2011-04-09

東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か24~『統合なき専門家体制』の末期症状(暴走)-その1 己の保身を第一とする無能者が社会統合の位置に陣取っていることが根本問題

現在、大量の高濃度汚染水が海水に流出していることから、既に、各原子炉や使用済燃料プールの燃料の多くは、破損あるいは溶融し、燃料内の膨大な放射性物質が、外部に放出され続けていると考えざるをえない。
放射能の閉鎖回路が壊れ、開放回路になっていることが明らかになり、爆発を防ぐ冷却機能とその冷却水の高濃度汚染排水を同時に処理するという、二進も三進も行かない泥沼に嵌まり込んで予断を許さない深刻な状況です。

ここまで、東電、原子力安全保安院という原子力の専門家集団の対応で終始し、その結果まったく終息させる見通しが得られないどころか悪化していっている。
さらにその影響は国際問題にまで発展し、原発の惨事は一国にとどまらない。

福島原発の大惨事は、一企業の東電が犯した事故で済ましてはならない。本質は、国家存亡の危機の問題になる「原発推進を犯した国の大きな過ち」であり、大惨事はその必然の帰結です。

今回は、福島原発の大惨事を引き起こした根本原因に、国の体制の視点で迫ってみます。

 

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福島県内ニュース  
2号機高濃度排水は基準の750万倍 2011年04月05日 15時15分配信

福島第一原発では、2号機の取水口近くにあるピットと呼ばれるコンクリート製の立て坑から、極めて高い濃度の放射性物質に汚染された水が、海に直接流れ出ている。
東京電力が今月2日に第一原発周辺の海水を採取して測定した結果、2号機の取水口近くの海水から原子力施設の排水基準値の、750万倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。
また、ピットの中の汚染水からは、基準値の約1億倍の放射性ヨウ素が検出されている。

ZAKZAK   
東電“無計画放流”で房総沖は…恐怖の食物連鎖が始まる? 2011.04.05 

東京電力は、福島第1原子力発電所の敷地内にある高濃度の放射性物質に汚染された水の貯蔵先を確保するため、25メートルプールで二十数杯分におよぶ約1万1500トンの汚染水の海への放出を始めた。作業は4日夜に始まり、5日午前9時までの推定で約2830トンを流した。限度の約100倍の放射性ヨウ素が含まれた水は、“死の海流”となって茨城、房総沖へと南下する可能性が高い。汚染水の“無計画放出”により、近海の環境はもとより、国際社会の信用まで悪化するのは必至だ。

この深刻な危機的状況にもかかわらず、

NHKニュース  
東電 供給計画に“原発増設” 4月2日 19時43分

福島第一原子力発電所の事故による深刻な状況が続くなか、東京電力が、国に提出が義務づけられている電力の「供給計画」に原発の増設を例年どおり盛り込むと福島県に伝えていたことが分かりました。県側は「県民感情を逆なでする」として強く反発していますが、東京電力は「震災前に取りまとめた計画で、影響を反映させることができなかった」と説明しています。 <後略>

彼らは、どういう神経をしているのだろう?

◇ ◇ ◇ 統合なき専門家体制(→特権官僚体制)の末期症状(暴走)

危機意識、状況認識の欠片もなく、福島県民の感情を逆なでし、現在の国民世論の動向にもまったく同化できず、己の狭い領域(=自己保身)にしか頭がまわらないとしか思えない、その硬直的思考には恐ろしさを感じずに入られません。
また、東電の無神経な無能さには呆れるが、このような申請を受領し、指導もせずただ公表を見送るだけの国(経済産業省-資源エネルギー庁)も同じ穴のムジナです。

否、日本の原子力政策は、大多数の国会議員には触れることのできない内閣の専権事項となっており、担当大臣すら実質的には官僚にコントロールされています。
つまり、経済産業省や内閣府の原子力委員会など“原子力村の人々”が政策の方向性を事実上すべて決め、政治家だけではなく原発を抱える地方自治体には何の権限も与えられていないのです。
このことからもわかるように、東電の背後にいる経済産業省の官僚こそが、原子力を主導して推進してきたのです。

官僚政治を撃て>
福島の原子力発電所の危機は官僚政治による人災である

<前略>
大震災の惨禍を過ぎてもなお、被災した市民に襲い掛かろうとしている原子力発電所の恐るべき災害が迫っている。この新たな危災は、発端は自然災害であったとしても、核エネルギーの暴走を阻止、制御できなかったことに因っているから、まさにその主因こそ、この国を支配してきた官僚統制中央集権政治そのものであると断じられるべきであろう。

そしてその支配の実像は、事故が発生してから国民の前に姿を現した経済産業省原子力安全・保安院なるもの、そして、その保安院と一心同体で核エネルギー利用を独占してきた東京電力が国民に伝えるべき情報開示の姿に如実に現れているとも言える。

