2007-11-09

環境ホルモンってどんな問題だったのか~その1~

みなさん、こんにちわ~:D





今回は、『環境ホルモン』にスポットを当ててお話しようと思います。

この「環境ホルモン」は、約10年前にHOTだった話題です。

みなさん、聞き覚えがある言葉だと思いますが、「そんなのもあったな~」「そういやどこ行ったの?」という感覚ではないでしょうか?





この「環境ホルモン」という言葉が、流行語大賞に輝いたのが、1998年

その受賞の理由にはこう書いてあります。


「21世紀の世界で、もっとも重要なテーマは“環境問題”である。この年、地球の生態系を狂わす恐るべき化学物質「内分泌撹乱化学物質」を、井口(大賞受賞者:当時 横浜市立大学理学部教授 井口泰泉氏)は「環境ホルモン」と名付けた。これにより環境問題は一挙に身近なものとなり、水道水、土壌などの問題を論ずる時にも「環境ホルモン」の語が出ないことはなくなった。」

※新語・流行語大賞 全受賞記録 第15回(1998年)
 より





って言ってるけど…んん



確かに当時はよく耳にしたけど…:roll:

……最近はめっきり聞きませんよねぇ…



一体、この温度差は何なんでしょう




では続き…の前に、応援よろしくお願いします



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さてさて、今回はみなさんの記憶を掘り起こすためにも、



・そもそも、「環境ホルモン」って何?

・いつ騒がれてたっけ?

・どんな内容だったっけ?





という、基本から押さえていこうと思います





環境ホルモンって何?

一番長い正式名称は、「外因性内分泌攪乱化学物質」。

体内で生成される天然のホルモンは、それ専用のレセプター(受容体)にくっついて作用する。

環境ホルモンは、天然のホルモンと「つくり」が似ているため、このレセプターくっついてしまい、生物の体内に取り込まれると、まるでホルモンのように働いて生殖機能などをかく乱するおそれのある物質のことをいう。



コレが本当なら、確かにキケンだと思いますよね…:-(



では次に、実際どのような経緯で「環境ホルモン」というものが世間で話題になったのか?ということを知るために、年表を作りました。



環境ホルモン年表































1996年 3月 アメリカで『Our Stolen Future』(シーア・コルボーン著)出版。
1997年 1月 環境庁など5省庁が内分泌攪乱物質についての情報交換会を設置。
1997年 5月 NHK教育テレビの科学番組『サイエンスアイ』~なぞの汚染源・環境ホルモン~放送
この番組を作る際、ディレクターの村松秀氏と(当時 横浜市立大学理学部教授)井口泰泉氏が「外因性内分泌攪乱化学物質」を「環境ホルモン」と名付ける。
→以後、NHKで環境ホルモン特集が組まれ、最終回の1998年11月21日の放送まで計8回の放送される
1997年 6月 日本の新聞に初めて「環境ホルモン」という言葉が登場
1997年 9月 「プラスチックからビスフェノールAが溶け出す」という記事
→プラスチック系環境ホルモンの話題の発端
1997年 9月 『奪われし未来』邦訳 刊行
1997年 10月
(~98年1月)
毎日新聞生活家庭欄「しのびよる人体汚染」(計16回連載)。
→著者の小島正美はこの「環境ホルモン」報道をリードする最大の書き手の一人
→この連載の内容も、『生殖異変』に焦点が当てられていた
1997年 11月 NHKスペシャル「生殖異変~しのびよる環境ホルモン汚染~」>
→『生殖異変』という言葉が大きな反響を呼ぶ
1998年 2月 ●「プラスチックから環境ホルモン/環境庁モデル事業中止」の記事
→≪プラスチック製品→ビスフェノールA検出→危ない≫という図式を植えつける
●朝日新聞「人は子孫を残せるか」の記事
→「環境ホルモン」問題を正面から取り上げた最初の社説
1998年 5月 「SPEED’98」開始
→67物質を環境ホルモン物質としてリストアップ
1998年 6月 ●「環境ホルモン」報道件数がピーク
主要な話題はカップ麺騒動
→カップに熱湯をそそぐと、容器から環境ホルモン作用が疑われるスチレンダイマー・スチレントリマーが溶け出す、という騒動
1998年 末 「環境ホルモン」が流行語大賞受賞
2000年 6月 読売新聞記事「多摩川のコイ、メス化は女性ホルモン/下水のし尿に含有」
→メス化の原因は、合成物質ではなく、し尿に含まれる女性ホルモンであることがわかる
2000年 7月 「SPEED’98」の67物質のうち約40物質の有害性を評価、そのうちさらに7物質を優先的に対象とする。
→この段階で、カップ麺疑惑で注目されていたスチレンダイマー・スチレントリマーはリストからはずされる。


参照:奥武則 「悪いニュース」は「いいニュース」ー「環境ホルモン」報道の検証ー

    『環境ホルモン 人心を「攪乱」した物質』 西川洋三



また、いつごろ盛り上がっていたか?ということの事実として、「環境ホルモン」の新聞報道記事件数の推移と、この頃に開かれた(環境ホルモンに関する)国際シンポジウムを表したグラフが以下のものです。




zak283.jpg
中西準子のホームページより


このグラフ・年表を見てもわかるように、「環境ホルモン」が一番盛り上がっていた時期は、1998年中頃で、ピーク値は1998年6月(811件)です。これは、一紙が平均して月々およそ20本も「環境ホルモン」記事を書いた、という計算になります。





この当時、そこまで話題だったものが、今はなぜ聞かなくなったのか?

