2012-09-13

【原発関連情報】そもそも原発が止まっても”停電”も”電力不足”も起きない

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画像はこちらからお借りしました。
 
“猛暑”と言われていた今夏が過ぎようとしていますが、電力不足回避のためにと大飯原発が再稼働された関西電力でも、再稼働なしでも十分に乗り切れたのではないかとの声が上がっています。
 
しかし、そもそも“原子力発電所が”稼働しても停止しても、電力不足問題とはあまり関係がないのです。
 
また、代替エネルギーを確立しない限り、原子力発電をやめることはできないという話も疑問符がつきます。
 
今回は、原子力発電とはどういうものなのかについて、端的に提示されていたブログ記事を紹介します。

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※以下の文中における引用は、「暗黒夜考~崩壊しつつある日本を考える~」さんの記事「【読者投稿より】 『原発の大嘘とまともな電力のあり方への復帰』」からです。
 

「原発は常に火力発電のバックアップを受けなければ運用できない発電システム」
「原発は必ず同出力の火力発電とセットで建設されているため、そもそも原発が止まっても”停電”も”電力不足”も起きない」
「よって『原発を廃止すればそれに代わる代替エネルギー発電が必要』という論調自体がそもそも”マヤカシ””デタラメ”」
上記にあるように、今回、「松本英志」氏の発しているメッセージは実にシンプルであると共に、非常に的を射た、説得力のあるものである。
即ち、政府・官僚・電力会社や大手マスゴミ・御用評論家らが撒き散らす「原発に取って代わる代替エネルギーが確立されるまでは原発再稼動も已む無し」という論調自体が、まったくの”ペテン”だということである。
「火力発電は燃料コストが高い」という論調・主張も本ブログにて何度もコメントしている通り、”総括原価方式”がもたらす悪しき慣習によるものであり、何とでも是正できるはずものである。
電力各社や政府は“総括原価方式”にてすべてのコストを電気料金に転嫁できることをいいことに、厳しい価格交渉も何の外交努力もせずに、他国よりも何倍(約8倍?)も高い価格で化石燃料を輸入する一方で、平然と電気料金が極端に上昇するとして、原発廃炉を訴える国民を恫喝しているのである。
即ち、「脱原発=代替エネルギーへの切り替え」なる論調自体が、”原発利権ムラ”の住人どもによるまったくのペテンであり、”詐欺師”同然の行為ということである。
したがって、本エントリーを機に「原発の本当の姿」を知り、じっくりと次世代エネルギーについて議論が積み上げられればよいということを我々国民はよくよく理解すべきであろう。
それまでの間は、火力発電に頼っていればよい訳であり、政府・官僚は、原発停止による原発維持・廃炉コストと同減価償却費が重く圧し掛かり疲弊・衰退していく電力各社をどうするかだけを考えてろという話である。

(引用開始)
◆原発の大嘘とまともな電力のあり方への復帰
 2012-09-01 07:42:25 「松本英志」氏
いまだに多くの人たちが「原発の本当の姿」を知りません。「脱原発」の強い声に押されてはっきりと口には出さなくなったものの、まだまだ多くの人たちは「何だかんだといっても、やっぱり原発がなくなれば電力不足になるのでは」という不安を抱いている、というのが偽らざるところではないでしょうか。
また、「原発を廃止すればそれに代わる代替エネルギー発電が必要になる」というのが脱原発派も含めた一般的な考え方になっているようですから、「脱原発」の動きと共に今度は「自然エネルギーによる発電」がクローズアップされ、脱原発と自然エネルギー発電がセットになる、という動向になっているのではないでしょうか。
こうした世論の大本を創ってしまっている根本要因は、そもそも「原発の本当の姿」がほとんど知られていないこと、というよりも隠されてきたことにあります。どういうことなのかといえば、「原発」というのはそれだけでは成り立たない発電、ということなのです。実は、常に火力発電のバックアップを受けなければ運用できないのが「原発」という発電システム、なのです。
原発は必ず同出力の火力発電とセットで建設され、その起動も停止も火力の支援を受けて行われているのです。また、トラブルや事故などで原発が止まってしまった時には即座に火力がバックアップする仕組みになっているので、原発が止まっても「停電」も「電力不足」も起きないようにあらかじめ配慮されているのです。
事実、2004年に東京電力の原発17基がすべて停止したことがありましたが、一切「停電」も「電力不足」も起きなかったのは、このバックアップ体制があるためだったのです。原発というのはかなり不安定な発電システムで、実際には機器のトラブルや事故が頻発しているのですが、それでも「停電」は起きません。また、原発は100万キロワット級というように一基の出力が大きいので、これが止まれば「大停電」になってしまうのですが、原発が止まれば即座に火力に切り替えて発電されるというバックアップ体制になっているので、「停電」もしなければ「電力不足」にもならないのです。
東日本大震災の後で「本当に電力不足」になってしまったのは、原発が止まったからなのではなく、地震のためにそのバックアップ用の火力(さらには水力)も止まってしまったためです。しかし、火力や水力は原発とは違って短期間で復旧できるので、実際には「計画停電」が行われたにも関わらず「停電」などほとんど起きませんでした。