言うまでも無く、核エネルギー利用は、宇宙開発と同様に学術研究だけでなく、その利用に関する政治的権限も、東大とその出身者である官僚組織によって独占されてきたものである。そしてこれまでに発生した原子力発電所の事故や欠陥について、批判する声があったとしても、学問世界においても、官僚自民党が支配した政治の世界においても、考慮されることは一度もなく、虚妄の無謬性を誇る唯我独尊の東大閥人脈によって一蹴され続けてきたからである。

現在なお進行中の未曾有の危機が人災であったと証明されたときには、原子力エネルギー研究をほぼ独占し、日本の科学界を支配してきた東京大学の責任は極めて重大であると言わなければならない。それは、先の亡国の戦争が、超エリートと称された軍事官僚や文官官僚らが、国民の声を聞く耳を持たず、国民を愚弄するかのように異議や疑問に答えることもせず、ことごとく冷笑的に無視し、或いは一蹴する独善によって起こされたものであるが、今、未曾有の破滅的危機を招来した集団もまた、東大の学者、東大官僚、そして東電という東大閥民間企業であることがあばかれている。その愚劣さにおいては、高慢さを慇懃に隠した事以外には、戦前と寸分違わぬ亡国の東大と東大官僚の再現でもある。

それは、国家有為の知性と賞賛されてきた彼らが、今も昔も全くの虚構であることを証明するように、亡国の戦争を犯したこの国のエリートと同様の、無能力、無責任、そして当事者能力を著しく欠く集団であることを、今まさに我々の前で原子力安全・保安院或いは東電のエリートとして余すところ無くその実像を現していることに他ならないのである。
<後略>

被災された人たちが、大震災を受けながらも冷静に助け合うその姿は、日本人の本源性を感じさせ、逆境のなかに勇気と可能性をもたらしてくれます。そして、復興も、このような人々の力によって成されてゆくでしょう。
この事実が示しているように、「能力」とは、充足・活力そして可能性をみんなに与えられる力のことです。
それゆえ、『自分のことしか考えていないのが無能。みんなのことを考えて追求するのが有能』なのです。

今回の大惨事によって、私たちがこれまで無意識に社会を統合する有能者と錯覚してきた東大を筆頭とするエリート官僚の虚構が暴かれ、無能者だということが白日の下になりました。
また、計画停電の強権を行使する対応を見てもわかるように、東電も首都圏人口を背景に巨大な地域独占利権を持ち、多数の官僚の天下り癒着によって、民間企業といえども官僚的体質が染みついており、同じです。

そして、彼ら無能者は、己の原発利権のために「原発の導入時~原発の推進~原発が必要な理由~原発の安全神話~福島原発事故後の報道」のすべてにおいて、嘘で固めて国民を騙し続けてきたのです。

※詳細は、前回の記事で書いていますので是非参照してください。
東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か23 「原発は、頭のてっぺんからつま先まで“ウソ・騙し”」

 

◇ それにしても、この無能ぶりは、どこから生まれたのか?

るいネット 『特権階級の自家中毒』

マスコミ、政治家、官僚など、現在(団塊世代以降)の特権階級は、大半が貧困=本当の私権圧力を知らず、従って本当の目的意識を持ち合わせていない。
彼らは、単なる試験制度発の「合格」という無機的な目的意識(もちろん、それは肉体的欠乏に根ざした本気の目的ではない)を植え付けられてひたすら試験勉強に励み、「特権」を手に入れた連中である。
又、彼らの大半は、試験制度という与えられた枠組みの中でひたすら「合格」を目指してきただけで、その前提を成す枠組みそのものを疑うという発想が極めて貧弱である。

従って、彼らは社会に出てからも、ひたすら既存の制度の枠組みの中で走り続けることになるが、もはやそこでは、既存制度によって与えれた特権の維持と行使という目的以外の目的意識など生まれようがない。
かくして、団塊世代がトップor幹部に就いた’00年以降、彼ら特権階級は、ひたすら与えられた特権を行使し、次第に「社会を動かし」「世論を動かし」ているという支配の快感に溺れてゆくようになって終った。
これは、権力の自家中毒であるが、恐ろしいことにその病癖は麻薬中毒よりももっと酷い結果をもたらすことになる。

何れも、社会統合という最重要課題が分業体制(専門家体制)によって担われてきたが故に生じた問題であるが、金貸しの特権階級(幹部)に対する買収と脅迫の横行にせよ、支配の快感に溺れてゆく特権階級の自家中毒にせよ、専門家体制が末期症状を呈していることだけは間違いがない。

官僚・産業界・マスコミも含めたエリート支配層の劣化、無能ぶりは近年著しく、専門家体制(→特権官僚体制)が末期症状を呈しているが、なまじっか特権を残存させているために、その被害は今回の福島原発の大惨事のように国民に多大な影響として現れてくる。

社会統合という最重要課題が分業体制(専門家体制)によって担われてきたが故に、「国益より省益、省益より私益」と、狭い専門領域に閉じこもり己の保身を第一に考える(=無能)者が、社会統合の位置に陣取り権力を振るっている。このことに根本的な欠陥構造がある。

List    投稿者 kirin | 2011-04-09 | Posted in F04.東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か1 Comment » 

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コメント1件

 XRumerTest | 2013.08.03 3:28

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