2011-04-02

東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か19 原発推進への逆流をさせないために その1 福島県の反乱

現在、民主党政権(菅直人)は、福島第一原発の1~6号炉の廃止方針と14基以上になる原発計画の白紙検討を明らかにしています。 
 
福島第一原発の人災(原子力安全委員会、原子力安全・保安院及び東京電力による大地震・津波想定の無視)により、「原子力は安全でクリーンなエネルギー」、「原子力ルネッサンス=CO2を排出しない温暖化を防止する原子力発電」という神話(洗脳)が破綻し、原発の危険性が誰の目にも明らかになり、廃炉と新規計画の停止に追い込められました。 
 
img_top_20110215-2.jpg
写真は、第1回の原子力ルネッサンス懇談会(2011.2.14東京)です。中央で挨拶しているのが、有馬朗人元東大総長、元文部大臣(地球を考える会座長)です。左端に座っているのが、東京電力会長の勝俣恒久氏です。 
 
一方、夏場の電力ピーク時には、電力使用量が、東京電力の供給力を大幅に上回り、電力制限令(電力使用量の制限)を発動することが検討され出しました。 
 
電力制限(計画停電と使用量の強制削減)は、東京電力区域の国民、企業、団体に多大な影響を及ぼし、「やっぱり電力は使い放題使いたい」、「電力制限されるぐらいなら原発の危険性に目をつむろう」という声が拡大してきます。 
 
原子力安全・保安院のスポークスマンである西山審議官は、3月下旬段階で、WSJ(ウォールストリートジャーナル)のインタビューで、『原発に対する国民の声は厳しいが、電力を原発で供給するという現在のフレームが変わることはない』と高言しています。 
 
今回は、事態が沈静化するとともに、原発路線への回帰、逆流が始まります。そこでの争点をとり上げてみます。 
 
1.福島県の反乱、無縁の首都圏に電力を送るのはもうやめよう 
2.東京電力の倒産、国有化 
3.東京電力料金の大幅値上は、過剰電力消費をかえるきっかけになるか 
 
長くなりそうなので、「1.福島県の反乱、無縁の首都圏に電力を送るのはもうやめよう」をこの記事ではとり上げ、「2.東京電力の倒産、国有化」と「3.東京電力料金の大幅値上は、過剰電力消費をかえるきっかけになるか」を次回で扱います。 
 
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1.福島県の反乱、無縁の首都圏に電力を送るのはもうやめよう 
 
危険な原発を、供給区域外の福島県と新潟県へ押し付けてきた東京電力と首都圏 
 
福島県は原発を受け入れてきましたが、その原発が発電する電力は、全て、首都圏に供給され、福島県は1Kw時も利用していないのです。東京電力の電気を使うという視点では、福島県は首都圏とは無縁な県なのです。 
 
その事をまずは、確認してみます。 
 
東京電力の電力供給エリアは、首都圏の1都7県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬、山梨)と静岡県の富士川より東側の地域です。 
 
一方、東京電力の発電所の構成と所在地をみてみましょう。 
 
水力発電所は、160箇所852万KW、火力発電所は26箇所3,637万KW、原子力発電所は3箇所1,731万KWです。 
 
主要な火力発電所の所在地は、神奈川県、千葉県が各5発電所、東京都と茨城県が各2発電所、そして福島県が1発電所(広野火力発電所380万KW)です。福島県の広野火力を除いて、全て東京電力の供給区域の中にあります。 
 
原子力発電所は、福島県の第一・第二発電所(合計937万KW)と新潟県の柏崎刈羽発電所(821万KW)です。この関係を図にすると下のようになります。 
 
 
 
図は林将之さんのツイッターより 
 
東京電力は、電力供給区域ではない福島県と新潟県に、危険な原子力発電所を建設してきたのです。
中央政府、経団連、東京電力及び首都圏住民が、過剰な電力消費のつけを、福島県と新潟県に押し付けてきたのです。 
 
この押し付け意識、福島県民は東京電力の消費者ではないこと・消費者としての福島県民の声を無視できることが、大地震・津波を無視した原発運転の背後にあります。 
 
なお、福島県への電力供給は、東北電力が行なっています。しかし、福島第一発電所へは、東北電力からの電力供給のルートが存在しなかったようです。原発が止ることはない、電力は自前で確保できるとしていたのです。だから、非常用発電が止った時、福島第一原発は、全く電力供給がなくなってしまい、慌てて東北電力からの供給ルートを引いていったのです。 
 
廃炉方針を巡る福島県民の中央への不信感 
 
原発事故直後から、福島県の中に、政府と東京電力に対する不信感が蓄積されています。

廃炉を前提とした対応を(郡山市長ブログ、3月23日) 
 
郡山市長の原です。 
 
東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応について、去る3月19日に行った私の記者会見の内容を掲載しますので、ご覧いただき、ご意見をいただきたと思います。 
 
記者会見内容(3月19日)
郡山市民の避難状況につきましては、懸命な復旧活動の結果、当初の約1万人から約3千人に減少をしております。 
 
しかし、原発の事故に伴い、県内各地からの本市への避難者数は、5,000人以上となっており、避難されてきた方々は、大変不便をしております。 
 
特に、病気の方々に対しましても、本市の医療関係機関に懸命な対応をしていただいておりますが、医療品等に不足が生じつつある状況にあります。 
 
大震災発生以来、私は、職員はじめ関係者の方々と市民の安全・安心の確保のため、全身全霊を持って対応してまいりました。 
 
原発事故に関しましては、今日まで、国と東京電力の事故に対する対応のあり方について正確に情報を把握することができませんでしたが、本日の新聞報道を見て大変驚きました。 
 
