2011-08-09

次代のエネルギー潮汐・海流の可能性 3.大海の巨大な流れ、海流は何故起こるのか

前回投稿では、海が生み出す巨大な力潮汐について、その仕組みを考察しました。潮汐は月と地球の間の引力が生み出すものでしたね。

さて、今回はもう一方の海がもたらす力「海流」を扱います。前回扱った潮汐は概ね12時間を周期として潮が満ち引きする現象ですが、一方「海流」は、例えば日本の太平洋岸を流れる黒潮などのように、常に同じ方向へ向かう、海の巨大な流れのことです。

昔習った記憶があるかたもいるとは思いますが、ほとんどの方は忘れてしまったと思うので、海流が何故起こるか考察する前に、まずは、日本の周辺の代表的な海流、黒潮(日本海流)、親潮(千島海流)について、どんなものか「海とふねなるほど豆辞典」より引用して紹介します。
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日本周辺の海流 黒潮と親潮
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こちらからお借りしました。

海流は海水の温度から暖流と寒流の2つにわけられます。日本の近海には暖流と寒流が流れています。
日本の近海で有名な暖流といえば「黒潮」があります。海の水が黒っぽい濃い青色をしているので黒潮と呼ばれています。世界でも最大級の強い流れの海流として知られ、北大西洋の湾流とともに世界2大潮流のひとつです。海水表面の速さは毎秒2mをこえるほどで、時速になおせば7.2km、小走りするぐらいの速さになります。
また、黒潮の一部は、沖縄の近くでわかれて対馬海峡をとおって日本海へ入ります。(対馬海流)山陰沖、能登沖で大きくうねりながら、一部は津軽海峡をぬけて太平洋へ出ていきます。
寒流にはロシアのカムチャツカ半島の方向から南へ流れてくる千島海流があり、「親潮」と呼ばれています。この海流はプランクトンが豊富で、たくさんの魚を育てることから親潮の名前がつきました。海流は魚をはじめとした海のめぐみを、わたしたちにとどけてくれる役目もしてくれます

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さて、海流のイメージできましたでしょうか?黒潮は日本近海ではなんと幅100kmにも及ぶとのこと。物凄く巨大な川が流れているイメージでしょうか。
それにしても、いつも一定方向に巨大な流れがあるって、よくよく考えてみると不思議ですね。あっち向いたりこっち向いたりちゃらんぽらんではないのですね。

そろそろ海流の構造追求に入って行きますが、ここで、そのため世界の主な海流も見てみましょう。やはり、黒潮同様、一定方向への巨大な流れを成していることがわかります。以下の図に、主な海流が示されています。

世界の主要な大海流は、円を描くように循環している

こちらからお借りしました。

海流の流れを地図を追って説明すると、図の左側日本のところを出発した海流(黒潮)は太平洋を横断して(北太平洋海流)、アメリカ沿岸に達したあと南下して(カリフォルニア海流)やがて赤道上を再び日本のほうへ向かって流れていきます。大きくは円を描く巨大な流れを成していますね。

太平洋の南半球では、赤道上を流れてきた海流が、日本とは反対方向、オーストラリア方向へ向かい、そのまま南極方向へ抜けます。そして南極大陸沿いに南米方向へ進み、南米大陸にぶつかって赤道方向へ向かいます。そして再び赤道上のをアジア方向へ向かいます。これも大きくは円を描くような形となっていますね。

また、大西洋(アメリカとユーラシアの間の海)をみると、アメリカ東岸をヨーロッパへ向かった北大西洋海流がイベリア半島沖(ポルトガル沖)あたりから南下し、サハラ砂漠沖からアメリカ大陸へ向かいます。これも大きくは円を描く形での大きな流れを成しています。

これ以外にも、南大西洋でも、また南インド洋でも大きくは円を描くように海流が流れている事がわかります。そして、北半球では時計回り、南半球では反時計回りで回っており、海流の方向に規則性、法則性があるようです。

このように世界の主要な海流は、流れる方向が一定しており、かつ回転方向も規則性があるのですが、これはなぜなのでしょう?このような流れを生んでいる力は何?ここが今回の投稿の中心テーマに入っていきます。
一定方向に吹く「貿易風」が巨大な海流を生む

