ではないか?という問題意識から出発しました。
この問題意識が事実なのかどうかを詳細に確かめるために、原発の基礎から遡り抑えなおし、皆が同じように考える土俵づくりから、その問題性と原発が推進された原因構造、そして今後どうしていくのか、について展開してきました。
今回の記事は、ここまで発信してきた『東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か~』シリーズ記事を、概観、検索しやすいように、カテゴリーに振り分け目次形式でまとめてみました。
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A.原発の原理
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か1~基礎編~
○原子力発電の仕組み
○水と制御棒により、緩やかに核爆発させているのが原発の原理東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か8 核エネルギーを利用した発電システムの概観
○原子力に必要な要素って何?東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か2~放射線、放射能って何?~
○放射線、放射能物質、放射能。放射の種類。放射性物質と半減期東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か14~放射線はどのように広がっていくのか、またそれが肉体にどのように影響するのか、の放射線の原理~
○原子炉の中では、運転するにつれて放射性物質(核分裂生成物)増えていく
○原子炉の中には膨大な量の放射性物質(核分裂生成物)が存在するという認識が重要
B.原発の問題
-1.被爆
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か2~放射線、放射能って何?~
○放射線の人体への影響
○『原発がどんなものか知ってほしい』~ある現場技術者からの告発~東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か14~放射線はどのように広がっていくのか、またそれが肉体にどのように影響するのか、の放射線の原理~
○無数の原子からなる塵状の時限爆弾が、風に乗って運ばれていく
○運ばれてきた放射性物質は2つの作用を及ぼす
○人体の外からやってくる放射線(外部被曝)
○人体に入ってから放出される放射線(内部被曝)
-2.放射性廃棄物
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か2~放射線、放射能って何?~
○半減期が7億年の放射性物質から、半減期が45億年の放射性物質が生成東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か11・原子力は放射性廃棄物の処理の目処もたたないままに推進されてきた!~
○再処理しても核廃棄物が減ることはない東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か10~原子力発電に伴う廃棄物処理という宿命~
○再処理とは安全に処理することではなく、核廃棄物の中からプルトニウムを取り出すことであり、その他は埋めるしかない
○軽水炉などの濃縮ウランを用いた核廃棄物から再処理する技術は、非常に困難であり、未だ確立された技術ではない
○プルサーマルや高速増殖炉を実現させるには、再処理技術の確立が絶対条件
○高速増殖炉は(プルサーマルも基本的には同じ)燃料生産のためであり、最終処分の問題は何も解決していない東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か12~自然の摂理を踏み外してしまった原発技術開発
○発電が終わったら出るゴミ=放射性廃棄物(核廃棄物)は数万年の間、放射線を出し続ける
○放射線にしても崩壊熱にしても、人間の生きている時間スケールを逸脱した期間の間、管理し続けなければならない
○放射性廃棄物が増えて蓄積されるということは、「隔離された閉塞空間」が地球上に増え続けることに他ならない。
○このまま原子力発電を続ければ、確かに目先のエネルギーを得ることはできるが、それと引き換えに急速に閉塞空間が増えていき、社会活力の衰弱が進行していく。
-3.事故と耐震(安全神話)
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か7~世界の原発建設動向~
○日本の原子力関連事故一覧東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か 5~1978年9月以前に着工された原子炉25基は原子炉設置基準を満たしていない~
○1978年9月以前に着工された原子炉25基は、耐震基準を満たしていない
○日本の原発のうち最大耐震性を持つ浜岡原発3・4号機の耐震性でも神戸・淡路地震の最大加速度(833ガ ル)には不十分
C.原発推進の実態
-1.原発推進の背後
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か7~世界の原発建設動向~
○アメリカ、フランス、日本が突出して多い。世界全体の約30%東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か9~原子力を巡る世界の動き、米独は開発取やめ、日仏は推進、なぜか。官僚主導の弊害では?
○原発推進の日本、フランス東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か1~基礎編~
○ウラン資源は寡占状態東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か 4~原子力産業の再編:BWRとPWRとは?~
○国際金融資本家がその新たな利権構造を目当てに投資していく。
-2.原発の日本導入の経緯
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か16~原発業界に蔓延る「神話」それは原発導入の経緯にある
○日本に原発を積極的に導入したのは、日本に原爆を落としたアメリカ
○日本側といってもその中心となったのは、中曽根康弘氏、正力松太郎氏、児玉誉士夫氏の3人。彼らは「原子力」というツールを使って自らの私権拡大を目的としていた。東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か3~そもそも見切り発車だった原子力発電~
○わが国の原子力発電が、どのような展望を持って推進されてきたのか
-3.原発のウソと騙し
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か17~「原発キャンペーン=騙し」による洗脳という事実
○読賣新聞による原子力平和利用キャンペーン
○日本テレビによる原子力平和利用キャンペーン東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か18・原発がCO2を排出しないのはウソ!~
○燃料のウランを作り出すために大量のCO2を排出している東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か23~「原発は、頭のてっぺんからつま先まで“ウソ・騙し”」
○原発導入での“ウソ・騙し”
○原発推進での“ウソ・騙し”
○原発の安全神話での“ウソ・騙し”
○原発が必要な理由の“ウソ・騙し”
○福島事故後の“ウソ・騙し”
D.原発推進の根本的原因
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か13~治外法権を確立してきた原発推進体制~
○原子力発電の何が危険なのか~推進体制が孕む危険性
○超集団=社会を統合する組織が単一の集団である、という点が、「官僚機構」の最大の問題
○特定の専門家集団の暴走(官僚機構の際限のない肥大化)
○日本が原子力開発を推し進めたサブガバメント組織とは、経済産業省(旧通産省)・文部科学省(旧科学技術庁)・これら官僚機構の所轄団体である、独立行政法人等(核燃料サイクル開発機構等)・経済産業省支配下の10電力会社の利害を共にする連合組織。東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か24~『統合なき専門家体制』の末期症状(暴走)-その1 己の保身を第一とする無能者が社会統合の位置に陣取っていることが根本問題
○福島原発の大惨事は、一企業の東電が犯した事故で済ましてはならない
○本質は、「原発推進を犯した国の大きな過ち」であり、大惨事はその必然の帰結である
○そしてそれは、『社会統合という最重要課題が分業体制(専門家体制)によって担われてきたが故に、「国益より省益、省益より私益」と、狭い専門領域に閉じこもり己の保身を第一に考える(=無能)者が、社会統合の位置に陣取り権力を振るっていること』に根本問題がある
E.福島原発をどうする?