さらに、原発は火力や水力のように出力の調整ができません。つまり、電力需要に合わせて需要が多ければ大量に発電し、少なければ少な目に発電するといったことができないのです。常にフルパワーで発電するか止めるかしかできない、というまことに融通の利かない発電なのです。だから電力需要の少ない夜中でもフルパワーで発電するので、夜は電気が大余りになってしまいます。電力というのは発電した分だけ消費しなければバランスが崩れてしまうという特性を持った「生もの」だそうなので、大余りになっては困るのです。そこで、この原発の夜間の余分な発電分を消費するために、電力会社は夜間の電気料金を格安にして使わせるようにしているのですが、それでも大余りになるので、「揚水発電」という特殊な水力発電所を造ってこの余剰電力をなんとか消費するようにしているのです。
このように、原発には同出力の火力発電と夜間の余剰電力を消費させるための揚水発電、という二つのバックアップ発電システムが不可欠で、原発単体では絶対に運用できない発電システムなのです。この原発の実態は、元GE(米国ゼネラルエレクトリック社)のエンジニアとして福島第一の6号機や東海第二の原発建設監督を行って来た菊池洋一さんと、菊池さんと共に活動されていた市民運動家の山田征さんの主張を通して知ったことです。
これは日本だけではなく世界中どこでも同じだそうで、実際にもかつて日本の原発メーカーがフィリッピンに原発を建設した時にも、原発と同出力のバックアップ火力がセットで造られたのですが、その後原発は一度も稼動されることがなかったにも関わらず、セットで造られたバックアップ用火力だけが現在も稼動している、というのです。
こうした「原発の本当の姿」が当り前に知られていれば、「原発がなければ電力不足になる」などという大嘘など初めから通用しなくなります。「トラブルや事故などで原発が止まってしまった時には、即座に火力がバックアップする仕組みになっている」のに、「原発がなければ電力不足になる」はずがないからです。

また、「原発の夜間の余分な発電分を消費するために、電力会社は夜間の電気料金を格安にして使わせるようにしている」が、「それでも大余りになるので、『揚水発電』という特殊な水力発電所を造ってこの余剰電力をなんとか消費するようにしている」のは、とんでもない電力の無駄使いをしているというわけで、「原発がなければ電力不足になる」どころか「原発があるから電力のとんでもない無駄使いをしている」が本当なのです。
こういうとんでもない大嘘で長年、国民を騙してやってきたのが「原発」、というとてつもない金食い虫発電だったわけです。無論、原発をやってきた張本人たちである電力会社や経済産業省(旧通産省)はこんな事は百も承知でやっていたわけで、こういう「原発の本当の姿」を隠して「原発がなければ電力不足になる」だの「原発は日本の電力インフラとして不可欠」などと国民を騙して、天文学的な金を原発に注ぎ込み、何よりも「原発震災」というとてつもない危険を無視してきたわけですから、まったく許しがたい「詐欺師」である「犯罪人」どもであると言わざるを得ません。
そして、これまで観てきたように、日本の電力は不足しているどころか大余りで、原発のバックアップとして火力と水力を大量に遊ばせてきたのですから、これをまともに稼動させればそれだけで「原発なしでも電力は足りる」という、本来は当り前であった状態に「復帰」できるというだけのことなのです。「原発を廃止すればそれに代わる代替エネルギー発電が必要になる」ことなど全くないのです。

そもそも「自然エネルギー発電」というのは発電インフラとしてはまだまだ未完成なもので、拙速にやれば自然力を活用して環境にできるだけ悪影響を与えないためであったはずのものが、逆に環境破壊を引き起こすような事態を招いてしまいます。現に、風力発電や太陽光発電を利益ベースでやみくもに進めようとしているために、既にその周辺住民には相当な被害が出ており、風力や太陽光に対する反対運動まで起こっているのですから。「自然エネルギー発電」は次代の発電方式なのですから、じっくりと時間をかけて総合的な判断と方針にもとづいて進めなければ、それこそ「第二の原発」になってしまいます。
このように「原発の本当の姿」を知ることが、何よりもまず「原発問題」を考えるための基本中の基本であるはずなのに、この重大な事実がほとんど国民に知られていないのでは、そもそもまともな判断などできるはずがありません。私が菊地洋一さんや山田征さんから情報と知識を得てこの一文を書いたのは、こうした「原発問題」の基本中の基本を多くの人たちに広く知ってもらい、その上で全くの「無用の長物」でしかない原発を廃止して、本来のまともな電力のあり方に戻ってもらいたいからです。

 
原子力発電については、危機意識だけで捉えるのではなく、事実を皆で知ること、そして、その事実に基づいて今後の方針を定めていく社会システムを作って運用していくことが、喫緊かつ継続的に取り組む課題なのだと想います。

List    投稿者 aironGst | 2012-09-13 | Posted in F03.原子力発電ってどうなの?No Comments » 

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