年表~日本における環境問題~
温暖化問題の年表にひき続き、日本における環境問題の年表を作成してみました。
温暖化問題同様に「人口問題」って、なに?で指摘されている日本の人口推移を組み込んでいます。
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■1945(昭和20)年・終戦
終戦以前の環境問題と武力による市場拡大
日本人口
・江華島事件…市場を求め鎖国政策をとる朝鮮を武力で威圧(⇒’76の日朝修好条規により開国へ)
35,316
1876
・足尾銅山鉱毒事件…群馬・栃木両県の間を流れる渡良瀬川に足尾銅山から鉱毒が流れ込み両沿岸の田畑1,200余町に影響を及ぼす
35,555
1880
1880年代;官営工場払い下げ期…明治政府は財政の負担軽減、官営の非能率を改める名目で、政府と関係の深い大商人に安い値段で払い下げ民間産業の発展に方針を転換。(1910年代に財閥に成長)
36,649
1882
…愛媛県新居浜市にある別子銅山で起きた亜硫酸ガスによる公害事件
37,259
1890
1890年代;第一次産業革命期(軽工業中心)…朝鮮にほぼ独占的な市場を獲得でき、また国内の購買力が徐々に向上し、繊維工業を中心に機械化、動力化が進む。
39,902
1894
・日清戦争開戦
(~1895)
41,142
1900
1900年代;第二次産業革命期(重工業中心)…重工業に欠かせない原料確保のため、権益拡大を朝鮮を足場に中国東北地方に伸ばそうとするが、同じく南下政策をとるロシアとの対立が決定的となる。
43,847
・汚物掃除法(現;廃棄物処理法)制定…ごみは「なるべく焼却すること」と定められ、各地の自治体でごみ焼却炉が設けられた(日本で始めての焼却炉は敦賀に、自治体による設置は大阪市に設置)。
1904
・日露戦争開戦
(~1905)
46,135
1910
・日立鉱山における煙害…1910年頃に茨城県日立鉱山北側に位置する三集落で栽培されている蕎麦に激しい被害が発生
49,184
1911
・工場法の制定
49,852
1914
・第一次世界大戦
(~1918)
52,039
1920
55,963
1930
64,450
1939
・第二次世界大戦
(~1945)
71,380
1940
・イタイイタイ病…富山県神通川(じんつうがわ)流域で1940年(第二次世界大戦の)頃から発生
71,933
■1945(昭和20)年・終戦以降
表面化する産業型公害
日本人口
1945
72,147
1946
・日本国憲法制定
・経済安定本部(経済企画庁の前身)
75,750
1947
・労働基準法
・独占禁止法
78,101
1950
・朝鮮戦争(~1953)で特需増大
83,200
1953
・水俣病…熊本県水俣市に1953~60年にかけて発生
(⇒’56年;第1号患者)
86,981
1955
・経済企画庁発足
31カ月にわたる爆発的な好景気(所得の増大⇒三種の神器(電気洗濯機、白黒テレビ、電気冷蔵庫)がヒット)
89,276
1957
・ソ連初の人工衛星スプートニクー号
90,928
1958
・水質ニ法(水質保全・効用排水規制法)の制定
・岩戸景気…1958年6月を景気の谷として42カ月間続いた戦後日本の長期景気拡大期
91,767
1960
・四日市ぜんそく…1960代前半に三重県四日市市を中心とした地域で発生
(⇒’72年;四日市公害裁判の判決)
・国民所得倍増計画を発表
…’70年(S45)には国民総生産を2倍に引上げ(太平洋ベルト地帯構想)
93,419
1962
・東京でスモッグ被害…首都圏で冬に1週間にわたりスモッグが発生し、運動中の小中学生が倒れる被害
・ばい煙規制法の制定
・沈黙の春(レイチェル・カーン著)
…DTTの全面禁止など、米国の環境行政に大きな影響
95,181
1964
・第二水俣病…新潟県阿賀野川流域で発生
・東海道新幹線開通
・名神高速道路開通
・東京オリンピック
97,182
■1965~74年(昭和40年代)
高度成長期の大気汚染
日本人口
1965
・いざなぎ景気
…’65年~’70年の消費主導型の大型好景気
98,275
1966
・3C(カー、カラーテレビ、クーラー)が流行語
99,036
1967
・公害対策基本法の制定
100,196
1968
・カネミ油症事件…食用油「カネミライスオイル」を摂取した人に発症した中毒症
・大気汚染防止法の制定
・騒音規制法の制定
・日本のGNPが世界第二位
101,331
1969
・東名高速道路開通
102,536
1970
・光化学スモッグの頻発…7月19日の朝刊各紙は大きな見出しで日本における初めての光化学スモッグ発生を報道
・公害国会の召集
・廃棄物処理法の制定
・水質汚濁防止法の制定
・万国博覧会
103,720
1971
・東京ゴミ戦争
・環境庁発足(⇒2000年環境省)
・悪臭防止法の制定
・ラムサール条約採択
(⇒’80;加盟)
105,145
1972
・四日市公害訴訟判決(患者側勝訴)
・播磨灘に発生した大規棋な赤潮
…養殖業を中心に総額71億円に及ぶ被害
・自然環境保全法の制定
・日本列島改造論
・ストックホルムで国連人間環境会議を開催
・国連環境計画(UNEP)設立
107,595
1973
・水俣病第1次訴訟判決(患者側勝訴)
・科学物質審査規制法の制定
・瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定
(⇒’78年;恒久法化)
・公害健康被害補償法の制定
(⇒’87;一部改正)
・第1次石油危機(オイルショック)
・ワシントン条約採択
109,104
1974
・硫黄酸化物(SOx)総量規制の導入
・国立公害研究所発足
・ローランド博士らがオゾン層破壊の可能性を指摘
・ラムサール条約制定
・世界の人口40億人
110,573
■1975~84年(昭和50年代)
産業型から都市・生活型公害へ(自動車排気ガス問題)
