2011-04-06

東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か22 放射性物質の測定結果は正しく情報公開されているのか?その2

前回の記事では放射性物質の測定原理を理解することで、現在の発表内容が「特定しやすい物質しか公表していない可能性がある」ということを明らかにしました。

続いて、今回は情報統制の問題性今後どのような情報公開の体制にしていけば良いのかについて書いていきたいと思います。

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☆☆☆情報統制の問題性
☆情報公開の窓口を一つに集約することでみんなに必要な情報が隠蔽される可能性がある

(3月15日)
高木文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、全国の都道府県に対し各地で計測している放射線のデータを、1日に2回以上、文部科学省に報告するよう指示したことを明らかにするとともに、文部科学省で取りまとめて公表する方針を示しました。

リンク

通常、放射線や放射性物質の測定は原発の周り(電力会社)だけでなく、大学の研究所などでも行っていますが、測定結果の情報公開は事故の初期段階で、政府が集約するとしています。
ところが前回、「特定しやすい物質しか公表していない可能性がある。」という問題が浮き彫りになったことで、同時にこういった情報統制によって、みんなにとって必要な情報が隠蔽されている可能性が出てきます。その事例が以下のストロンチウムの例です。

☆現在発表されていないストロンチウムはどうなっている?
原子炉の中の核分裂で生成する物質は膨大にありますが、主要な核反応はウラン235が大きめの140個くらい粒をもつ物質と、小さめの90個くらいの粒をもつ物質に分かれるというものです。
例えば、右図のように「セシウム137とストロンチウム90」や「ヨウ素131とクリプトン85」のように対になって発生し、このことは原子力に関る人にとっては常識的な内容と言っても良いでしょう。

画像引用元(リンク

しかし、ストロンチウム90については、(現在調査した限りでは)なんの報告も上がっていません。また、セシウム等が生成されているのに、相方のストロンチウムが生成されていないのは論理的にありえません。
その上、今回の海水中への膨大な放射性物質漏洩を考えると、すでに核燃料は溶融しかけていて、その中身がストロンチウムも含めて、どこか破損箇所から出ている可能性が極めて高いと思われます。
そして、ストロンチウムとセシウムという物質は、体内に入った場合、吸収されやすく、長期間にわたって影響が続くため(内部被曝)重要な監視対象と位置づけられています。
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また、ストロンチウムは、周期律表上カルシウムと同周期で、化学的には非常に似通った性質を持っています。よって、この物質が体内に取り込まれると、骨に集まり長期間にわたって放射線を至近距離からあて続けることになります。この性質を利用して放射性ストロンチウムの一種による、ガンの鎮痛剤すらあります。
このような重要な監視対象物質が、まったくといっていいほど報道されていません。
何で、骨に吸収されやすいストロンチウムは公表されていないのか?より引用

☆「本来調査が必要な放射性物質」を先に情報開示してから測定結果を報道すべき
前回の記事で明らかにしたように、放射性物質にも測定難度の高いものと低いものがあります。このような事実は明らかにされず、彼らの都合のいい、測定の容易な放射性物質のみを発表することで「安全だ」と報道している可能性があります。
では今後どうしていけば良いのでしょうか?

生成される放射性物質の論理的生成量を出し、その量の多いもの(セシウム、ヨウ素、クリプトン、ストロンチウムなど)とその影響度、少なくても影響度の大きいもの(プルトニウムなど)などの重要監視物質を公表させるようにする必要があります。
そして、結果がゼロの場合、測定した結果検出されていないのか、測定していなかったのかまで公表させて、国民の判断材料にしていく必要があると思います。
そうでなければ、測定の難易度が高く、時間がかかる物質であるストロンチウムとプルトニウムなどは避けて、彼らに都合のいい測定が簡単な放射性物質しか測らず責任逃れを繰り返す可能性があるのではないかと思います。
何で、骨に吸収されやすいストロンチウムは公表されていないのか?より引用

今回のように、「放射性物質が出たから発表する」という情報公開のやり方では、一般の人からしてみたら、「発表されている物質のみが発生していて、それさえ測定できたら大丈夫」と思ってしまいます。

本来は「発生する可能性のある重要な放射性物質」は何なのかの調査対象が先に公表され、それらが「調査した結果発生しているのか」、それとも「調査に時間がかかり検証中なのか」、または「調査した結果、発生していないのか」といった全ての状況を公表する必要があると思います。

そうでもしなければ、今のような情報統制では誤魔化しの温床となっていくのではないでしょうか。

☆☆☆今後どのような情報公開の体制にしていけば良いのか
☆情報は統制される前にみんなの評価と判断が入る場に公開していく

放射線や放射性物質の測定情報は原発関係者のみならず、日本各地の研究所等でも測定は行っています。それらの情報が一つに集約され、取捨選択されて私達に発信されているから、上記のような問題が起きるのです。

だから、現在のような統制された情報公開の体制は一切止め、日本各地の測定センターや大学等の研究室などで測定された情報は即時に政府や国民に「同時に」公表し、その情報をみんなの判断材料にしていく必要があります。

そのためには、みんなに開かれていて、みんなが事実を知ることができ、なおかつみんなで方針を考えていける場を創っていく必要があります。

☆みんなが事実の共認によって、自ら社会を統合していく
同時にそのような場の構築は、現在の原発利権のような権力集中型の社会体制の崩壊から、新たな社会統合機構の基盤にもつながっていくことになります。

官僚は不適応態でしかなく、彼らには社会を統合する能力がないことは、今回の原発事件を期にますます鮮明になってきました。そんな彼らが今権力を行使できるのも、税金や電気代等によって国民から巻き上げたお金を自由に使い、マスコミや学校などの共認形成の場を統制してきたからだと思います。
そんな彼らにとって、一番怖いのは、事実が知れわたることであり、私たちにとって一番充足するのは事実を共認することにあります。これを大きく見ると、新しい共認形成の場の構築や参加はみんなの活力をあげると同時に、官僚などの特権階級のあせりを誘発させ、活力を下げていくということになります。
今回に事件を期に、この拮抗は大きく大衆の共認側に移行したと見ています。その結果、官僚機構もそのあせりから内部統制も取れない状況に追い込まれるのではないかと感じています。このときが、新しい共認形成の場が社会に浸透していく絶好に機会になります。
多くの犠牲を払った今回の事件でしたが、この機会にみんなの力を結集して実現することで、活力ある新しい社会を取り戻せるのではないかと感じています。
共認の潮目が変わったより引用

若者を中心にネットやブログ、ツイッターを通じてみんなが自ら「事実は何なのか?」と探索し社会の当事者としての意識に変化しています。
この事件を機に、社会を担うみんなで、『既存の組織には可能性はない。自分たちで次代を担う「新しい社会統合機構」をつくる』ことこそが根本的解決への課題になっていくのではないでしょうか。

List    投稿者 tutinori | 2011-04-06 | Posted in F04.東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否かNo Comments » 

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