東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か2~放射線、放射能って何?~
昨日から、東北地方太平洋沖地震~原発は必要か否か~のシリーズが始まりました。
マスコミや政府からは、原発の本当の恐ろしさは発表されることはありません。
彼らは、被害が深刻化しつつあるなかでも、まだ原発を廃止する気はさらさらないようです。
詳しくは→(〔統計分析〕計画停電が「焼け太り原発推進プロパガンダ」にすぎない疑い)
みなさんが知りたいことは、「原発って本当のところどうなの?どのくらい危険なの?」といったところだと思います。
昨日に引き続き、まずは基礎編をお伝えします。
原発廃止に向けて、応援よろしくお願いします。
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今一番気になっている、 放射能漏れ や 放射性廃棄物 の問題。
これは、 ウランが核分裂する際に発生する放射線 の問題です。
それでは、まず「放射線」について勉強していきましょう。
★「放射線」「放射性物質」「放射能」
いまいち違いがわかりませんが、3つをまとめて説明します。
①放射線
「電磁波や運動している粒子で、物質の密度の大小によっても異なるが、同物質を通過する能力をもったもの」と定義されています。もう少し簡単な例を挙げると、胸部のレントゲン検査です。検査中、体には何とも感じませんが、後で体の中の状態を写真で見ることができます。これは検査を行っている時にエックス(X)線が体の中を透過しているからです。エックス線のように、目には見えないけれども、写真乾板を感光させたり、物を突き抜けたりする性質のあるエネルギーをもっている物、これが「放射線」といわれるものです。つまり、放射線とは、目に見えない「光線」みたいなものです。
②放射線物質
「放射線を出す性質を持っている物質」のことで、放射性物質には放射性の原子が含まれており、その原子核から放射線が出ています。
③放射能
放射線を出す能力のことです。
まとめると、放射線は「飛び出てきたもの」、放射性物質は「それを出すもの」、放射能は「それを出す能力」という理解が簡単なようです。
間違いやすいのは「放射能」という言葉で、「放射線を出す元素及び物質」という意味でも使われることがあるので注意が必要です。 (文例:事故で「放射能」が漏れる → この場合は放射線を出す物質が漏れるということになります。)
★放射線の種類
放射線とよばれるものの中には
①目に感じる光エネルギー
②暖かく感じる赤外線エネルギー
③ラジオやテレビなどに使われる電磁波エネルギー
などがあり、さらに電磁波は下記に分類されます。
④紫外線 / ⑤X線
⑥アルファ線 / ⑦ベータ線 / ⑧ガンマ線
⑨中性子線
これらの放射エネルギーはエネルギーの非常に小さな塊り(「光子」と呼ばれる)と考えられています。透過する能力にも違いがあります。
★放射性物質と半減期
身の回りにあるふつうの物質からは放射線は放出されません。
自然界では、鉛より重い元素はすべて放射能を持っていて、放射線を出し続けます。また、放射性の同位体は、安定した状態になる(=放射能が消える)まで、素粒子を捨てたり奪ったりして、放射線を出し続けながら、ほかの物質に変化します。
この自然のプロセスを「崩壊=ほうかい」と呼びます。
つまり、放射性物質というのは、原子が崩壊しながら放射線を出す物質である、と言えます。
放射能の寿命は、「半減期=はんげんき」という言葉で表現され、その物質が崩壊によって半分に減るまでの時間を表しています。その期間は、数秒 のものから、何億年 に到るのものもあります。あくまでも「半減する時期」ですから、その物質が放射線を出さなくなるまでには、その何百倍もの期間がかかります。
★放射線の人体への影響
放射線は生物に吸収されると直接その細胞のDNAを傷をつけたり、細胞の中の他の原子や分子(特に水)と作用して間接的にDNAに傷害を与えたりします。傷害が大きくて修復できなければ細胞は 死に至り 、また修復に間違いが起きれば、 奇形、癌、その他の病気の原因 になります。
人体や物体が放射線を浴びることを「被曝=ひばく」と呼び、肌で放射線を直に受ける「外部被ばく」と、放射性物質が空気や水、食べ物を経由して体内に入る「内部被ばく」の2種類に分類されます。
①外部被ばく
身近な例では、X線や宇宙線による軽い外部被ばくがありますが、強い放射線を大量に浴びると、造血器官、皮膚、神経、生殖器、内臓などがすべて打撃を受け、その結果、嘔吐、脱毛、倦怠感などの急性障害や、潰瘍、がんなどの晩発性障害が起きます。広島、長崎の原爆被災者や、事故後のチェルノブイリ周辺住民の甲状腺がん発生確率の増加は、外部被ばくによるものです。