また、なぜその当時は、短期間にここまで話題になったのか?




環境ホルモンに限らず、環境問題というものは、何か一つが問題だと取り上げられて話題になり、ブームが去ったら忘れられ、また違うものが問題だと取り上げられて…ということを繰り返して、結局何も解決してないやんという仕組みになっているように思います。



次回は、その仕組みに迫るためにも、「環境ホルモン」は一体どういう問題だったのか?
ということに迫りたいと思います



こうご期待

List    投稿者 kanon | 2007-11-09 | Posted in K.環境汚染ってどうなってるの?6 Comments » 

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コメント6件

 ノニでダイエット? | 2007.12.14 16:41

いつも読ませてもらっています。
京都議定書のゆくえ、気になっていたので、大変参考になりました。
また遊びに来ます~
応援ぽち!

 SGW | 2007.12.16 19:30

 倫理学者ピーター・シンガーの本「グローバリゼーションの倫理学」の中に、公平性についての論考があります。
以下、抜粋を。
「政治哲学においては、ロバート・ノージックに従って「歴史」原則と、「時間-切断」原則を区別するのが一般的である。歴史原則とは…現在の状況がどのようにして生じてきたのかということも問題にしなければ公正な分配かどうかは決められない。それとは対照的に、時間-切断原則は特定の時点での分配を調べて、その分配が公正さに関するなんらかの原則を満たしているかどうかを問い、それ以前の一連の出来事は何も問題にしない。」
1.「歴史原則:汚染者賠償/支払い:
大気に関するかぎり、先進国がそれを破壊したのである。自分達が大気を破壊した責任の度合いに応じて、人々はその修復に何らかの貢献をするべきだ、と私たちがもし信じているとすれば、先進国は大気に関する問題を修復するという借りを、世界の残りの部分に対して負っていることになる。」
2.「時間-切断原則:
過去を水に流して再出発するのが正しいという状況はありうる。認識をもって然るべきと思われる時点より前に排出した分についてはそうだろう。しかしながら、少なくとも1990年には、気候変動に関する国際パネル(IPCC)が最初の報告書を公表しており、排出に関するする危険のはっきりした根拠が存在していた。90年以降に起ったことを水に流すのは…産業国の肩を持ちすぎているように思われる。…」
次に時間-切断原則の内の3種類の原則を説明しています。
A.「全員に対する平等な割当て:
誰もが他の誰とも同じように、グローバルな大気のシンクの割当分への権利を持っている。少なくとも議論の出発点ではそうである。
 この見解を取るならば、各国はどれだけ炭素を排出することが許されるかを問題にし、現在排出している分と比較することが必要になる。…」
 コメント:Per Capita(資本あたりと誤解する人も居るかもしれませんがそうではなく、人口一人当たりという意味です)の許容排出量を平等に割り当てるということになります。時間-切断原則を採用するからには、既得権としての過去の排出実績は考慮できません。
B.「最低の状況にある人々を助ける:
私たちが財を分配する際に、すでによい状況にいる人々に対してそれ以上与えることが正当化されるのは、そうすることが最低の状況にいる人々の状態を改善する場合に限る、それ以外の場合には、資源に関して最も低い状況にいる人々にのみ与えるべきである。…
効率性の議論はうまくいかないので、私達は次のように結論せざるを得ない。…必要な変化に掛かるコストのすべては、やはり豊かな国々が負担しなければならないだろう、と。」
C.「最大多数幸福原則:
公利(功利)主義的観点から上で論じた諸原則は正当化することができる。
「汚染者支払い」原則は汚染や破壊を生じさせないよう注意深くさせる強力な誘因となる。これらは一般の利益となる。
平等主義原則は、割当を分配する明確な基準が他に存在しない場合には、争いを継続させないで平和的解決を導く理想的な妥協案となりうる。
公利主義者は最低の状況に置かれている者に資源を分配するという原則をしばしば支持することができる。なぜならすでに十分に所有している場合には、それ以上与えられても少ししか所有していない場合ほどには効用が増大しないということである。」
 そういう公平性という観点からは、一番先進国の既得権に配慮をした方式が、京都議定書の基準年比削減という考え方でしょう。

 論理的な独り言 | 2007.12.16 19:57

国連気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)閉幕

若干の波瀾を含んだこの会議も、京都議定書の“後継者”「バリ・ロードマップ」への各

 匿名 | 2007.12.27 4:49

申し訳ありませんが、気候変動枠組条約をご存知でしょうか?
京都議定書の基準年の1990年というのは、1992年のリオサミットで締結された気候変動枠組条約に基づいています。
京都会議とは、1992年に締結された「二酸化炭素及び温室効果ガスの排出を1990年の水準に回帰させることを目指して、政策及び措置並びにその結果の予測に関する詳細な情報を提出する」とした気候変動枠組条約の具体的な数値を決めるために開催された第3回締約国会議であるので、1990年という基準年は当然であると思いますが、なぜそのことに触れないのですか?

 地球温暖化につて考える | 2008.02.11 3:27

京都議定書の発効について

 地球温暖化につて考える | 2008.02.11 3:28

京都議定書の議決内容について

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