これを生み出しているものは何かといえば、答えはずばり「貿易風」です。風が海面をおして大きな流れを作っています。下図のように、低緯度地域では、東より風が恒常的に吹いており、これが海流の大きな流れを生み出す駆動力となっています。

こちらからお借りしました。

「貿易風」は大航海時代、貿易の航海に使われた風と言われることが多いですが、trade windsとはもともとは「同じ方向から吹く風」という意味のようです。(tradeはpathとかtrackという意味だったらしい。)訳語としては余りふさわしくないようですね。単に、単に「恒常風」とするのが原義に近いようです。

低緯度地域でいつも東よりから吹く風により西への流れを与えられた海流は、大陸にぶつかる手前で南北に分かれ、大陸に沿うように流れて流速をまし、やがて大陸を離れて反対方向へと勢いを弱めながら流れていきます。

貿易風の力が海流を生んでいることは分かりましたが、ではただちに論点は、貿易風はどのようなメカニズムで形成されるのか?になりますね。続けてそこを追求しますが、そのポイントは
①海流を駆動するような大きな「風の力」の源は何か
②なぜ東よりの風となるのか、いう点かと思います。

■貿易風を生む、強力な太陽エネルギー→大気循環
下図に貿易風の立体的な構造が示されています。この赤道を挟む低緯度は、地球上でもっとも強力な太陽のエネルギーを受ける地域で、温められた大気は強力な上昇気流を生みます。上昇した大気は南北へと分かれて移動し、上昇後次第に冷えて重くなり、南、北回帰線あたりで下降し高気圧地帯を形成します。

そして赤道付近は上昇気流を生んだ後、低気圧地帯になっていますから、そこへ向かって、(高気圧地帯から低気圧地帯へ)還流していくことになります。これが、貿易風を生む、太陽エネルギーを源とした大気の循環のメカニズムです。

ニュートン別冊「みるみる理解できる天気と気象」より

■貿易風が東よりの風となるのはなぜか
ではそれが図に示すように東よりになっているのはなぜでしょう。もう一度先の説明に戻ると、赤道付近で上昇した大気が南北へわかれて移動して行きますが、このとき微妙に右(東)方向へ曲がっていきます。
なぜかというと、地球上の地点は緯度によって自転速度が違うためです。地軸を軸として回転している地球では、赤道上の場所は猛スピードで回転移動している(∵回転半径が大きい)のにていして、北極点や南極点付近の地点は非常に回転移動速度が遅いです。(∵回転半径が小さい)。

従って赤道上で自転により東向きの初速度を与えられた風は、高緯度へ移動するにつれ、そこは回転移動の速度が遅いため、風が次第に先へ進む感じなります。つまり右周りにずれて行きます。そして、下降して赤道付近へと戻って行くときは逆に風が、地球の回転に対して送れる形になります。つまり東よりの風となる。これが貿易風=東よりの風です。

この話はちょっと実感レベルではつかみにくいですが、19世紀のフランスの学者が砲弾の着弾地点が予測よりも微妙に左右ににずれることから追求し、この原理を発見したとのことです。

●大海の流れ=海流を生む、もうひとつのエンジン偏西風
上記からなぜ貿易風(低緯度地帯の東よりの風)が生まれそれが、海流をを動かすエンジンとなっているかがわかると思いますが、実は、海流を動かすエンジン=風の力は、もうひとつあります。中緯度地域(日本やヨーロッパあたりの緯度)に吹く西よりの風、偏西風です。(最初の地球儀を参照してください)
これは貿易風と逆に、地表面で高緯度地帯へ向かう風なので風が先へ進み、西よりの風となります。日本でも天気は西から変わりますが偏西風の影響ですね。

まとめ
今回は、太陽光のエネルギーを源とする、一定方向へ向かう大気の循環の力が、海面をおして大海の大きな流れ、海流を生んでいることを見てきました。
(前回紹介した、潮の満ち干機、潮汐とは、両者とも海水の現象なのですが全く原理が違うんですね。)
また、大気の循環(貿易風や偏西風)に一定の方向性が生まれるメカニズムも見てきました。
海流には非常に大きなエネルギーが秘められているのが改めて分かった気がします。
では次回、潮汐、海流の力を利用した発電の事例や構想を見ていくことにします。

List    投稿者 fwz2 | 2011-08-09 | Posted in E10.潮汐・海流の可能性No Comments » 

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