②内部被ばく
内部被ばくは、肺から血液に入る場合や、胃腸の粘膜から血液に入る場合など様々な経路があります。放射性物質は放射線を出し続けるので、たとえ少量でも体内に入ると細胞が直接放射線に曝されるので、人体に深刻なダメージを与えます。がん、白血病、糖尿病、心臓病、慢性疲労などを発症するといわれています。
★放射線がDNAを傷つけるメカニズム
エックス線やガンマ線もエネルギーの小さな塊、光子と考えられています。この光子の持つエネルギーの大きさによって、それが生体に入ったときに生物に与える影響は異なります。放射線の一部のエネルギーは原子や化合物から電子をはぎ取ります(これを電離といいます)。電離によって電子を失い非常に不安定になった化合物は、新しい化合物に変化したり、他の化合物と反応したりします。
なんとも恐ろしい数値です。
・人体の細胞の電離エネルギー:1~10eV
・アルファ線の電離エネルギー :1,000,000~8,000,000eV
・ガンマ線の電離エネルギー :100,000~4,000,000eV
とてつもないエネルギー量です。
こんなの浴びれば、一瞬にして細胞が破壊されるのがわかります。
放射線がいかに危険かということがわかってきました。
★ウラン分裂時に生成される放射線
原子力発電で行なわれているウランの核分裂では、これまで地球に存在しなかった同位体(核分裂生成物)が沢山つくり出されます。ウラン235の核分裂の結果生じる核分裂生成物は、200種以上にもわたります。これら放射性核種は寿命(半減期)の短いものや長いものまでいろいろあり、大部分はアルファ線やベータ線、ガンマ線を放出します。代表的な生成物とその半減期を見てみましょう。
ウラン235 (7億年、アルファ線)
↓
ウラン238 (45億年、アルファ線)
プルトニウム239 (2万4千年、アルファ線)
セシウム137 (30年、ベータ線)
ストロンチウム90 (28年、ベータ線)
イットリウム90 (64時間、ベータ線)
ヨウ素131 (8日、ベータ線)
キセノン133 (5日、ベータ線)
クリプトン85 (10年、ベータ線)
アルゴン39 (270年)
単純に、半減期が7億年の放射性物質から、半減期が45億年の放射性物質が生成されてます。
つまり、原子力発電は、人為的な作業により、すごく危険な放射線を出す物質を作す上、その危険な放射線が半減するまでの期間を、 38億年という無責任極まりないオーダーで延長させている のです。
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地球が誕生して、46億年です。
それなのに、半減させるのに、38億年なんて!それを次々を生成しているのです。
自然の摂理に大きく反している物質作り続けているなんて・・・。
かなり危険すぎます。
でも、政府は「きっちり管理しているから大丈夫」と言っています。
では、その驚愕のきっちり管理の中身はというと・・・
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これだけ文明が進んだ現代でも、すべてを機械で行うことはできません。
発電する際のコントロールなどはコンピュータで行えるとはいえ、その機械だって異常がないか点検しないといけないわけです。これは、世間ではよく”定期点検”と言われていますが、そういった細かい作業は、機械では行えず人間が行うことになるのです。
その実態を詳しく記したホームページがありました。
以下引用部分は『よくわかる原子力』からです。
原子力発電所は放射能汚染区域(管理区域)と非汚染区域(非管理区域)に分かれています。非汚染区域での仕事は被ばくの危険性はほとんどないのですが、狭いところでの熱と金属のホコリとに苦しめられながらの作業、取水口での吐き気を催すような悪臭の中でのヘドロのかきだし作業、タービンのさび取り等々劣悪な作業環境下でおこなわれます。
放射能汚染区域は汚染の程度により低汚染区域、高汚染区域等に分けられています。高汚染区域では、放射能を吸い込まないように全面マスクをつけ、体に放射能がつかないように手袋や靴下は3枚も重ね、全身を覆う防護服を着、長靴を履きます。
マスクを付けると大変息苦しく、その上作業場は暑くて汗が滝のように流れ、マスクはすぐに曇ってしまいます。「暑くて苦しくてよー、マスクなんかしてられないよ」と息苦しさと作業能率のために危険を知りながらもマスクをとってしまう人もいます。首には一定量の放射線を浴びると警報ブザーが鳴るアラームメーターをかけ、被ばく線量を測るポケット線量計を身につけます。