日本人口
1975
・豊島産廃公害事件(香川)
…瀬戸内海の小島に廃油など許可外の産業廃棄物が投棄(環境汚染)
・六価クロム汚染問題(東京)
…日本化学工業による六価クロム鉱滓の投棄による公害
・水島コンビナート重油流出事件(岡山)…重油タンクの破損により、 重油流出、東瀬戸内海の水域が油で汚染、養殖漁業をはじめ水産業に多大な被害
・赤字国債発行
111,940
1976
・振動規制法の制定
・イタリア・セベソの科学工場事故でダイオキシン汚染
113,094
1977
・環境保全長期計画策定
・国連砂漠化防止計画
114,165
1978
・西淀川公害訴訟
…高度経済成長期における、企業からのばい煙と道路からの排ガスによる都市型複合大気汚染の法的責任を初めて問うた、全国でも最大規模の公害訴訟
・自動車排出ガス規制(日本版マスキー法)の制定
・二酸化窒素(NO2)の大気環境基準の改定
・成田空港開港
115,190
1979
・省エネルギー法の施行
・第2次石油危機(オイルショック)
・スリーマイル島で原子力発電所事故(米国)
116,155
1980
・ラムサール条約加盟
117,060
1981
・水道水に発ガン性物質トリハロメタンを検出(大阪)…水質基準が定められた初めての有害化学物質
・窒素酸化物(NOx)総量規制の制定
117,902
1982
・川崎公害訴訟
…川崎市南部の公害病認定患者と遺族が自動車の排気ガスによる健康被害を訴え、国と首都高速道路公団を相手に損害賠償と汚染物質の排出を止めるよう求めた
118,728
1984
・湖沼水質保全特別措置法の制定
120,305
■1985年(昭和60年)以降
都市・生活型環境破壊の進行と地球環境問題の顕在化
日本人口
1985
・オゾン層の保護のためのウィーン条約の採択
・WMO(世界気象機関)が地球温暖化を警告
121,049
1986
・世界の人口50億人
・チェルノブイリ原子力発電所事故(旧ソ連)
・バブル経済化
・男女雇用機会均等法の施行
121,660
1987
・WCEDレポート(持続可能な開発)の提出
・総合保養地地域整備(リゾート)法の制定
・オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書採択
122,239
1988
・オゾン層保護のためのウィーン条約締結
・オゾン層保護法の制定
・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)発足
122,745
1989
・モントリオール議定書の発効
・ベルリンの壁崩壊
123,205
1990
・粉塵公害(全国)…自動車のスパイクタイヤにより粉じんが多量に発生し公害となる
・スパイクタイヤ粉じんの発生の防止による法律制定
123,611
1991
・リサイクル(再生資源利用促進)法の制定
124,101
1992
・自動車NOx法の制定
(⇒’01一部改正)
・地球サミットの開催
124,567
1993
・環境基本法の制定
124,938
1995
・容器包装リサイクル法公布
(⇒’97;施行)
125,570
1997
・環境アセスメント法の制定
・気候変動枠組み条約
(温暖化防止条約)
・第3回国際会議
京都議定書採択
126,157
1998
・地球温暖化対策推進法の制定
126,472
1999
・引地川ダイオキシン汚染事件
…神奈川県藤沢市内を流れる引地川から高濃度のダイオキシン類が検出
・ダイオキシン類対策特別措置法の制定
・PRTR(特定化学物質の管理促進)法の制定
126,667
2000
・河川法の改正
・循環型社会形成推進基本法の制定
126,926
2001
・グリーン購入法の施行
・自動車NOx法の一部改正
127,316
2002
・自然再生促進法の制定
・土壌汚染対策法の制定
127,486
<参考文献・資料等>
環境汚染の歴史<PDFファイル>
いま地球がたいへん!
独立行政法人 環境再生保全協会
環境年表
国立社会保障・人口問題研究所 少子化統計情報
一般人口統計 -人口統計資料集(2007年版)-
「表1-2 日本人人口,人口増加,性比および人口密度:1872~1920年」
国立社会保障・人口問題研究所 少子化統計情報
一般人口統計 -人口統計資料集(2007年版)-
「表1-3 日本の総人口,人口増加,性比および人口密度:1920~2005年」
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コメント4件
Honda | 2007.06.03 16:25
ガソリンスタンドが、単なる市場での儲けを超えたところで、地域密着の組織として復活。なんか空き瓶の廃品回収をしていた米屋さんを思い出します。きっと地元の人からの感謝と評価で、社長さんは充足しているのだと思います。
このような視点から見ると、巨大資本に牛耳られた利益第一主義から、かつて存在した、人々の生きる場を自ら築いていくという時代への回帰または転換という意味で、新しさを感じます。
本田真吾 | 2007.06.17 19:10
循環型社会の成立条件は共同体の再生にある1
今はやりのリサイクルは、それをしない場合より多くのエネルギーを消費しているため、本質的な問題解決になっていない、という指摘は物質側面の分析としては正しい。…
本田真吾 | 2007.06.17 19:18
循環型社会の成立条件は共同体の再生にある2
ところが、そこを一歩踏み出した、地域共同体的な役割創出とも言える事業があった。滋賀県のGSである。この小さなGSは、この事業を拡大して自社独占する様な、市…
寒鰤庵の雑記帳 | 2007.05.26 20:30
バイオ燃料は救世主となるか?
[http://d.hatena.ne.jp/komachan/20070525 日本のエネルギー自給率が4%であることを、日本の国民は理解しているのか。…