-1.避難
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か 15~福島原発からどこまで避難すればいいのか?~
○30km範囲内は放射線管理区域に指定。そして、住民は80km県外へ疎開。
○チェルノブイリ原発事故による放射能影響では、子供の場合、被曝量が一年あたり0.13~2.24mSvで低血圧症ならびに心臓疾患のリスクが増加
-2.情報公開
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か21~ 放射性物質の測定結果は正しく情報公開されているのか?その1
○福島原発問題以降、政府やマスコミによる情報統制が進んでいる
○特定しやすい物質しか報道していない東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か22~ 放射性物質の測定結果は正しく情報公開されているのか?その2
○「発生する可能性のある重要な放射性物質」は何なのかの調査対象を先に公表する
○「調査した結果発生しているのか」、それとも「調査に時間がかかり検証中なのか」、または「調査した結果、発生していないのか」といった全ての状況の公表
○現在のような統制された情報公開の体制は一切止め、日本各地の測定センターや大学等の研究室などで測定された情報は即時に政府や国民に「同時に」公表
-3.内部被爆を防ぐ ⇒ 爆発を防ぐ
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か14~放射線はどのように広がっていくのか、またそれが肉体にどのように影響するのか、の放射線の原理~
○内部被曝の重要な監視対象放射線は貫通力が弱く、安全だと思われがちなα線
○なぜプルトニウムが猛毒と言われるのか?・・・死の灰
○水蒸気爆発などで舞上るようなことがあれば、日本だけの問題ではなくなるくらいの大惨事になる可能性がある。そのため、日本の国力をすべてかけてでも飛散を食い止める必要がある。
○この危機を乗り越えるためには、発生し続ける熱を取るための新たに「冷却システム」と、飛散防止のための「封印システム」を構築し、それに新たなエネルギーを投入して運転しながら何十年も管理し続けるしかない。
-4.復興費の捻出
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か19 原発推進への逆流をさせないために その1 福島県の反乱
○危険な原発を、供給区域外の福島県と新潟県へ押し付けてきた東京電力と首都圏
○福島原発が発電する電力は、全て、首都圏に供給され、福島県は1Kw時も利用していない東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か20 原発推進への逆流をさせないために その2 首都圏住民の消費削減、脱原発が焦点
○東京電力の倒産、国有化
○東京電力料金の大幅値上げは、過剰消費をかえるきっかけになるか
F.次代の電気・エネルギーの構築に向けて
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か 6~原子力が無くても日本の電力は不足しない~
○全電力会社の設備概要と電力消費量
○原発は、発電所の最大出力の30%に満たない
○原発が無くても日本の生活や経済は成り立つ東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か13~治外法権を確立してきた原発推進体制~
○環境問題の改革を進めるには、新しい社会統合機構が不可欠!8『官僚制の突破口は、「半専任・半事業⇒参勤交代制」』
○消費者自らが『どのようにエネルギー供給を担っていくか?』『社会全体のエネルギー供給はどうあるべきか?』といった新たなエネルギー開発の政策やシステムを考えていく東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か25~『統合なき専門家体制』の末期症状(暴走)-その2 私たち自らが事実を紡いで答をだし社会を動かす
○『誰もが「当事者」として社会を動かす』土俵に乗ること
○次代のエネルギーシステムは、「供給者=使用者」の視点に立った『地域分散型エネルギーシステムの構築』こそが答。
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福島原発は、海水中へ高濃度の汚染水が漏洩するなど、事態はより深刻になってきており、予断を全く許さない状況です。
そして、現在の危機的状況を何とか運よく乗り越えられても、現在生きている私たちが、子孫へ多大な負の遺産として押し付けることになる、廃炉に向けた長く厳しい道のりが始まります。
今回の大震災により私たちはかけがえのない大切なものを多く失いました。そして、これからも子孫に多くの犠牲を強いることになります。
途方も無い犠牲者をだした今回の大惨事は、せめて今後に活かす必要があります。その為には、電力・エネルギーを今後どうしていくのか?を本気で皆で考えていけるかにかかっています。
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