国と東京電力は、郡山市民、福島県民の命を第一とし、原発「廃炉」を前提に対応しているものと考えておりましたが、国・東京電力は、今後の産業・経済を優先し、「廃炉」を前提としたアメリカ合衆国からの支援を断ったことは、言語道断であります。 
 
私は、郡山市民を代表して、さらには、福島県民として、今回の原発事故には、「廃炉」を前提として対応することとし、スリーマイル島の原発事故を経験しているアメリカ合衆国からの支援を早急に受け入れ、一刻も早く原発事故の沈静化を図るよう国及び東京電力に対し、強く要望すると同時に、この件に関し、海江田経済産業大臣に直接電話で要請いたしました。 
 
また、佐藤県知事、佐藤県議会議長及び渡辺いわき市長などと電話連絡をとり、市民あげて、さらには県民の方々と一緒に国と東京電力に強く訴えたいと思います。

廃炉を前提とした対応を

郡山市民の安全を第一に考え、被災県民を多く受け入れていた原市長は、3月15日の水素爆発後の原発事故対策は、当然ながら廃炉を前提に取り組まれるものと考えていました。 
 
しかし、中央政府・経済産業省・東京電力(経団連)及びマスコミはそうではなかったのです。 
 
東京電力が「廃炉方針」を正式に発表したのは、3月30日の勝俣会長の記者会見です。このギャップは、不信感として福島県民に蓄積しています。 
 
現場重視で、独自の避難方針をだした福島県 
 
避難区域指定の混乱(20km以内完全避難、20~30km区域は屋内避難、その後自主避難)に対しても、福島県が独自方針で動きました。

東京電力福島第一原発の爆発事故で、県は16日、屋内退避の指示が出された同原発周辺の半径20~30キロ・メートル圏内の住民約13万6000人について、希望者は30キロ・メートル圏外へ避難させる方針を決めた。 
 
県によると、20~30キロ・メートル圏内にある南相馬市、富岡町、浪江町、川内村のほか、避難指示が出された双葉町からも、30キロ・メートル圏外への避難を県に要望していた。 
 
佐藤知事は15日に続き、菅首相に対して改めて支援を求める要望書を送った。  
 
要望では、「避難や屋内退避の指示の対象となっていない地域でも、例えば三春町では直前でタンクローリーが引き返してしまう」といった事例を挙げ、物流業者が被曝(ひばく)を懸念することで、救援物資の確保に支障が起きている窮状を訴えている。 
 
そのうえで、「国は国民、事業者に対し、本県の実情について正確でていねいな説明、情報発信に努めてほしい」と求めた。 
 
読売新聞記事(現在はリンクできないが)

福島県は、中央政府の甘い判断ではなく、現場重視で独自の方針を出し、動きました。 
 
原発を東京に持ち帰ってもらおう 
 
福島県民、原発立地の自治体、周辺自治体の首長は、福島第一原発の1~6号基の廃炉は当然のことと考えています。また、一応安定している福島第二原発の再稼動も、決して認めないと思います。 
 
福島県民は、「首都圏の電力のために、原発を受け入れたことは間違っていた。原発を東京に返上しよう」、「原発の電気が必要ならば、東京電力区域の東京湾、相模湾、房総半島沿岸に造ったらよいだろう」と考えだしています。

原発をどうするか。 
 
政府および電力会社は以下のことを実行します。 
 
1.原発は今の電気料金ではペイしていないことを国民に正直に言う。 
2.再処理まで含めた正直なコストを積算し電力料金を定める(保険は別にしても)。 
3.電力会社の本社を原発の敷地内に置く。 
 
また、国民は以下のことを受け入れます。 
 
1.電力料金の値上げを受け入れる。 
 
2.原発を電力の消費地で受け入れる(東京原発、大阪原発など)。 
 
今からちょうど20年前の1991年2月に関電の美浜原発で細管破断事故が起きたとき、私は、「大阪原発」を作ることが原発問題の真の解決策であることを、関電や関係者に訴えたことがあります。それに対しては、当時の関電の副社長も共感を示してくれました。 
 
今でも私の考えは同じです。原発の電力を使う者が原発のリスクを負うべきです。 
 
原発をどうするか。【吉岡英介氏のHPより③】

上記の吉岡氏の意見と同じように、福島県民が考えだしていると思います。 
 
 
米軍基地をめぐって、中央政府と東京からの恫喝と懐柔(お金)を断固拒否している沖縄県に続いて、福島県が原発をめぐって、安全神話と中央・東京からの押し付けを断固拒否していくでしょう。 
 
我々は、この福島県民の動きを応援していく必要があります。 
 
明日は、膨大な廃炉費用と補償により、東京電力が今後どうなるのか、そのコストを前提として確実に値上がりする電気料金により、首都圏の過剰電力消費が反省されるのかを扱ってみます。 
 

List    投稿者 leonrosa | 2011-04-02 | Posted in F04.東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否かNo Comments » 

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