汚染区域に入るためにはこのように厳重な装備を付けます。高汚染区域ではすぐにアラームメーターがなるために長い時間作業することはできません。被曝線量が多いため数分刻みで交代し、1日に1000人以上の下請け労働者による人海戦術で作業を行います。これが意味することは、被ばくをおおくの労働者に分散させるということです。作業現場によってはアラームが鳴ってすぐに交代したのでは効率が悪いため、これを無視して作業を続ける場合もあります。或いはポケット線量計をどこか他の所において仕事をする人も出てきます。ですから、報告された被ばく線量と実際に受けた線量は違う場合もしばしばです。
完全防護服を着ていても汚染することはあります。放射線管理区域を出るときには服をすべて脱いだ後、モニターで汚染検査をします(図5)。汚染が発見されると、シャワーで落ちるまで洗い流します。トイレに行きたくてもこの検査が通るまでは管理区域の外に出ることが されません。洗ってもこすっても汚染が落ちない場合には不安にさいなまれ、苦しい思いをします。
さらに、そんな劣悪な環境化で働いているにもかかわらず、賃金や労働条件も劣悪です。
原発で働く労働者は下請け、孫請け・・・と8代も下の会社に雇われている場合も少なくありません。そのため劣悪な労働条件下、安い賃金で働かされます。例えば電力会社から労働者一人当たり1日15,000 円支払われたとしても、中間にいる親方がピンハネするために、実際に労働者が受け取る賃金はそれよりずっと少なくなってしまいます。さらに、被ばくしたり、ケガをした場合は下請け業者が、上の業者や電力会社に気兼ねして握りつぶしてしまい、表に出さないことが通常です。被ばく労働の実態が社会に知られていない原因がここにあります。
原子力発電を推進するということは、原子力発電所を増やす結果に当然なります。
それはつまり、こういう労働者の数がどんどん増えるてしまうということと、イコールなのです。
これはもう、「地球温暖化であるCO2を出さないから、原子力発電はいい!」なんて次元の話ではないはずです。
しかも、そこまでして推し進めた原子力発電は、はたして本当に「CO2を出さないのでクリーン!」と言い切れるのか?ということにも疑問が残ります。
先ほどの定期点検の話でいくと、定期点検は放射能まみれの場所で行うわけですから、その際使用した服もマスクも…そして使用した工具いたるまで、すべて放射能まみれになるわけだから、全部使い捨てになります。これが本当に、環境にいいでんでしょうか?
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つまり、実際現場で手を動かしているのは、こうった素人の方なのです。
管理がしっかりとは、とても思えないです。
そして、原発があるかぎり、毎日誰かが被爆をし続けることにもなるのです。
こうった方々を生み出してまで、原発を使う必要があるのか?
もう、みなさんの中には、答えは出ていると思います。
ちなみに、チェルノブイリ原発では、事故後、放射線漏れを防ぐために10mのコンクリート壁を作って覆いましたが、それにはなんと20万人が動員されたそうです。
これも上記と同様に、被爆を抑えるために数分刻みでの作業になるからこれだけの人員が必要になったのです。(しかし、この作業に関わった方の中でも亡くなった方が多くいるとのこと。)
福島原発が爆発したら、同様のことが日本でも行われる可能性があります。
住民だけでなく、多くの方々が危険な状況になります。
明日も引き続き、シリーズを続けていきます。
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コメント2件
TSUNE | 2013.10.11 13:40
こんにちは。1カ所、気になる表現がありました。
「偏西風と呼ばれるのは、赤道上で暖められて北上した空気が温帯付近で急降下する際に、コリオリの力を受けることで、西向きに針路を歪められるからです。」
これは、基本的な事柄で、ひじょうに大事な部分だと思うのですが、「コリオリの力を受ける事で、西向きに針路を歪められる」と言われると、西向きの風(東から西に向かう風)をイメージしてしまいます。北向きの空気が「東向き」の風になるという表現のほうがよいと思いました。
TSUNE | 2013.10.11 13:40
こんにちは。1カ所、気になる表現がありました。
「偏西風と呼ばれるのは、赤道上で暖められて北上した空気が温帯付近で急降下する際に、コリオリの力を受けることで、西向きに針路を歪められるからです。」
これは、基本的な事柄で、ひじょうに大事な部分だと思うのですが、「コリオリの力を受ける事で、西向きに針路を歪められる」と言われると、西向きの風(東から西に向かう風)をイメージしてしまいます。北向きの空気が「東向き」の風になるという表現のほうがよいと思いました。