2011-03-21

東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か7~世界の原発建設動向~

福島原発事故を受けての緊急シリーズですが、皆さんの期待に応えるべく、まだまだ「毎日」続けます。
今日はここ最近の原発建設動向です。
まず、世界で原発に依存している発電量はどれくらいか?
sekaihikaku.gif
(出典:「原子力百科事典」http://atomica.nucpal.gr.jp/atomica/index.html)
グラフではアメリカ、フランス、日本が突出して多いことが判ります。
また、先進国だけでなく、多くの国で稼働しています。
しかし、1980~1990年代には脱原発の流れが確かにありました。
ヨーロッパでははっきりと廃止の方向へ舵を切っていたかと思います。
しかし、いつの間にか、原発がCO2を排出しない「クリーン」なエネルギーということになり、その方向は変ってしまいます。
↓励みになります、よろしければクリックお願いします

 にほんブログ村 環境ブログへ

◆世界の原子力発電の動向 (01-07-05-01)  2005年12月末現在、世界で運転中の原子力発電所は439基、合計出力は3億8,505万4,000kW(前年:434基・3億7,920万7,000kW)、建設中は36基、出力3,140万5,000kW(前年:33基・2,805万2,000kW)、計画中は39基、出力4,006万kW(前年:38基・3,972万3,000kW)となった。世界各国で原子力発電を見直す再評価の動きが強まったことから、運転中の合計出力は、前年をさらに上回り、過去最高となった。
◆世界の原子力発電の動向・日本 (01-03-04-02)
 わが国の2002年7月1日現在に運転中の原子力発電所は、合計52基、設備容量4,574万2000kWとなった。2001年度の原子力発電電力量は約3,194億4,525万6,000kWhで、平均設備利用率は80.5%であった。東北電力の女川3号機は2002年1月30日、営業運転を開始した。2002年度の電力供給計画によると、2010年度までに合計12基、1,611万kWが営業運転を開始する見通しである。
◆世界の原子力発電の動向・西欧州 (01-07-05-07)
 欧州各国は、1970年代の石油危機を契機に、石油代替電源として大規模な原子力発電開発を行ってきた。その結果、2005年12月末現在、西欧州全体では135基・1億2,996万5000kWの原子力発電設備が運転され、EU加盟国の電力供給の約33%を賄う。これらの国々は、国境を接するか、海に隔てて隣接しているため、国際的な送電網が発達し、電力の国際取引も盛んに行われている。1990年代に入ってエネルギー・環境面で重要課題として浮上してきた地球温暖化への対策としても、原子力発電は温室効果ガス排出ゼロの電源として、その重要性が再び注目されている。
◆世界の原子力発電の動向・北米 (01-07-05-04)
 米国およびカナダで、建設中・計画中の原子力発電所はないが、両国を合わせ、運転中のものは121基、発電設備容量は1億1,616万8,000kWで、世界全体の約30%を占める。
 米国ではここ数年、原子炉の新規建設を目指す動きが顕著になり、カナダでも原子炉の建設計画が具体化しつつある。どちらが先に建設に着手するにせよ、北米ではカナダのダーリントン4号機(1985年に着工)以来となる。両国における原子力発電再評価の背景には、増大する電力需要への対処を迫られた州や連邦政府が積極的に原子炉建設をバックアップしていることや、公衆の原子力発電に対する見方が好転していることなどがある。
(出典:「原子力百科事典」)
以下は資源エネルギー庁のHPより引用です。http://www.enecho.meti.go.jp/policy/nuclear/nuclear04.htm
ロシア
原子力発電の拡大を積極的に推進。総発電電力量に占める原子力発電の割合を、2030年には約25%にまで引き上げる予定。2013年から200万kWの運転開始を目指している。
アジア
・アジアでは、中国やインドにおいて、今後のエネルギー需要の高まりから、数多くの新規原子力発電所建設が予定されている。
・特に中国では、2005年だけでも新設4基、増設4基の計8基の建設計画が明らかにされており、今後2020年までには原子力発電容量を現在の約900万kWから、約3600万kW~4000万kWに引き上げる予定。

このように、CO2プロパガンダに乗っかった原発推進の動きですが、日本の大震災という犠牲をもって転換せざる得ないように思えます。
3月15日の記事

ドイツのメルケル政権は14日、国内の原子力発電所の運転を延長する政策を3カ月間凍結することを決めた。ドイツは昨秋、世界的な「原子力ルネサンス」の流れの中、シュレーダー前政権の原発全廃方針を転換し、原発延命に転じていたが、福島第一原発の事故で、原発の安全性への不安が噴出していた。今後、すべての原発の点検を進め、福島の事故も参考にしながら安全性を新たに判断していくとしている。稼働年数の長い原発が運転停止になる可能性もある。

フランスやアメリカでも見直しの声が大きくなっています。どちらも推進派が牛耳っていそうですから、これから色々な摩擦が起こるでしょう。
しかし、今回の事故は人間の潜在思念レベルで危険信号を点滅させているように思います。
世界は再度、脱原発へ舵を切るのではないでしょうか。
もう一つ、日本の原発事故をまとめたものが次です、クリックしてみて下さい。
日本の原子力関連事故一覧
1970年以降で170件あります。それらは想定内の事故である場合が多いのかもしれません。しかし、事故は起こる訳です。いくら2重3重に安全率を掛けていても起こる。
また、今後上記にあるように、中国やロシアまでが大規模に建設してゆくと、事故の可能性はどうしても増える。原発事故はその国だけでは収まりません。
今回のように、自然災害が無くとも事故が起こる可能性はあるのです。
緊急シリーズはまだまだ続きます。

List    投稿者 hihi | 2011-03-21 | Posted in F04.東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否かNo Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.sizen-kankyo.com/blog/2011/03/855.html/trackback


Comment



Comment